海外情報紹介 法的圧力とNGOの圧力にさらされて、米国環境保護庁は航空機排出物に向けた国内規制プロセスを開始

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1978

2014年9月15日月曜日−何年もの間環境団体から圧力をかけられ、米国の環境保護庁(EPA)は航空機の温暖化ガス排出物(GHGs)に向けた国内規制プロセスを開始した。このプロセスの下で、EPAは航空機のGHGsが公衆衛生または福祉を危険にさらす大気汚染の原因となる、或いはそれに寄与するかどうかの決定を行い、2015年4月遅くまでに結論を公開する予定である。ICAOの環境保護委員会(CAEP)宛の文書で、EPAは現在のスケジュールでは、2016年春に最終的決定を公表する予定であると述べている。EPAとFAA(米国連邦航空局)は現在CAEPで、2016年2月の合意を見込んでいる航空機用CO2国際排出基準確立のための作業を行っている。GHG排出物対策についてEPAの取り組み不足をとらえて訴訟を起こすと脅していた米国のNGOはEPAのこの動きを歓迎した。
危険性の認定と同時に、CAEPのGHG低減の取り組みと航空機の国際CO2排出基準の制定におけるICAOの進展の概要を提供するため、規則作成先行公示(ANPRM)を公表するとEPAは述べている。

「航空機のGHG排出物が公衆衛生及びまたは福祉を危険にさらす大気汚染の原因である、またはそれに寄与するとEPAが理解すれば、これらの基準を国内で実施するために大気汚染防止法を用いる可能性、パブリックコメントを求めるための透明性と好機が保証されるだろう。」とEPAの文書に書かれている。

EPAは行動しなければならないという連邦判事の決定を3年前に確保しているので、今からわずか一ヶ月前、米国の3つのNGOがEPAに「航空機の温室効果ガス汚染低減をし損ねている」(記事を参照のこと。)と訴えるつもりであると通知した。

EPAの文書では「利害関係者と法的審理の進行による国内の圧力」を認め、2007年12月に受け取った請願と、危険性の認定を行うよう大気汚染防止法は要求しているという2010年の訴訟判決に応えて、法制化過程を開始していると述べている。

環境保護団体である生物学的多様性センターによれば、この現在進行中のプロセスでは国際的活動と関わりなく、EPAの国内での活動を要求している。

「我々の気候への危険な脅威である、エアライン産業の巨大な、増加の一途にある温室効果ガス汚染削減のための第一歩を、EPAがやっと踏み出したと我々は喜んでいる。」とセンターの気候法研究所の上席弁護士であるVera Pardee女史は述べた。「20年近くもの無策の後、2016年までに意味のある炭素排出基準を国際社会が公表できるかどうか我々にはわからない。しかし、国際的な動きの遅さにかかわらず、EPAは行動しなければならない、そうするということはいいニュースである。この現実が、世界初の法的強制力のある航空機気候変動条約実現につながる可能性さえある。」

地球の友のアナリストであるJohn Kaltenstein氏は付け加えた。「EPAの行動は我々を航空産業の炭素排出と取り組むための正しい方向に向かわせる。これまで航空産業はレーダーの下を飛んでいたので精査を受けてこなかった。かなりの作業がEPAの前途にはあるが、実質的効果のある解決策がEPAにあれば、またはこの取り組みが実質以上の効果を上げれば、事態の前進を目にすることになろう。」

リンク:
EPA−航空機の温室効果ガス排出物
生物学的多様性センター
地球の友
国際民間航空機関 環境保護委員会(ICAO CAEP)