海外情報紹介 NRCが飛行中に試用した100パーセントバイオ燃料の分析で、排出物が減少したのが判明した。

 カナダ学術会議(National Research Council of Canada, NRC)が昨年10月29日に行った100パーセントバイオ燃料での試験飛行について、排出物測定結果がNRCのホームページに掲載されましたので、ご参考までに要約を掲載します。 実現可能な代替エネルギー源に関する産業界との共同作業

2013年1月7日---オンタリオ州オタワ

 (バイオ燃料の排ガスについて情報収集するためFalcon 20を追尾するT33の写真が、原記事では掲載されている。)

 100パーセントバイオ燃料を使用して行った世界初の民間飛行の結果を今日カナダ学術会議(NRC)が公表し、昨年10月のテスト飛行で使用したバイオ燃料は従来の航空燃料と燃焼効率は同じで排ガスが少ないことがわかった。

 専門家チームによって飛行中に収集され分析された情報により、バイオ燃料を使用すると従来の燃料と比較してエアロゾル排出物が(50パーセント)低減するという重要な発見があった。さらに、(施設内で)固定したエンジンを使用して追加テストを行った結果、従来の燃料と比較して粒子状物質が(多くて25パーセント)減り、黒色炭素排出物が(多くて49パーセント)減るという顕著な低減結果を示している。これらの試験ではまた、エンジン性能は同程度でありながら、エンジンの定常状態運転時に燃費が1.5パーセント改善されたのがわかっている。飛行中に試用されたバイオ燃料が石油系燃料の仕様を満たすためのジェット機のエンジン改修は不要だった。

 「これらの有益な結果に我々は喜んでいる。順調に飛行し、収集データはバイオ燃料が環境に及ぼす影響のよりよい理解を我々に可能にした。」とカナダ学術会議のPresidentであるJohn R McDougall氏が語った。「我々は引き続き、パートナーであるApplied Research Associates社、Chevron Lummus Global社やAgrisoma Bioscience Inc. 社とともに、この効果的なエネルギー解決策を市場に出すための作業を行う予定だ。最終生産物は航空機排出物低減のための地球に優しい選択肢になるだろう。」

 NRCは2012年10月29日に混合物無しの100パーセントバイオ燃料で民間ジェット機を飛行させるという、航空産業にとっての偉業を成し遂げた。Falcon 20がバイオ燃料により、民間航空機の通常の高度と同じ30,000フィートの高度で飛行した。もう1機の航空機であるT-33が飛行中にFalconを追尾し、エンジン排出物を測定した。

(「バイオ燃料イニシアチブに関する詳細情報」と「100パーセントバイオ燃料を動力源とした世界初の民間飛行の詳細情報」のリンクが、原記事では掲載されている。)
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原記事:
http://www.nrc-cnrc.gc.ca/eng/news/releases/2013/biofuels.html

GREENAIR ONLINE.COMに掲載されている関連記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1637

海外情報紹介 英国の飛行効率改善を目的としたNATSの環境効率イニシアチブに褒賞が出た。

 11月1日付けのGREENAIR ONLINE.COMの記事に英国の航空交通管制業務プロバイダーであるNATSの飛行プロファイルモニター(FPM)システムに関する記事が掲載されましたので、ご参考までに要約を掲載します。  2012年11月1日木曜日−空港運営者協会が、英国の航空交通管制業務プロバイダーであるNATSの飛行プロファイルモニター(FPM)システムに対して最高環境イニシアチブ賞を与えた。航空機の着陸や離陸の環境性能について以前はほとんど情報が無いかあるいは全く情報が得られなかった空港とエアラインが、FPMのおかげで騒音やCO2排出ガス低減のための運航支援にデータを使用できるようになった。Edinburgh空港での試行の主な結果から、進入時に継続的に降下するなら20%の改善が達成可能であると見込まれ、これにより年間8,000トンのCO2を排出せずにすむだろう。NATSは英国航空と共に、4ヶ月間、ロンドンヒースロー空港から北大西洋上空を通過する一連の環境的に「完璧な」飛行試行実施にも関わっている。一方、ANSPによると、NATSの3DI飛行効率単位に関する最近のデータは2012年の環境目標を順調に達成していることを示している。

