海外情報紹介 EU ETSを順守しない航空機運航者はEU加盟国から施行命令が出されて50万ユーロの罰金を課される

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1827

EU ETSについて(環境省):
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/mrv-library/5.mrvprograms.html

 2014年2月24日月曜日−EU加盟国間の調整作業の一環として、2012年のEU ETS規制を順守していないエアラインやビジネスジェットの運航者にはこれまでに通知が送付された。欧州に拠点を置くある商用ビジネスジェットの所有者は英国の当局から2013年4月30日の期限までに必要な数の排出枠を放棄しなかったことで総額約50万ユーロになる罰金を課されたと言われている。各加盟国は法の執行の仕方が法律上で異なっており、他の加盟国が非順守の運航者すべてに通知を送付しているのに対し、英国は段階的アプローチを選択し、今のところほんの一握りの運航者に警告している。政治的な意志を試される場面として、いくつかのEU当局は、2012年に欧州内でフライトを運航しながらEU ETSの『時計を止める』適用制限に従わなかった中国、インドそしてロシアの運航者に罰則を課すべき立場に立たされている。
 ETS制度の下で2012年には、規制対象となる全炭素排出量の98%の排出源である航空機運航者が規制を順守したと、たとえ欧州委員会が報告しても、欧州を離発着する大陸間飛行の報告義務を一時的に保留する『時計を止める』適用制限が、順守しない運航者の数の解明を困難にしてきた。加盟国においてEU ETS制度の管理を担当する所轄官庁(CAs)は、そのような情報をなかなか開示しようとしなかった。

 加盟国は規制対象となる排出量を報告しない航空機運航者について1トンのCO2につき100ユーロ(米ドルで140ドル)の罰金を課す義務がある。「政治的便宜をはかるために加盟国が法定の罰則適用をただ差し控えることは不可能であり、程なくある時点で、EU規則の下で、非順守の運航者すべての名前を明らかにして恥ずべきものにしなければならない。」とAvocet Risk Management社のCEOであり、航空関連EU ETS順守に関する専門家であるBarry Moss氏が語った。

 罰金に加えて、英国のような加盟国数カに国は、罰金が支払われない場合に航空機の拘留、差し押さえ及び売却の最終権限があると、Moss氏は述べた。

 EU加盟国はまた、この問題が遅滞していると見なしているので機嫌が悪いEUの政治家らの圧力にさらされて行動を起こす予定である。欧州議会の環境委員会の最近の会合で、上級の欧州議会議員が、ETS指令を順守しない運航者については加盟国が速やかに対応するよう要求し、もし対応をしない場合には、航空関連EU ETSの将来の計画に関する加盟国との現在の三者会談交渉を頓挫させると脅した(記事を参照のこと)。

 2012年の要件を順守しない運航者がどれだけあるのか不明確であっても、欧州内で付属書1のフライトを運航する運航者はすべて航空機運航者保有口座(AOHA)の開設が必要で、各運航者の検証済み排出量についての情報とそれに対応するために提出された排出枠の情報はEU取り引き記録(EUTL)で入手可能である。

 「EUTLから我々にわかることは、ログの英国の欄に並んでいる422の運航者の内、エアライン2社を含めた、少なくとも40の運航者が明らかに2013年の期限までに2012年の排出量の排出量報告を行っていないか或いは十分な排出枠を放棄していない。」とMoss氏が報告した。「多くの場合EUTLは多くの運航者に対し適合性の区分を割り当てていないか、記録では単に一致しないから実際のデフォルト率は疑いなくずっと高くなるだろう。」

 英国の所轄官庁である環境庁は他の加盟国と比べてずっと多くの努力と資金をETS順守のためにつぎ込んできたと彼は指摘している。「EU加盟国数カ国ではデフォルト率は50%に近いと言われているが、公有財産の情報が無いので、実際の数字を独自に検証する方法が我々には無い。」

 「それに加えて、AOHAを開設していないという単純な理由で、EUTLに載っていないだけという航空機運航者が何百もある。欧州委員会が公表した最新リストの運航者の数は約3,750に上るのに対して、EUTLに載っている運航者は約1,280である。多くの運航者が『時計を止める』適用制限の恩恵を受けたかまたは2012年には欧州へ飛来する便が無かった可能性があり、他の理由で適用対象外となる可能性、或いはもう運航者が存在しない可能性もあり、数字には大きな不整合がある。」

