海外情報紹介 タイ国における空港騒音評価と騒音マネージメントについて

 タイ国の若手研究者Krittika Lertsawatさんにお願いして空港環境問題の解説記事を2件寄稿していただきました。その抄録(和文)と原文(英文)を掲載します。
1.Airport Noise Management in Thailand 原文はこちら 抄録はこちら
2.Airport Noise Assessment in Thailand  原文はこちら 抄録はこちら
1.タイにおける空港騒音マネージメント

 1944年の国際民間航空条約(シカゴ条約)が、発生源での航空機騒音の低減、騒音に見合った土地利用、騒音低減飛行方式、運航の制限、及び騒音料や騒音税という、空港の騒音対策の根幹要素を規定する。これらの法的対策が、1971年の民間航空法B.E.2514のもと、1975年のB.E.2518から、条約加盟国であるタイで採用されるようになった。条約には、2006年の付属書16第1巻への4度目の修正〔1〕後に採用された、汚染管理のための航空機騒音料、騒音証明、運航及び航法の規制に関する数多くの修正がなされた。「バランスのとれたアプローチ」政策〔2〕が国の政策として、航空輸送システムと空港騒音管理において、問題解決のためにより効率的かつフレキシブルに、実用的な形で採用されるべきである。1992年の、環境の質を向上させ、広く普及させるための法律B.E.2535の法的諸装置、すなわち、空港騒音の許容値とその測定方法、空港騒音の計算と、経路追跡システムとセットになった空港騒音モニタリングシステムの決定が、騒音に関連づけた民事での賠償或いは補償のための騒音コンター図も含めて、適切に整備されねばならない。

2. タイの空港騒音評価

 タイにおいて、空港計画は、法によって環境影響評価(EIA)を要求される開発計画リストに含まれる。空港開発計画用のEIA報告をとりまとめるコンサルタントが自由に選択して空港騒音影響評価手順が提案される。空港騒音評価手順は50年を超える年月もの間、米国のコンサルタントが提案したNoise Exposure Forecast (NEF)に沿って行われてきた。タイでは、空港騒音に関してどの騒音評価量を使用するか、どのような計算をするかについて指定するいかなる規則、規制も存在しない。NEFは現在、空港騒音レベルとそのコンターを計算するために有用な、よく用いられる騒音評価量であり、提案された空港開発計画とその拡張についてEIA報告で空港騒音軽減手法や監視計画を決定するための1案としてのコンター図を作成する。騒音暴露レベル(SEL)を用いた、昼夜騒音レベル(Ldn)と昼夕夜騒音レベル(Lden)測定もまた、将来の土地利用の適正さを考慮するために提案された。タイにおいて空港騒音評価の計算と測定に特定した規則を提案する目的で、それらの測定と計算が調査の秤に載せられてきた。