海外情報紹介 アラスカ航空は森林残渣が原料の再生可能ジェット燃料を用いて初の民間飛行を実施

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2305
2016年11月15日火曜日-シアトル・タコマ国際空港からワシントンDC間で昨日、民間航空の運航便では初めて森林残渣を原料とした再生可能ジェット燃料を燃料に混ぜたフライトが運航された。アラスカ航空のボーイング737-800型機は、Gevo社(アルコールをジェット燃料に転換する企業)の技術でジェット燃料に転換前の段階に木くず由来の糖質セルロースを再生可能イソブタノールに変換し、ASTM承認済み燃料を製造して使用する燃料に20%混ぜた。管理された森林から出る大枝や小枝などの森林残渣は太平洋岸北西部で集められたものだった。今回の代替ジェット燃料飛行は、米国農務省が支援しワシントン州立大学が率いるNorthwest Advanced Renewables Alliance(NARA)イニシアチブにより実現した。

 5年をかけた完了間近のNARAプロジェクトは、「バイオ燃料と生化学に関する研究支援と、地域の供給プロセスの一体化を推進する、農村部の経済発展のために力を注ぐ、バイオエネルギーの恩恵を一般市民に伝える」という目的で米国食糧農業研究所(NIFA)から3,960万ドルの助成金を支給された。このプロジェクトには産業界や学会や政府研究所から32の組織が会員として名を連ねている。アラスカ航空のフライトのためにtribal landsや民間の森林運用から出た剰余の原料から1,080ガロンの再生可能燃料を製造することに加え、このプロジェクトの他の主要な任務としては、バイオ燃料製造のために不要な森林残渣を収穫することが経済や環境や社会に及ぼす恩恵や影響の評価がある。

 「このフライトはNARAの全参加組織特にNIFAにとって、廃棄物にしかならない森林残渣を原料にした太平洋岸北西部のバイオジェットやバイオ製品産業の画期的な発展を促進するという我々の使命を後押ししたことになる。」とNARAの事務局長であるラルフ・カバリエリ氏は語った。

「森林経営者からGevoおよびアラスカ航空まで、このプロジェクトの協力組織や利害関係者すべてを我々は誇りに思っている。林業をなりわいとする地方の貧しい村落の活性化の可能性がある、将来の空を清浄かつ健康に保つ再生可能燃料経済のため、これまで基盤を作ってきたのは彼らだからだ。」

今年6月にシアトルからサンフランシスコとワシントンDCまで、サウス・ダコタで栽培したサステナブルな非食用の飼料用トウモロコシ由来のATJ燃料を20%燃料に混ぜて飛んだ民間機のバイオ燃料飛行にてアラスカ航空とGevo社はすでに提携している。

アラスカ航空上級副社長で情報と対外関係担当のジョー・スピローグ氏は、昨日のフライトで使用されたバイオ燃料が「特に太平洋岸北西部の森林残渣から得られた原料を使っていたのでエキサイティングだった。」と語った。

 このフライトの温室ガス排出物への影響はわずかなものだったが、シアトル・タコマ空港で給油する燃料全体の20%をバイオ燃料で置き換えられれば年間約142,000トンのCO2排出削減になるだろうとアラスカ航空はコメントした。

 「NARAプロジェクトを通して木くず由来の糖質セルロースが民間ジェット機用燃料の原料としてうまく使えると証明する機会が得られ、我々はうれしく思っている。」とGevoのCEOであるパット・グルーバー氏が語った。

このフライトにはスーザン・デルビン女史を含めた下院議員3名が乗っていた。「ごみでしかなかった材料を使って新しいバイオ燃料を製造し、ワシントン州の革新経済が再び共同作業による改革的な研究の最前線に立ったことをこのフライトが実証した。」と彼女は語った。「このプロジェクトによって環境に優しい新しい経済活動を構築し、我々の健康と将来世代のための気候変動対策としての革新的解決策をみつけるために我々は地元の地域に非常に大きな機会を持っている。」

 ワシントン州選出の米国上院議員であるマリア・カントウェル女史が付け加えた。「航空用バイオ燃料産業を軌道に乗せるための支援として数年間投資を行い実現したのがこのフライトである。これらのサステナブルなバイオ燃料製造により我々は農村地域の農業コミュニティを活性化し、経済成長を促進し、温室効果ガス排出物を削減し、世界市場における競争力を高めながら海外の石油への依存を抑えることになろう。」