 そのほとんどが不履行者となっている、CO2の年間排出量が1,000トンに満たない、2,000を超える小規模運航者を規制するという管理上の負担を所轄官庁が避けようとするのは理解できるとMoss氏は述べた。その分類に入らない、非商用運航者を規制対象外にすることは三者会談の討論の中で検討中である。

 50万ユーロ(米ドルで68万ドル)まではいかない罰金通知が英国当局から届いた航空機運航者の場合、運航者は必要な数の排出枠は購入したが、4月30日の期限までに放棄しなかったと考えられている。5月の早い時期に運航者が欧州連合の登録簿にログインしようとした時には、システムはもはや排出枠の放棄を受け付けなかった。

 「これまでの数ヶ月間、ドイツに報告を出した運航者のいくつかもまた、DEHStすなわちドイツの所轄官庁から罰則の警告を受け取ったが、大部分は全く取るに足らない誤りのせいだった。」とVerifavia社のCEOであるJulien Dufour氏が報告した。「例えばある運航者が数字を丸めたことで二酸化炭素の排出枠を放棄しなかったので、100ユーロの罰金が課されると告げられた。しかしこれらの例ではすべて、ETS指令を順守しないのは純粋な誤りのせいであると運航者が立証できる場合には、関連する所轄官庁は罰則の権利放棄を受け入れるだろうと思われる。」

 その一方で米国エアラインの事業者団体である米国エアライン協会(A4A)は、先週、2012年のETS指令の非順守運航者に関し、米国のエアラインは罰則の権利放棄を要求するようだと報告したロイターのニュースとは距離を置いた。

 「2012年の法の執行の軽減もしくは早い時期の義務の軽減を我々は求めているわけではない。欧州議会と欧州連合理事会が『時計を止める』適用制限の延長の可能性を考えている間は、2013年のフライトについては、EU ETSの完全実施というEU域外への規制適用に関する実施期限は効力を生じないと明確にすることを求めているのである。」とA4Aの環境関連の統括責任者であるNancy Young女史はGreenAir紙に語った。

 A4Aの会員はEU ETS制度が航空へ適用開始された当初から完全に制度を順守してきたと彼女は付け加えた。「いかなる状況下であれ、国際線を運航するエアラインに登録国の合意無くEUがETSを適用することについては、我々は引き続き疑問を呈する一方、EU ETS制度のEU内での適用には異を唱えることはなかったし、当協会の会員エアラインは『時計を止める』適用制限下ではEU ETSを順守した。」

リンク:
欧州委員会−EU ETSにおける航空
Avocet Risk Management社
Verifavia社
米国エアライン協会 (A4A)

海外情報紹介 EU ETSの「時計を止める」適用範囲を2016年まで延長する協定の実現へと少し近づいたが、収入の割当には赤線が引かれている。

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1825

 2014年2月21日金曜日−欧州委員会の代表を含め、欧州議会(EP)そして欧州連合理事会に代表されるEU加盟国が参加する、航空関連EU ETSをこれからどうするかについて合意を得るための、第一回目の今週の三者会談は、結果的にいくつかの課題については意見の隔たりを埋めることができたが、隔たりが埋まらないままの問題は残っている。大陸間便については『時計を止める』(STC)という適用制限を行うのは2012年のみで、EU機関が炭素排出量規制制度の運用について合意を得られなければ、国際的論争が再燃するのを念頭に置いた上で、自動的にEU指令の元来の完全実施範囲に戻ることだろう。EU加盟国がSTCの規制範囲の修正版を支持する一方で、EU指令を先導する立場にある欧州議会の環境委員会は、EEA空域内を飛ぶ全便を規制するという欧州委員会提案を支持している。欧州議会の交渉担当者が2016年まではSTCを進んで受け入れる代わりに、ETSの取り引きによる収入を気候対策目的に割り当て、排出量の上限を厳しくするよう加盟国に要求しているようにみえる。  EU加盟国−特に第三国の圧力の影響を受けやすいエアバス社の製造業の株式を持つフランス、ドイツそして英国は、ICAOによる市場に基づく国際対策(MBM)の施行が見込まれている2020年までSTCを継続することを望んでいる。ドイツ人の欧州議会議員であるPeter Liese氏が三者会談の行程を先導している欧州議会との歩み寄りが可能なのは、2016年の終わりまで修正版STCを継続し、ICAOが2016年遅くに開催される総会で国際的MBM実施のための国際的合意を取りまとめられなかった場合、2017年からEU ETSを完全実施に戻すという案でだろう。