 FPMの今年これまでのEdinburgh空港での試行では、出発の95%で継続的上昇−NATSによれば、最も環境的に効率のよい飛行プロファイルである−を達成し、着陸では55%のみが継続的降下進入(CDA)を行った。CDAを20%改善することで、8,000トンのCO2節減に加えて、エアラインにとって年間150,000ポンド(242,000ドル)相当の燃料費の節約が見込まれ、着陸時の飛行経路下の共同体への騒音も低減される。

 Edinburgh空港での作業はradar serviceの改善も含めて引き続き行われているが、NATSは飛行経路監視システムをNATSの環境プログラムの一環として英国の他空港に広げる計画を立てている。

 2010年にNATSはPerfect Flight計画に関わっていた。計画では英国航空のHeathrowからEdinburghへのフライトは飛行の全ステージを通じて環境的に最適化され、1/4トンの燃料を節約し、ほぼ1トンのCO2を節減した。フライトごとの経験に基づいて、NATSは英国航空やカナダのANSP(air navigation service provider)であるNAVCANADAを含めた、英国、カナダや米国の航空産業の他のメンバーと共に作業しながら、TOPFLIGHT計画を率いる予定である。欧州の空域を近代化して調和させるためのEUのSingle European Skyイニシアチブの技術的及び運用上の構成要素であるSESARプログラムの中でTOPFLIGHT計画は推進されてきた。

 計画の第1段階では、車両に押されて搭乗スポットから離れることに始まり、地上走行、巡航、連続降下進入(CDA)等の飛行全般を通じて遅延と排出物を最小化するために最適化された北米空港への大西洋横断飛行を60機が実施する。各フライトは約500kgの燃料を節約する見込みで、これはほぼ1.6トンのCO2に相当する。第二段階では周辺の空域を飛行する航空機に不利益をもたらすことなく、同時に多数のフライトの測定と実行が可能であるという概念をもたらすという目的で、多数の完璧な飛行が大西洋をいっせいに横断する。

 FAAのNextGen Implementation Planと連携して、SESAR は計画を拡張してBoston Logan国際空港やNew York JF Kennedy 国際空港へのフライトも計画に含め、北大西洋を横断する継続可能なゲートからゲートへの完璧な飛行の概念を創出する予定である。

 NATSはその管制下にあるフライトの環境性能や飛行効率を、NATSが開発した3Di効率単位を使って今年の初めから監視してきた。公開された第3四半期のデータにより、運用を始めた最初の9ヶ月で、英国のCAAが設定した尺度に基づき、3Diの目標値24に対し達成値が23.9であることが分かる。これは2012年の前半6ヶ月の結果と比較して0.1の改善を表す。

 CAAとの事前の合意で、3Di性能評価はオリンピック期間中のフライトは除外した。空域の効率のためにかけられる費用内ではあるが、容量増加支援と遅延最小化のために設計されたロンドン周辺での一時的空域調整のためである。

 3Diは、英国空域における各フライトの効率を正確に測定し、できるだけ環境的に最適なルートに近づけて飛行するよう航空管制官が航空機を誘導するのを支援する。航空機の実際の航跡をレーダーデータから取り出し、パイロットが要求する、最も直線に近い点から点への経路飛行のようななめらかに継続する降下或いは上昇の利点を計算するような最適プロファイルと比較する。3Di計量の得点は完全に効率的な飛行を表す0から、100を超える数字まで幅があり、ほとんどの飛行は概して15から35の間にある。

 NATSによれば、現在の結果では2014年までのCO2の600,000トン低減を順調にこなしていて、エアラインの燃料代を1億2千万ポンド(1億9千4百万ドル)節約しているとのことだ。CAAの目標を上回れば財政的にも利益を得、期待される効率向上が得られない場合に罰金が課される可能性もあるという、このように報奨金によって奨励される世界で唯一の航空交通事業であるANSPであるとNATSは指摘する。
「これら最新の結果が示すのは、我々の管制官達が従っている新しい手順が違いを生んでいるということだ。」とNATSの環境問題担当責任者のIan Jopson氏が語った。 原記事:http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1613

