海外情報紹介 オーストラリアの4空港でAirservicesの新しい航空交通流システムの導入により遅延、燃料および排出物を削減

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2057
2015年3月12日(木)−オーストラリアの航空交通管制を行う機関であるAirservicesが、メルボルン、シドニー、パース、ブリスベン到着機の飛行中の遅延を減らすために導入したシステムが、年間で1,820万オーストラリアドル(1,400万米ドル)相当の燃料節約と、航空によるCO2排出量の54,100トン削減を実現する。メトロン・ハーモニーとして知られるこのシステムは、プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)オーストラリアが請け負った調査によれば、飛行中の遅延時間を年間で8,700時間減らす、あるいは4つの玄関空港の到着便1機あたり平均1.1分の遅延を減らすことになる。2020年までにオーストラリアの航空交通は60%増加するとの見込みで、この報告書では、これらの節減は2022年までに時間で14,300時間、あるいは1便あたりで1.3分、年間燃料節約金額が3,730万オーストラリアドル(2,900万米ドル)、CO2削減が102,300トンに達すると予想している。

天候およびスケジュール情報を使うことによって、この交通流システムは空港の最大到着率についてのアドバイスを与えて、このプログラムに参加する国内線の機体を出発空港の地上で待機させることを可能にする。燃料燃焼と環境影響が減るため、着陸前に待機状態で飛行することを要求される航空機にとって、この方が望ましいとAirservicesはコメントしている。

設置費用が1,880万オーストラリアドル(1,450万米ドル)で、予定される10年間の人件費が6,050万オーストラリアドル(4,600万米ドル)かかるこのシステムは、シドニー、メルボルン、ブリスベンでは2012年に、パースでは2014年に運航に導入された。その実施はAirservicesによるオーストラリアの航空交通管理における「協同政策決定」事業の利用強化戦略の第1段階になる。

PwCは調査結果と利害関係者からの好意的意見が、メトロンシステムを国内空港で引き続き本格展開するための支援となり、それとともに投資による利益がさらに一層増大しそうだと述べた。

このシステムの導入は国有企業であるAirservicesがここ数年、燃料効率を上げ、排出物を減らし、安全性を高めるために導入してきた数多くの方策のうちの1つである。他の独創的な取り組みには、フレキシブルな飛行ルートやエアラインがその時点での天候と風の予想に基づく最適な飛行ルートをとることができる利用者設定ルートの利用拡大などがある。

リンク:
Airservices Australia−環境対策
PwC報告書(pdf)
メトロン・ハーモニー