 「欧州連合理事会はSTCを2016年まで現在のままの適用制限内容で延長することを強硬に主張している。」と会議後にLiese氏は報告した。「そこで我々はある提案を行った。:我々(欧州議会議員)がこれを了承するのは、将来のETSの収入を気候変動対策に割り当てることを含めた包括提案の部分としてのみである。収入の使途を定めればETSに関する第三国との現在の信頼の危機は打開可能だと考えている。」

 しかし、2008年に初めてETS指令が成立した時、欧州議会が類似の要求を行ったが加盟国は拒否し、この件は特に英国にとっては譲れない一線だと見られている。ETS指令には排出枠取り引きの収入は、温室効果ガス排出物の低減のための努力、EUや第三国における気候変動適応のため、及び排出物を出さない輸送の研究開発のために「使用されるべきである」とは書かれているが、使用目的の決定は個々の加盟国の判断に委ねられている。

 「これは高度に政治的な論点である。」と欧州議会の環境委員会の委員長であるMatthias Groote氏は述べた。「現時点では、ETSの収入はEUの大臣らの懐に消えているが、気候変動対策の支援金として使われているだろうと推測される。その代わりにこの資金を、例えばGreen Climate Fundに割り当てて欧州地域の研究開発のために使うことができるだろうと考える。そうすれば2015年にパリで話し合いが行われる予定のUNFCCCに先立ち、EUがこの問題を真剣に考えていることを我々の同盟国に対して示すことになるだろう。」

 そして、年間のCO2排出量が1,000トンに届かない、ビジネスジェットのような非商用飛行の小規模運航者は、総計でかなりの数になるのだが、規制対象になるCO2排出量はほんのわずかなので、管理上の負担が重くなることが大きな理由で、恒久的にEU ETSの規制対象から外すことをEU加盟国は望んでいる。それ以上に政治的理由で、加盟国はEEA内のフライトについて年間CO2排出量が500トンに満たない小規模商用運航者は規制対象外にすることを望んでいる。これにより、例えば不定期にEEA内でpositioning flights(フェリー便?)を運航するような第三国からのエアラインを除外することになり、自国のエアラインにSTCの適用範囲でさえ順守しないよう指示している国家との衝突の可能性を回避することになる。

 欧州議会の議員らは、1,000トンに満たない非商用運航者の一時的適用除外には耐えられても、商用運航者のde minimisな適用除外には耐えられないだろうと思われる。

 「欧州議会の委任により2016年までは空域で規制するという我々の立場を断念する方向へ大きく舵を切ることになった。」と会議の後、Liese氏とGroote氏は声明を述べた。「今やボールは欧州連合理事会のコートにある。欧州連合理事会が我々の 提案を拒否するなら、交渉が完全に行き詰まる危険性を冒すことになり、欧州連合理事会はその責任をとらねばならなくなるだろう。」

 次回の三者会談は3月4日に行われる。

海外情報紹介 ユナイテッド航空はホットドリンク用カップを、ペットボトルをリサイクルした100%再生利用可能なカップに置き換える予定である。

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1823

 2014年2月18日火曜日−ユナイテッド航空は、現在使用しているホットドリンク用の再生利用不能な発泡スチロール製カップを、最大50パーセントまで再利用材料を使用して作った100パーセント再生利用可能なカップに置き換える予定である。環境に優しいInCycle断熱カップは、ワシントンに本拠を置くMicroGREEN社が水を使用しない、無添加の再生処理工程によって、ミネラルウォータ用ペットボトル1本の再生利用で最低でも4個のカップを製造している。InCycleカップはすでにアラスカ航空で使用されており、このリサイクル技術は革新的な環境技術に関する賞を数多く受賞している。ユナイテッド航空によると、自社の業務体系内で廃棄物を減らし、再生利用を増やすため、日常業務における再生利用の努力を見直しているところであるとのことだ。この見直しには客室乗務員のために手順を単純化するためと、再生利用する物品量を増やし廃棄物を減らすために、エアラインの機内の再生利用方針と手順を設計し直すことが含まれる。
 「ユナイテッド航空では、自社製品の持続可能性を改善し、同時に廃棄物を減らすために日々努力している。」とユナイテッド航空の地球環境問題と持続可能性担当責任者であるAngela Foster-Rice女史は言った。「この新しいカップは環境に対しては終始、悪影響は及ぼさないという当社の誓約の順守であるのみならず、お客様がユナイテッド航空便を利用して空を飛ぶことを快適に感じるためのもう1つの可能性である。」