NATS – 3Di:http://www.nats.co.uk/environment/reporting/3di/

海外情報紹介 NATSは騒音低減と容量増加のために、ヒースロー空港への到着便の進入角を熟考する。

 Air Traffic Management.netの12月10日付け記事に、エミレーツ航空がA380型機を5.5゜の進入角でヒースロー空港に着陸させようとしているという情報が載りましたので、ご参考までに要約を掲載します。  (2012年8月5日のロンドン上空(25,000フィート以下)を飛行する全航空機の航跡について熱密度地図が示されている。)

 容量の制約があるロンドンヒースロー空港での夜間飛行制限をかわすため、自社のA380型機を傾斜のきつい角度で着陸させるという、中東のエアラインのエミレーツ航空が推進する構想を英国の航空交通管制機関であるNATSが検証している。

 この構想についてはA380型機のような航空機がそのような進入方式で飛行することの技術的側面についてかなり詳細にわたる調査が必要であるが、すでにNATS内では「最上位の」注目を集めていると、今日、英国輸送特別委員会の開始前にNATSの社長であるRichard Deakin 氏が述べた。

 「このような急な勾配でどこかのairports thresholdsへ進入してくるA380が今現在あるとは思えない。それについては実現可能性について何らかの技術的モデル化が必要だろう。明らかに、我々自身がCAAや空港、エアラインと共に一層の作業をすることが必要だ。」とDeakin氏は述べた。

 たとえその構想が国際条約の内容に反するものだとしても、「その構想には『確かに利点があり』、『疑いなく検証の価値がある』」と英国民間航空局の最高責任者であるAndrew Haines氏は、意見聴取の場で述べた。

 世界の航空規則を設定する機関であるICAOによって認可された3゜基準への唯一の例外として、障害物除去の目的なら容認されると彼は公聴会で述べた。「この場合の課題は、例えばLondon City空港なら傾斜のきつい進入がどこで開始されるかということであり、着陸ギアを下ろすのが早くなれば騒音がさらにうるさくなる。傾斜のきつい進入の主な利点は騒音を減らすことだ。それでも安定した進入を行えるように、安全面での問題同様に、解決が必要な問題だろう。」

 エミレーツ航空の目論みでは、ヒースロー空港へと傾斜のきつい降下で進入すれば騒音が15%から20%減り、このやり方ならハブ空港であるヒースロー空港での自社便の到着と出発が毎日am1:00まで可能になり、朝はam4:00以降に飛行が再開できる。

 ヒースロー空港のpm11:30からam6:00までの夜間飛行について、英国は現在、厳しい制限を設けていて、am4:30からam6:00までは長距離飛行便が平均18便、空港を使用している。

 ロンドン空港の運用状況が空港容量ぎりぎりに近いにもかかわらず、新しい離陸と着陸方式によってロンドンからドバイまでの毎日のA380のフライトを5便から7便に増やせると信じていると、エミレーツ航空社長であるTim Clark氏は今年これまでに述べている。

 航空機は従来の3°よりむしろ、5.5°の角度でヒースロー空港に進入し、空港近辺の住宅地から離れた1km先で着陸のために滑走路へ降下することになるだろう。

 A380型機のような音の静かな新型機であれば、夜間飛行禁止令の緩和が許されて、ヒースロー空港の現在の年間処理限界480,000機を超えたフライト数増加を可能にできるだろうとClark氏は信じている。

 「航空機の騒音プロファイルがかなり静かなことを実証できるなら、制約のあるハブ空港で空港容量を増やす手段として注目しない手はないだろう?」とClark氏はFinancial Times紙のインタビューに答えた。

 英国政府は現在、ヒースロー空港における新しい夜間飛行体制を諮問している最中である。

 NATSの社長であるRichard Deakin氏は、5.5°の進入角によって、南西ロンドン郊外のいくつかの住宅地の上空を航空機が通過する高度が2倍の高さになるだろうと述べた。活動家達はかねてより、夜間飛行の影響を受けるのは約500,000人で、進入角の勾配がきつくても問題解決の助けにはならないと警告してきた。 原記事:
http://www.airtrafficmanagement.net/2012/12/nats-mull-steeper-lhr-arrivals-to-cut-noise/

