オーストリアの最高裁はウィーン空港第3滑走路建設を承認し、気候や騒音への悪影響を建設禁止の根拠としては認めなかった

最高行政裁判所のニュース(2019/3/18)(ドイツ語)  空港の報道発表(2019/3/18)  第3滑走路プロジェクト  建設計画  関連記事(2019/4/1)
 気候変動への悪影響を理由に、オーストリアの連邦行政裁判所によって2017年2月に建設禁止の決定を下されたウィーン国際空港の第3滑走路だったが、2017年6月の憲法裁判所の判断がこれを覆し、2018年3月に連邦行政裁判所はニーダーエスターライヒ州政府による第3滑走路建設承認を追認した。それに対し同年5月と11月にウィーンの市民運動や空港周辺住民が決定の見直しを求めたが、2019年3月6日に最高行政裁判所はその訴えを退け、第3滑走路建設の承認の正当性を認めた。住民らが不安視する騒音については、着陸時の通常運航ではウィーンの市街地上空通過が予定されていないこと、また、気候変動への影響については、温室効果ガス削減はEU法により排出権取引制度によって空港でなくエアラインが行うことになっていること、これらを理由として、騒音と気候変動への悪影響は第3滑走路承認を取り消す根拠にはならないと判断された。