海外情報紹介 米国連邦航空局(FAA)がCLEENプログラムの次段階で環境に優しい航空機とバイオ燃料の技術開発支援のために1億ドルを拠出

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2126

2015年9月10日木曜日−米国連邦航空局(FAA)は、燃料消費や排出物や騒音を削減する技術を開発し、実証するため企業8社に1億ドルを費やして、エネルギー・排出物・騒音を継続的に減らす(CLEEN II)プログラムの第2段階を開始した。これらの企業はFAAの投資に見合うかまたはそれ以上の成果を上げると見込まれ、CLEEN IIには総計で2億ドルを超える金額が投入されることになる。第2段階の目標の1つが、2000年に就航した最も効率のよい航空機と比較した燃料燃焼の40%削減を達成することで、FAAはこのプログラムの下で開発された技術は2026年までに民間航空機に導入されることになるだろうと見ている。 「CLEEN IIは、航空がよりクリーンで、静かで、より高いエネルギー効率の方法を見い出すための、FAAと航空産業による純粋な投資とコミットを意味する。」とFAA局長のマイケル・フエルタ氏はコメントした。「それが本格的に始まると、新技術は、オバマ政権の環境保護政策の努力のもとに構築され、この先長く米国の航空機に利益をもたらす。」

FAAが選んだ8企業は、Aurora Flight Sciences、ボーイング、GEアビエーション、Delta TechOps/MDS Coating Technologies/America's Phenix、ハネウェル・エアロスペース、プラットアンドホイットニー、ロールスロイス、Rohr/UTC Aerospace Systemsである。CLEEN IIの下で、市場に出すことを目指して、総力を上げての地上及び飛行試験による実証を含む技術開発が行われて完成に至る。

燃料燃焼40%削減の目標のほかに、CLEEN II の別の目標としては、他の排出物を増やすことなく2011年のICAO基準より離着陸時のNOx排出量を70%削減すること、FAAのステージ4騒音基準より32デシベル騒音を下げること、そしてASTM認証プロセスの支援につながるサステナブルなdrop-in型ジェット燃料の商業化を促進することなどが含まれる。

「次世代の航空技術を進化させるために民間産業と組むことで、運輸省は効率的かつ環境面で継続可能な国際的レベルの輸送システム形成の支援を行っている。」と運輸長官のアンソニー・フォックス氏は語り、炭素排出物削減のうえで経済を拡大する革新的な方法を見つけるためのプログラムであると述べた。

5年間のCLEEN IIは、エネルギー効率のよい航空機技術とサステナブルなジェット燃料の分野の9つのプロジェクトに重点的に取り組んだ2010年開始の官民のパートナーシッププログラムの第一段階(CLEEN)に組み込まれ、さらに深化させることを目指している。これらの最初の技術が実際に使われるのは2016年と考えられるとFAAは述べている。

第1段階での参加企業はボーイング、GE、ハネウェル、P&W、ロールスロイスが含まれており、合わせてFAAの1億2,500万ドルの財政的支援の金額に見合うか、あるいはそれ以上の成果を出した。ボーイングは2%までの航空機燃料燃焼削減が可能な2つの航空機技術を試したが、これは米国で使用されている運航機材全体でおよそ年間3億4千万ガロンの燃料が節減されると考えられる技術である。2009年の価格ならば12億ドルほどの節減に相当する。GEはオープンローターエンジンの縮尺模型の試験を含み、燃料燃焼、排出物及び騒音を削減する技術を開発した。

CLEENの下でハネウェルは、HEFAジェット・バイオ燃料のASTM承認支援のための代替ジェット燃料の混合燃料の冷却試験と、エンジン効率を上げるとともにエンジン重量を減らす技術を開発及び試験した。プラットアンドホイットニーはCLEEN資金を自社の超高バイパス比のギア付きターボファンエンジンとその関連技術の開発及び実証試験に使った。一方、ロールスロイスは自社のエンジンのタービン部分の熱効率増大と軽量化を目指す技術について同様の開発を行った。この資金提供はまた、ロールスロイスが開発中の商業的利用にASTM承認を得られる可能性がある、新しい代替ジェット燃料の実験室試験とエンジン部品試験の支援に役立った。

リンク:

FAA CLEEN

エコ・デモンストレータープログラムの一環でボーイングがCLEEN技術を試験