海外情報紹介 ヒースロー空港で騒音軽減地区を設定、運用試行を開始

 12月4日付けのBBC NEWSに、早朝到着便を特定の飛行経路へ誘導して特定地域の住民を航空機騒音から解放する試みがヒースロー空港で開始されたという記事が掲載されました。ご参考までに要約を掲載します。 ヒースロー空港の早朝到着便を特定経路へ誘導することで住民を騒音から解放する試みが開始された。

 試行の目的は04:30〜06:00の間、突然襲ってくる航空機騒音から、特定地区の住民を守ることにある。
現在のヒースロー空港への進入経路はロンドン上空に広がっている。
 本試行の枠組みは、ヒースロー空港当局、英国航空、英国航空交通事業(NATS)、航空機騒音反対運動のHACAN(Heathrow Association for the Control of Aircraft Noise)の共同作業で形作られたものである。
 ヒースロー空港に04:30〜06:00の間に平均17便が到着する。

交互運用

 航空管制官は、航空機を最も安全で効率の良い着陸経路へ誘導するが、その経路には広がりがある。
 早朝騒音軽減試行では、ヒースロー空港への着陸進入開始点を明確に特定して誘導される。
 試行は、各地区に2つの空域を設定して実施される。空域は1週毎に交互に使用される予定である。
 航空機は、その週に使用されない空域を避けて誘導される。

新たな取り組みは歓迎された。

 ヒースロー空港の環境対策部長Matt Gorman氏は、「飛行経路に些少な調整でも経路下の住民には大きな影響を及ぼす可能性がある。」と語った。
 HACAN代表のJohn Stewart氏は「小休止時間帯は経路下の住民にとってとても大切だ。我々はこの取り組みを歓迎する。」と述べた。

 風向きにより、東又は西から着陸するので、試行区域は4カ所となり、その内2カ所は空港の東側、2カ所は西側になる。
 これらの地域は、東側はVauxhall、Wandsworth、Battersea、Clapham Common、 Westminster、BermondseyとStreathamが含まれ、西側はBinfield、Reading、 Purley-on-ThamesとWinnershが含まれる。
 試行は11月5日から5ヶ月間の予定で実施される。

原文:
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-20591037

ヒースロー空港:
http://www.heathrowairport.com/noise/noise-in-your-area/early-morning-trial

NATS:
http://www.nats.co.uk/news/noise-respite-trial-underway-at-heathrow/

海外情報紹介 英国の空港容量について検討するためのAirports Commissionの設立

 英国ロンドンのヒースロー空港は、欧州内の他の国際ハブ空港(パリのシャルルドゴール空港、フランクフルト空港、アムステルダムのスキポール空港)と比べて空港容量に余裕がないため、何らかの対策を講じないと中国やインドなど新興成長市場への路線を運用することができずに英国経済の衰退を招くとして、エアライン等から、第3滑走路を増設して容量問題を速やかに解決せよというプレッシャーが英国政府にかかっています。ただし、現連立政権は前労働党政権と異なり、第3滑走路増設には反対して2010年の総選挙に勝ったので、できれば他の望ましい選択肢を選びたいところです。
 ヒースロー空港では現在、「無制限運航試行」が行われ、一定条件下では2本の滑走路を同時に着陸に使用することが許されています。そのせいか、今年の夏は航空機騒音に対する苦情が劇的に増加したそうです。現在の空港容量を効率的に運用するための実験だったはずですが、地元住民にはさらなる騒音問題をもたらすこととなりました。環境に優しく、経済的にも効率のよい空港運営には様々な検討が必要となるでしょう。
 この英国の空港容量問題解決のために空港委員会(Airports Commission)が設立されました。2013年に中間報告、2015年に最終報告を出して、英国の航空政策のための提言をすることになっています。ただし、最終報告が出されるのが2015年の総選挙後ということで、この問題に関する決定を先延ばしにした、と現政権に対して非難の声が上がっています。御参考までに空港委員会設立に関する英国運輸省の発表を掲載します。

