海外情報紹介 ヒースロー空港第3滑走路増設を推進するための下院交通委員会の提言

Airports National Policy Statement, Third Report of Session 2017-19, House of Commons Transport Committee, HC 548, 163p, 23 Mar 2018 (英国下院の交通委員会報告書)
交通委員会の関連サイト: http://www.parliament.uk/business/committees/committees-a-z/commons-select/transport-committee/news-parliament-2017/airports-national-policy-statement-report-published-2017-19/
交通委員会による意見聴取と証言の取り調べ: https://www.parliament.uk/business/committees/committees-a-z/commons-select/transport-committee/inquiries/parliament-2017/airports-nps-17-19/
関連記事: http://www.bbc.com/news/business-43505016
 英国下院の交通委員会が、ロンドン・ヒースロー空港第3滑走路プロジェクトを推進するための提言を報告書として公表した。騒音問題に関する提案としては、①採用されうる一定範囲の飛行経路シナリオを反映させた最新の内容で騒音予測を行うこと。この予測の結果を一定の評価量を用い、最新のguidanceで推奨されるfull range of thresholdsに沿って示すこと。②DCO(development consent order)プロセスにおいて、政府の最新guidanceと前提条件を取り入れた最新の基準に対して騒音影響が計算されていることを確保する条件を示すこと。③政府の最新guidanceに合わせて、騒音影響評価のための評価量とthresholdsを特定すること。④「顕著な悪影響」の範囲を定義し、滑走路増設によって新たに騒音にさらされる住民の数は最大でどこまで容認できるのか、騒音の許容範囲を定義すること。⑤騒音の規制値の取り締まり方や空港および/またはエアラインが規制値を守らなかった場合にどのような不服申し立てが可能かを示すこと。⑥影響を受ける地域社会に夜間最低でも平均7時間の騒音休止時間帯をもうけることなどがある。⑥については、悪天候による回避不能な遅延を禁じるべきではないが、エアラインと空港が監視され、回避できる遅延が夜間の騒音休止時間帯に食い込まないよう厳格な管理を促す効果的な実施体制を確保するための、夜間便の厳格な監視制度の確立を提案している。交通委員会はヒースロー第3滑走路増設の妥当性は認めているものの、現在のNPS案では法的異議申し立てをされた場合に勝てない可能性があり、委員会の提案をもりこんだ上で最終版を作成するよう政府に求めている。英国の空港容量拡大のためには、英国で最大規模のハブ空港であるロンドン・ヒースロー空港の第3滑走路増設が検討されているが、このプロジェクトを推進するためには英国ではNationally Significant Infrastructure Planning (NSIP, 国家的重要度の高いインフラ計画)の進行プロセスに沿って、プロジェクトの必要性を政府が宣言するNational Policy Statement(NPS)を作成し国会が承認することが必要となっている。今年前半にNPSの最終版に関する国会の票決が見込まれている。