海外情報紹介 英国航空とSolena社の共同事業である、廃棄物をジェット燃料に転換するGreenSkyプロジェクトが処理施設の設置場所を確定し加速

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1850

2014年4月16日水曜日−英国航空とSolena社による、埋め立てごみをジェット燃料に転換する共同事業は、処理施設の建設予定地を公表したことで大きな弾みをつけた。施設が建設されるのは、かつての石油精製所がある、テームズ川の河口に立地するロンドン東方の再生プロジェクトである Thames Enterprise Park内の予定である。GreenSky施設の建設作業の開始は2015年内と見込まれ、建設には約1,000人の労働者が雇われ、2017年に施設が完成した暁には運営のために最大150の恒常的雇用が創出される予定である。英国航空が建設資金を供給し、5億ドルのGreenSky計画における少数株主になっている。英国航空はこのプラントが製造する年間約1,600万ガロンのジェット燃料を11年間、市場競争力のある価格、すなわち現在の5億5千万ドルに相当する価格ですべて購入すると約束した。
「航空産業が気候変動に及ぼす影響を低減しようと、我々は常に努力しているが、この種のものでは最初のこのプロジェクトが航空産業にとっての重要な一歩になる。」と英国航空の親会社であるIAGの社長であるWillie Walsh氏は語った。「GreenSky計画のロンドン施設の建設によって、英国航空が自社の二酸化炭素排出を顕著に低減するための基礎が築かれることになるだろう。毎年製造される環境に優しいジェット燃料は、二倍を超える二酸化炭素節減すなわち、道路を走る車を150,000台減らすのに等しい量を削減しながら、ロンドンシティ空港からの英国航空便の燃料をまかなえる程度の生産量になるだろう。」

Essex州Thurrockにある利用されなくなった工業用地はThames Gatewayの北方にあり、輸送の便がよく、燃料貯蔵設備があるとのことだ。用地は部分的にはかつてのCoryton石油精製所があったところだが、2012年に売却されるまでの数年間は余剰施設だったものであり、残りの用地は精製所を拡張するための土地として元来確保されていた。精製所の資産はVopak、ShellそしてGreenergyから成る合弁企業によって取得され、Thames Oilportという名称のジョイントベンチャーになった。このジョイントベンチャーは(燃料の)バルク輸入と燃料混合のためにターミナル整備改装を進めることを、残りの用地はGreenSky計画のような再生可能エネルギーと発電計画のための再開発を目指している。

「Solena社のようなバイオ燃料のための新規の取り組みにはここは理想的な立地であり、それに関われることを我々はとても喜んでいる。テムズ川に面した立地で、燃料貯蔵庫や燃料パイプライン、そして道路や鉄道や桟橋等の良いインフラが揃っている。」とGreenergyの社長であるAndrew Owens氏は語った。「Thames Enterprise Parkの主な目的は、閉鎖されたかつてのCoryton石油精製所を再生することである。英国航空とSolena社が提案した施設は、特に熟練を要する職の数を考えると、まさに我々とThurrock議会がこの場所に誘致したいタイプの注目を引く技術プロジェクトである。」

GreenSky計画の資金調達のアドバイスはバークレイズが行っている。「これは疑いなく独特で画期的なプロジェクトだ。我々が思うに、経済面での基礎的情報や環境面での基礎的情報が、負債と資本の両視点から投資家達の関心を引くだろう。」とバークレイズの資本支出融資対策部門の責任者であるGabriel Buck氏は語った。「このプロジェクトの負債構造は、保証人となるだけでなく資金調達も行う輸出信用機関との仮契約で確認済みである。我々は今、プロジェクトチームと共に資金構造全体を完成させることに集中しているところだ。」

GreenSkyは通常なら埋め立て処分か焼却処分になる年間約575,000トンの再利用済み廃棄物を、燃焼による大気汚染が少ない120,000トンの液体燃料に変えるために使用するが、そのうち50,000トンがSolena社が特許権を持つ高温プラズマガス化技術によってジェット燃料に転換される。この技術は廃棄物を合成ガスに変え、次にガスの洗浄と調整を含む当事者以外の技術であるVelocys Fischer-Tropsch転換プロセスで水素化分解と電力発電を行って液化炭化水素に変える。Solena社によると、初期の工学的設計を終了し、協力企業とともに現在、施設の次の技術段階を開始しているとのことだ。

「我々は、必要な許可と契約がすべて得られた後、約12ヶ月以内の施設建設開始を見込んでいる。」と、Solena燃料の最高経営責任者であるRobert Do氏が語った。「我々はGreenSky London施設を首尾良く建設することを期待し、英国に追加施設を建設することについても英国航空との提携に期待している。」

英国航空の環境部門の責任者であるJonathon Counsell氏は最近のWorld Bio Marketsイベントのセミナーで、英国航空はGreenSky燃料の使用により年間最大145,000トンのCO2節減に期待していると述べた。「我々はこれを安い燃料の原料調達のためでなく、我が社の二酸化炭素排出を低減するための一助として行っている。それは我々にとってとても大事な実証プラントである。もしこの作業を商業的に証明できれば、次に我々は英国内に同様の施設を、可能性としては最大6カ所で、同規模かさらに大規模のものを建設することになるだろう。」と彼は述べた。

英国航空の環境に優しいバイオ燃料計画とGreenSky施設についてのさらなる詳細については、今月遅くにジュネーブで開催されるGlobal Sustainable Aviation Summit でCounsell氏とWalsh氏によって明らかにされることが期待されている。
リンク:
英国航空 - One Destination計画
Solena Fuels
Thames Enterprise Park
Velocys