原文:
http://www.dft.gov.uk/news/statements/mcloughlin-20121102a/


空港委員会の構成員と付託条項

発表者: Patrick McLoughlin (運輸大臣)
公表者: 英国運輸省
発表年月日: 2012年11月2日
様式: 声明書

 世界の航空ハブである英国の立場を維持するための政府の選択肢を特定して提言するための、Sir Howard Daviesを委員長とする独立委員会を設置する計画を、9月7日に政府は公表した。Sir Howardと検討した結果、政府は委員会の全構成員と付託条項をここに公表することとなり、委員会は空港委員会(Airports Commission)と命名されるだろう。
 空港委員会の構成員を選ぶにあたり、政府はSir Howardと協力して、様々な技能、経歴そして経験を持つ個人名を挙げていった。委員会ではまた、構成員の直接の専門ではない分野の問題検討の機能を強化するために、専門家のアドバイザーによる小委員会の選任を予定している。  Sir Howard Daviesの他に、委員会の構成員は以下の5名となる。:

・Sir John Armitt、Olympic Delivery Authorityの元Chairmanで
 Network Railの元Chief Executive
・Professor Ricky Burdett、ロンドン大学経済学校(LSE)の都市研究の
 教授でLSEの都市 研究センターの所長
・Vivienne Cox氏、BP Alternative Energy社の元CEOで元Executive
 Vice Presidentであり、BP Executive Management Teamのかつての
 構成員
・Professor Dame Julia King、Aston大学の副総長で気候変動委員会の
 構成員であり、航空宇宙産業の経歴がある
・Geoff Muirhead CBE、Manchester Airport Groupの元CEO  委員会の付託条項は以下である。:

 委員会は欧州の最も重要な航空ハブとしての英国の立場を維持するためのさらなる空港容量の必要性の規模と拡張すべき時期を調査する。;そして、さらなる空港容量の必要性を短期的、中期的、そして長期的にいかに満たすべきかを定義し評価する。
 英国規模の視点を保ち、いかなる提案も国家的かかわり合い、地域的かかわり合いそして地元とのかかわり合いにおいて、適切に配慮する。
 利害関係者や一般人と率直に議論をかわし、証拠や提案を示す機会や、委員会の仕事に関連する展望を発表する機会を持つ。
 反対派はもちろんのこと、地元自治体や権限を委譲された政府を含めた様々な利害関係者と議論する機会を求め、委員会の取り組みと提言を支持するための合意を成立させる。  委員会は2013年の終わりまでに以下について報告を行う。:

・世界のハブとしての英国の立場維持に必要な段階的方策の性質や規模
 そして実施時期についての証拠の評価;そして
・現在の滑走路能力の使用法を改善するための、これからの5年間に行う
 速やかな対策に関する委員会の(1つ或いは複数の)提言−これは信憑性
 のある長期の選択肢と矛盾しない。

 委員会の中間報告での評価と提言は、航空の需要や接続性に関する現在の英国の立場、これらがいかに発展していくかの展望、そして国際及び国内の接続性について見込まれる英国の要件の将来の様相に関する証拠の詳細な精査で実証されねばならない。
 速やかな対策の可能性について委員会が評価するにあたり、経済的、社会的そして環境的費用と利益、そしてoperational deliverabilityを考慮に入れねばならない。また、一層詳細な展開に値する、信憑性のある長期の選択肢の初期的高レベル評価によって情報はもたらされねばならない。  委員会は2015年夏までに以下について報告せねばならない。:

・英国の国際的接続性の必要性を満たす選択肢の、経済的、社会的そして
 環境的影響を含めた評価
・いかなる必要性も満たす最適なアプローチに関する委員会の(1つ或いは
 複数の)提言;そして
・要求される時間内で実行可能な限り迅速に、その必要性が満たされる
 ことを確実にするための委員会の(1つ或いは複数の)提言

 委員会は最終報告では、信憑性のある選択肢のそれぞれについて詳細な考察にもとづいて提言を行わなければならない。各選択肢の運用上の実行可能性や商業的及び技術的実行可能性の検討とともに、各選択肢の詳細な投資対効果検討書と環境影響評価書の展開或いは分析が盛り込まれねばならない。
 主要空港のインフラに関する将来の計画申請がいかなるものであれ、この詳細な分析に基づき、その解決を早めるために政府が National Policy Statementを準備するのを支援するための材料もまた、2015年夏の最終報告書の部分として委員会は供給しなければならない。

