海外情報紹介 排出目標達成に見合った市場に基づく対策が必要と航空産業とNGOsがICAO加盟国に対して強く主張

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http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2081

2015年5月1日金曜日−ICAOが先月、5つの世界地域で開催した一連の世界航空対話(GLADs)には、国際航空のCO2排出量削減に取り組むための市場に基づく世界規模の対策(GMBM)作成について、加盟国と話し合うという目的があった。しかし、会議において航空産業と環境グループからの力強い表明があり、双方とも航空部門の気候影響増大を軽減するための国際制度の導入を強く主張した。「これは航空産業にとって極めて重要な問題で、MBMは我々の全体戦略に欠かせない。」IATAの上級副理事長のポール・スティール氏は、マドリードのGLAD参加者に語った。MBMsについての一般的な理解が欠けているにもかかわらず、GLADsは多くの進展があり、とても建設的で有益なプロセスだった、と彼は語った。 航空産業には2つの理由から、GMBMを通じた規制を望んでいるとスティール氏は語った。「1つには、ICAOの目標と非常に近い我々が設定した気候目標達成の支援となること。また、航空産業は国際基準のための作業をしているので、結局は環境にとっても航空部門にとって役に立たない国別の取り組みの寄せ集めよりも、我々には1つの国際対策が必要だからである。」

GLADsの作業によって、この問題に関して航空産業とICAOがよりよいコミュニケーションをとる必要性をもたらしたと彼は語った。「その場においてICAOへの情報提供を支援できたことに大変満足している。」

今はGLADsが終了し、GMBMの選択肢を絞り込む時であると彼は語り、以下を付け加えた。「我々航空産業の人間はすべてのことに答を持っているわけではないが、このGMBM作成プロセスがどのように進展していくかに関心があり、我々は意味のある結果が出ることを望んでいて、これからの航空のサステナブルな成長を推進するためには政府と一緒に作業を行う。」

ICAOに付属する環境NGOsの統合グループであり、サステナブルな航空のための国際的連携組織(ICSA)のティム・ジョンソン氏は、排出物削減に必要な目標が航空産業と一致していると語った。「MBM無しでは、ICAOで設定した目標の達成はかなり難しいだろう。」と彼は語り、そのような方策には環境の健全性がなければならず、そうでないと広範囲の気候変動問題に関心のある外部の関係者の信用を失うことになると彼は付け加えた。MBMを単純でかつ実施が難しく支援を欠く方法を用いて運用して費用対効果のあるものに保つためには注意深くバランスをとることが必要であると彼は語った。

彼はまた、GMBMのプロセスにおいては、よりよいコミュニケーションをとる必要性があると述べた。「加盟国とこの問題について話し合い、MBMがなぜそんなに重要なのか、2016年のICAOでの結論に向けて我々が作業するにあたりMBMsがどのようにすれば目的に合うのかについて加盟国と話し合うことは、航空産業も一緒になって果たすべき役割だと我々は理解している。」と彼は語った。

発表の初めの方で、航空産業の航空輸送活動グループ(ATAG)長のマイケル・ギル氏は、国際的方策は以下の4つの原則に従ったものであるべきであると語った。
1. 一般歳入の増加のために用いたり、航空旅行需要を下げるものであってはならない。
2. 環境の健全性を最大限に生かしたもので、かつ費用対効果のあるものでなければならない。
3. 競争の歪みは最小限にし、かつ
4. 実施と管理が容易であること。

実施が最も早く、管理が最も容易で、最も費用対効果があり、加えて旅客の自主的なカーボンオフセット制度を通じてすでにエアラインにはかなりの経験があるから、航空産業にとって好ましいのは強制的なカーボン・オフセットをするMBMであると彼は参加者に語った。

ギル氏は航空産業のGMBM作業プロセスへの協力によって成功に値する成果が出ることを確信していると何度も繰り返し語った。この課題を扱うためにICAOに設置された様々なグループでかなりの進展が見られていると彼は語った。「検討内容のレベルと加盟国の参加についてたいへん関心をもっている。」と彼は語った。「GLADsの進行を通じて過去3週間、我々はこのことを再認識した。」

マドリードの会議後にGreenAir誌に対して彼が語ったのは、円卓会議式の討議グループ制の形式で、非公式に考えや情報を交換する機会が与えられたことが、GLADsが成功した主な要因であったと彼は語った。「ICAOはこれについては褒められるであろう。ICAOとの係わりにおいて、過去に私はこんな経験をしたことは本当になかった。」と彼は語った。「5回の会議すべてから沢山の前向きなメッセージが出てきたのは、事務局がこの方法を選んだ結果である。」

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