海外情報紹介 航空部門は燃料効率改善と炭素排出安定化のために行動すると、ICAOの理事会議長が国連の気候サミットでスピーチ

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1986

 2014年9月24日水曜日−昨日、国連の気候サミットでニューヨークに世界の指導者らが集い、ICAO理事会議長であるOlumuyiwa Benard Aliu博士は、航空部門をまとめることが、航空輸送の燃料効率改善を継続し2020年からのCO2排出総量を安定化させるための対策を講じることになると述べた。航空部門全体の排出物削減のためにすでに取りかかっている作業の拡大を目的とした、ICAOと航空産業の間の気候変動対策に関する声明を発表した。共同の行動声明と行動計画が、サミットにおいてICAO、及び航空産業を縦断する組織である航空輸送活動グループ(ATAG)から公表された。その一方で、今回のサミットを際立たせるために、ヘルシンキからニューヨークまでエアバスA330を使用した民間飛行便を、使用済み料理油の再利用で製造した環境に優しいバイオ燃料をSkyNRG Nordic社の供給によりフィンエアーが使用して運航した。
 「ICAOの活動を通じて作業をしている各国政府は航空産業と結束して航空関連排出物軽減のためと、現在我々人類が遭遇している広範でとても困難な国際目標の達成支援のため、断固として作業を行っている。」とAliu博士は述べた。「協力関係を保ちつつ我々航空部門は先を見越した具体的な活動を行っており、この活動が航空輸送の燃料効率改善を継続し、航空部門の二酸化炭素総排出量の2020年からの安定化を図ることだろう。この点では我々の歴史的にも大きな業績と矛盾せず、航空輸送が引き続き市民と、社会と企業にとっての航空輸送を行い、航空機が飛ぶあらゆる場所での平和と繁栄を促進する。」

共同声明には航空部門の国際的業界団体が連署したが、連署した組織には国際空港評議会(ACI)、民間航空管制業務実施機関協会(CANSO)、国際航空運送協会(IATA)、国際航空宇宙工業会協議会(ICCAIA)そして国際ビジネス航空協議会(IBAC)が含まれる。

声明では、「2050年までに総CO2排出量を2005年のレベルの半分に減らすという航空産業の現在の目標に取り組みながら、航空部門の長期的国際目標を探求するため」ICAOの下で追加作業を行うことを誓約している。

これらの目的を実現するため、声明では続けて、4つの主要分野に及ぶ軽減のための活動と対策が公表されている。:

1. 新しくより効率的な航空機技術と環境に優しい代替燃料;
2. 就航している航空機からのCO2排出量を低減するための運航上の改善;
3. インフラ、特に航空交通管理のより効率的な利用;
4. 国際航空のための効果的な市場に基づく国際対策の策定

サミット開催の場でAliu博士の隣はATAGの事務局長であるMichael Gill氏であった。「本日の声明は民間航空部門を通して行われる協調的行動に基づいて作られたものである。」と彼は述べた。「航空産業のあらゆる部門がお互いに協力して、研究部門や政府そして他の部門の関係者と共に、航空産業として気候変動対策活動を遂行するための作業を行うことを理解するのは印象深い。航空は経済支援、観光産業を発展させ、文化交流を可能にする世界で善を促進する力である。航空が気候に及ぼす影響にも対処しつつ、これらの恩恵を引き続き世界に届けることができると我々は信じている。」

サミットに先立ち、インターナショナル・エアラインズ・グループのCEOであるWillie Walsh氏は、炭素の価格設定が企業が気候変動に取り組むために最も効果的な意味をもつと述べた。

「2020年までに炭素排出量に値段をつけるため炭素市場を利用するという、エアライン用の国際制度策定のための国際的努力を我々は支援する。」と彼は世界銀行のビデオの中で述べた。「効果的な制度は、航空産業が炭素排出量を減らす技術の導入を加速させることと、航空輸送から炭素を除去する大きな可能性に目標を絞る動機付けを増大させることとなる。」

「我が航空産業は環境パフォーマンス改善のための意欲的かつ困難な目標を掲げており、この目標には2050年までに航空由来の総炭素排出量を50%削減することが含まれる。新型機や、燃料効率と炭素利用率を大幅に改善したエンジン技術への数兆ドルの投資、サステナブルな代替燃料の使用や、重要な要素としては炭素取引を通じて、我々はこの目標を実現する。」

サステナブルな燃料を使用したフィンエアーのヘルシンキからニューヨークまでの昨日の民間飛行便が、エアバス社と、本拠地がアムステルダムであるSkyNRG社とStatoil Aviation社とのジョイントベンチャーであるSkyNRG Nordic社との協力のもとで飛行した。

「今回のサミットは、気候変動に対抗するための重要な会合で、我々は環境的にサステナブルなバイオ燃料をより航空で広範囲に使用し、気候変動に恩恵をもたらすことに注目を集める機会にしたい。」とフィンエアーのサステナブル開発部門の統括責任者であるKati Ihamäki氏は説明し、ヘルシンキ空港にバイオ燃料ハブを設置する可能性をフィンエアーが現在調査していることも明らかにした。「協力企業や、政府機関省庁とも連携し、バイオ燃料の供給プロセス開発支援のためと、この燃料を日常使用するためのサステナブルなバイオ燃料の価格低下支援のための作業にフィンエアーは専心している。」

エアバス社の環境問題の統括責任者であるAndrea Debbané氏は付け加えた。「エアバス社とフィンエアーは最新型で燃料効率のよい航空機および最適化された航空交通管理及び運航手順を組み合わせることでカーボンニュートラルな成長を達成するという航空産業の意欲を共有しており、その一方で、手頃な価格のサステナブルなジェット燃料を商業的利用することの探求も行っている。」

SkyNRG社のCEOであるDirk Kronemeijer氏は、北欧諸国のためのサステナブルで手頃な価格のジェット燃料の地元地域での供給及び製造を、協力企業らと共に加速させるための活動の始めが今回のフライトであると述べた。「政府からの欠くことのできない支援を得て、我々は共通の取り組みや統一した目標を持っており、航空のためのサステナブルで長期的な将来を実現できる。」

リンク:
国連の気候サミット
航空の行動声明と行動計画
国際民間航空機関(ICAO)
航空輸送活動グループ(ATAG)
世界銀行−Willie Walsh氏のビデオ
フィンエアー−環境責任
エアバス社−環境効率
SkyNRG社