海外情報紹介 −ヒースロー空港に第3滑走路を建設すると大気汚染による死亡が3倍になると調査が警告する。

 10月12日付けのguardian.co.ukに英国空港と健康影響に関する学術的調査について報告がありましたので要約を掲載します。英国では空港容量を拡大するために様々な提案がなされていますが、騒音や大気汚染などの環境問題もあり、2015年の総選挙までは政府の方針が決まりそうもないので、喧喧諤諤の議論になっているようです。  論文審査があるAtmospheric Environment誌に掲載される予定の「英国の空港が大気質と公衆衛生に及ぼす影響 第二報:影響と政策の評価」によれば、ヒースロー空港に第3滑走路が建設されると、ヒースロー空港の大気汚染による早死には2030年までに3倍になるとのことである。調査では英国の20主要空港、特にロンドン周辺空港での運航が公衆衛生に及ぼす影響に焦点をあてている。
 この調査は英国の主要空港の航空機有毒ガスと健康の因果関係を分析する初めての調査であるが、それによれば、年間50の早期死亡はヒースロー空港の大気汚染に起因すると考えられる。
 空港を拡張しない場合でも、飛行回数が増えることで大気汚染による死亡の数は2倍を超えることになるだろうと著者は結論づけている。
 ヒースロー空港拡張に反対している活動家や政治家なら間違いなくこの調査結果に飛びつくだろう。
 ヒースロー空港のように人口集中地域の真ん中にもともと空港があるのが問題なのだとマサチューセッツ工科大学の航空と環境研究所のdirectorであり今回の調査の上席著者であるSteven Barrett教授は言う。「また、英国の卓越風により、排出物がロンドン全体に渡って吹き渡ってしまうのだが、テームズ河口に空港を建設すれば、主要な大都市圏から十分離れていて、卓越風がイギリス海峡と北海へ汚染物質を運んでくれるだろう。」とのことで、ヒースロー空港の運航がテームズ河口の新規ハブ空港へ移管されれば、健康上の大きな利益があることが調査で明らかになった。
 地域の大気質を悪化させるのは着陸時と離陸時の排気ガスだけではない。航空機の地上走行、空港の地上支援装置、ジェット燃料を使用して機内電力を生成する補助動力装置もまた汚染の原因となる。
 研究者らは、2005年のデータに基づき、英国空港は各年で110の早死にに関与していると結論づけ、その多くの死因は肺がんと心肺の病状によるとした。この中で、50がヒースロー空港のみに由来すると関連づけられると彼らは計算する。
 政府の統計によれば、これからの20年で航空旅行は50%を超える増加が見込まれているので、公衆衛生への影響もまた増大するだろう。ヒースロー空港に第3滑走路が増設され、制約無しで航空交通が増大するなら、空港による早死にが150になり、英国全体の死亡は260になるだろう。第3滑走路を建設しなくても、死亡率の数字は実質的には上昇するだろう。他空港がより多くの交通をになうなら英国全体の死は250で、ヒースロー空港に直接由来するのは110になるだろうと研究者らは見込んでいる。
 研究者らはまた、ヒースロー空港を完全に閉鎖し、テームズ河口の新規ハブ空港(ロンドン市長のBoris Johnson氏が提案したので「ボリス島」と時折呼ばれる)に全運航を移管するという、根本的に異なるシナリオも予測した。
 すると、英国全体で60の生命が救われ、新規に建設されるハブ空港自体が今度は現在のヒースロー空港と同様の50の早期死亡の原因となるだろうとのことである。空港を移転しても飛行機からのCO2排出により空港が気候変動に及ぼす影響にはたいした変化はないだろう。
 この予測は政府の航空に関する諮問文書にも取り入れられることになりそうであり、ロンドン市議会の健康と環境委員会の議長Murad Qureshi氏によれば、同委員会でも討議されることになっている。
 大気汚染物質の医学的影響に関する政府の諮問委員会(COMEAP)で汚染リスクに関する主要な調査を指揮する疫学者の Fintan Hurley氏は、この報告書を歓迎したが、自動車や大型トラックがヒースロー空港へ乗り入れることの付加的影響は分析に含まれていなかったので、空港計画を完全に比較するには、例えば鉄道の路線が加わる等の将来の変化についても考慮に入れるべきであるとのことだ。
 2008年にHurley氏が率いた委員会調査では、英国では大気汚染が年間29,000の早死にの原因になっているそうだ。彼によれば、「110の死は英国全体の汚染物質による死亡と比較すれば小さい数字だが、もし航空機の墜落による死者が英国で年間110ならば、大規模な調査が行われていただろう。」
 Barrett氏によれば、死亡の多くは比較的単純な対策で避けることが可能らしい。飛行機は電力を機内の補助動力装置から得ているが、飛行機がスポットにある時は運転を止めないことがしばしばある。空港の電力供給設備につなげばこれらの排ガスが減るだろう。空港支援作業に電気自動車を使用することも同様である。脱硫燃料使用で燃料コストは2%しか増えないが、健康影響は20%低減できる。汚染を軽減する努力によって全体で、空港の運営によって排出される汚染物質を半減することが可能だろう。
 ヒースロー空港の広報担当者は言った。:「航空が大気汚染に占める割合は道路交通に比べればずっと小さいが、我々は問題に取り組むための十分な措置をすでに講じている。たとえば、車が無くても無料で空港にアクセスできるよう、地元の公共交通を我々は支援している。また、どれだけ環境対策を行っているかに基づいてエアラインに課金しているが、最も環境対策が進んでいる航空機はヒースロー空港の着陸料が少額ですむ。」
原記事:
http://www.guardian.co.uk/environment/2012/oct/12/heathrow-third-runway-air-pollution?INTCMP=SRCH

