海外情報紹介 中国産使用済み料理油からサステナブルなジェット燃料を製造するための新たなデモ施設をボーイング社とCOMAC社が開設

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1994

2014年10月23日木曜日−使用済み料理油(UCO)の航空用バイオ燃料への転換可能性を研究調査するための共同作業をボーイング社と中国商用飛機有限責任公司(COMAC)が公表して2年が経過し、浙江省杭州市にデモ施設が開設された。この施設は中国と米国の航空用バイオ燃料試験計画として知られている航空機メーカー2社がスポンサーで、一日最大160ガロン(600リットル)のサステナブルなジェット燃料生産が見込まれている。廃油をジェット燃料に転換する前に不純物を取り除くため、杭州能源工程技术有限公司が開発した技術が使用されることになっており、協力企業によればこのジェット燃料は国際規格に適合すると言っている。
中国では年間に地溝油と呼ばれる約2,900万トンのUCOが生産されるが、一方で中国の航空システムはジェット燃料を2,000万トン使用している。

このプロジェクトの目標は技術的な実現可能性とこの製造過程からさらに多くのバイオ燃料を生産するための費用を評価することである。ボーイング社とCOMAC社は中国の使用済み料理油を使って年間5億ガロン(18億リットル)のバイオ燃料生産が可能であると見積もっている。

2012年8月に、これら企業はCOMACの北京航空科学技術研究所に、ボーイング・COMAC・航空用省エネルギー・排出物削減技術センターを開設した(記事を参照のこと)。このセンターは中国の大学や研究機関と共に、航空交通管理や航空用バイオ燃料のような分野も含め、航空の効率改善の知識を広げるために利用されている。

「ボーイング社とCOMACの間の協力によってなされた、特に航空用バイオ燃料技術についての成果について進展を見たことは我々にとって大変喜ばしい。」とこの研究機関の統括責任者であるGuangqiu Wang博士は語った。「航空産業のサステナブルな発展促進のため、我々は引き続きボーイング社とともに省エネルギーと排出物削減分野で協力する。」

環境上の課題は一企業或いは一国家だけの努力では進展しないと、Boeing China社の社長であるIan Thomas氏は述べた。「相互利益のために協力し、中国の航空産業支援のためと、サステナブルな未来を築くための革新的な方法を我々は探している。」と彼は述べた。

ボーイング社の最新の予測では、国内旅行及び海外旅行の旅客需要を満たすため、中国には2033年までに6,000機を超える航空機の取得が新たに必要になる。先週IATAは年間旅客数の増加に関して、中国は2034年まで毎年8億5,600万の旅客を新規に獲得して米国を追い抜き、一市場としては世界で最も成長の速い最大の市場になるだろうと予測した。

ボーイング737やエアバスA320の競合機で、機内通路が1つで短距離から中距離飛行用の新型航空機C919を開発中で、同時により小型の地域用航空機ではARJ21も開発しているCOMACは、効率向上と環境保護のための新しい航空交通管制の構想に関してエアバス社とも共同研究を行っている(記事を参照のこと)。

同様に、UCOを含む地域原油によるサステナブルな航空用燃料製造を中国でスピードアップして商業化するための可能性調査研究で、2012年にエアバス社は精華大学と協力関係をもつと公表した(記事を参照のこと)。
リンク:
ボーイング社−サステナブルなバイオ燃料
COMAC
杭州能源工程技术有限公司