ユーロコントロールが2020年9月から2021年2月までの交通量予測を下方修正

ユーロコントロールが2020年9月から2021年2月までの交通量予測を下方修正
https://www.eurocontrol.int/covid19
https://www.eurocontrol.int/sites/def...092020.pdf
https://www.eurocontrol.int/Economics...tates.html

ユーロコントロール(欧州全域における航空管制機関の通称)は9月14日、2021年2月までの欧州全体の交通量予測を下方修正した。新しい予測では、欧州でのフライトの総数は、2019年より55%少ない600万フライトの減少、または欧州のフライトが以前に予想されていたよりもさらに100万フライト減少した数値になっている。

ユーロコントロール事務局長のEamonn Brennanは、次のように述べている。「 EASA(欧州航空安全機関)とECDC(欧州疾病予防管理センター)からの適切なガイダンスにもかかわらず、旅客の管理方法については、国間に調整欠如とともに多くの混乱があり、乗客の信頼は得られていない。そして、コロナウィルス患者は欧州全体で増えている。我々の新しい交通量予測は、統一された検査体制と共通の疫学的評価基準を通じて、国間に最善策の調整があれば改善できると考えている。そうすれば、乗客、空港、航空会社の予測可能性が高められると期待している。同時に、国が全面的な制限と検疫措置を課し続けると、さらに悪化する可能性があり、この方法では旅行と観光産業に悪影響を及ぼす。我々は、調和のための欧州委員会の提案を歓迎し、すべての締約国がそれらを採択することを奨励する。」



これまでの経緯
ユーロコントロールは、2020年4月24日、「協調的測定シナリオ」に基づいて交通量予測を作成していた。これは、4月から8月末までは予測通りに推移し、4月の-89%から8月の-50%へと徐々に回復すると予測されていた。
しかし、8月中旬以降、欧州全体でコロナウィルスの大規模感染の発生に対応して、各国が主に国の疫学的評価と国家の健康対策に準拠した、個別の調整されていない国内の制限、検疫の要件、および検査措置を課している。多くの場合、これらの措置は非常に短期の通知で発表され、国間の調整がなされないため多くの混乱を招き、乗客の信頼を損なっているとしている。今後数か月間の航空会社の予約は非常に減少傾向にあり、 9月13日までに、同月の交通量は前年同時期と比べてすでに53%減少している。これは、4月段階の「協調的測定シナリオ」の下での値(-40%)からすでに13%減少している。

このため今回発表の予測は次の可能性を含んでいる。
●国家間のコロナウィルス対応は調整されていない
●コロナウィルスの不確実性、予測困難な状況、および国の制限/検疫措置に関する混乱の結果として、レジャーおよびビジネスの乗客の需要は低いまま推移する
●航空会社は、予約の減少対応として、本来の許容上限をさらに削減する
●大陸間の需要の復旧は非常に限定的

経済的損失の合計は上記のすべてを考慮すると、2020年の航空会社、空港、およびANSPの収益は、4月24日の1,100億ユーロの損失から、欧州では業界全体で約1,400億ユーロの損失になる可能性があるとしている。