原著論文:
(抄録を見るのは無料ですが、全文ダウンロードは有料です。):
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/
S1352231012009818/


 ちなみに上記調査の第一報は、2011年の第45巻第31号p.5415-5424に掲載されています。

海外情報紹介 −ヒースロー空港の飛行パターン実験が進行中である。

 Your Local Guardian.co.ukに英国ヒースロー空港の『無制限運航試行(Operational Freedoms trial)』に関する記事が掲載されましたので、要約を載せました。なお、現在は第2期の試行期間で(2012年7月1日から2013年3月31日まで)、第1期は2011年11月1日から2012年2月29日までに行われたそうです。

(Your Local Guardian.co.ukの2012年10月23日付け記事を要約)
 ヒースロー空港では、通常は飛行しない時間帯にもWandsworth地区上空で航空機が降下を可能とする新飛行方式を試行中である。
 『無制限運航試行』は、空港の運行効率を向上させるため来年3月まで継続されるが、航空機の飛行回数は変更されない。
 ヒースロー空港の現在の運用方式は、1本の滑走路を離陸、もう1本を着陸に使用することのみが認められており、午後3時を境に飛行経路下の住民を頭上の航空機から解放するために使用滑走路を変更することになっているが、空港当局(BAA)は、試行中は到着機に10分以上の遅延が生じる場合にのみ同時に2本の滑走路を着陸に使用することを認めている。
 これは、ロンドン中心部上空をWandsworth地区住民が航空機騒音から解放される8時間を含む半日間に現在以上の航空機が着陸のために通過することと言える。
 本試行は政府により認められているが、地元自治体は意見を述べる機会を与えられなかった。
 Wandsworth地区議会は、本試行方式を実用化する前に騒音影響に適切な配慮がされているか否かについて調査中である。
 本試行に意見を持つ或いは騒音が増加したと感じる住民は、自治体のウェブサイトに意見を投書することが出来る。
 飛行経路下に住む住民の意見こそ地方議会の重要な課題であろう。
原記事:
http://www.yourlocalguardian.co.uk/news/topstories/10002352.
Heathrow_Airport_flight_pattern_trials_underway/


ヒースロー空港の無制限運航試行に関する詳細:
http://www.heathrowairport.com/noise/noise-in-your-area/operational-freedoms-trial