 InCycleカップは今月、ユナイテッドクラブの飲み物サービスに導入され、3月半ばからユナイテッド航空の機内で使用されることになっている。

 MicroGREEN社によれば、断熱カップは現在のカップと比較して強度は変わらず重さが50%から80%軽く、カップの微細構造によって固形プラスチックより耐久性が強化されているとのことだ。製造工程は化学的発泡剤を使用せずにPETの軽量化を実現し、プラスチックは化学的に変化しないので、寿命がつきるまで再生利用が可能である。ワシントン大学を卒業した研究者達が2006年に興した会社であるMicroGREEN社によれば、この技術は原材料費を引き下げ、機能性を改善する一方で重量を減らすとのことである。

 過去6年間に渡り、ユナイテッド航空は機内や自社施設から出た廃棄物のうち、2,350万ポンド(10,600トン)のアルミ缶や紙やプラスチックをリサイクルした。

 ユナイテッド航空はまた、2013年に811,643トンのCO2排出を減らし、燃料効率改善の取り組みによって燃料消費を9,500万ガロン減らして、8,500万ガロンの燃料消費削減目標を上回った。

リンク:

ユナイテッド航空−InCycleカップについてのビデオ

ユナイテッド航空−Eco-Skies

MicroGREEN社

海外情報紹介 エアラインがEU ETSを順守しないので、EU加盟国との間の航空に関わるEU ETS交渉を頓挫させると怒りの欧州議会議員が脅す。

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1816

 2014年1月29日水曜日−欧州議会の政治家達はEU加盟国に対し、2012年にEU ETSを順守できなかったエアラインに厳しく対応するよう要求した。航空関連EU ETSの欧州議会の報告責任者であるPeter Liese氏は、強制措置が取られない場合は、加盟国を代表する欧州連合理事会との、欧州指令の将来に関する今後の交渉を頓挫させると脅した。EU加盟国、特にフランス、ドイツそして英国がETSの規模縮小を望んでいるのに対し、Liese氏と欧州議会議員の大部分が欧州委員会によるETSの空域規制提案を支持しているので、三者会談のプロセスは難しいものになると予想されている。中国、インドそしてサウジアラビアのエアラインは、2012年にEU内フライトの運航をしながらETSを順守しなかったとして名指しされた。その一方でEUの所轄官庁は、2013年にEU/EEAを離発着するフライトと、EU/EEA内部を飛行するフライトを運航するすべての航空機運航者は、3月31までに完全施行の場合の対象範囲で排出物報告を行うよう助言している。
 欧州委員会によれば、航空関連EU ETSの1年目の順守の状況は、EU/EEA内の『時計を止める』(STC)規制範囲による1年間の適用制限下で、全CO2排出物の98%に達したとのことだった。しかし、『政治的な動機で』順守しなかった多くのエアラインがあったことを、先週木曜日の欧州議会環境委員会(ENVI)の会議の席上で、欧州委員会のElina Bardram女史が報告した。

 法の実施は各EU加盟国の責任であり、実施のスケジュールは加盟国毎に異なるが、今までのところ期限は破られていないと、彼女は言った。欧州委員会は加盟国が実施の調整を行うことに同意し、2013年6月に、中国のエアラインを含め、EU ETSを順守しない航空機運航者に対して正式な通知が送付された。EUレベルでは、昨年10月のICAO総会以前には罰金は課さないという合意ができていたと、彼女は付け加えた。

 「それ以降は、我々は2月20日に次なる施行段階に移ることを目指すという一般合意が出来ている。」と彼女は欧州議会議員に語った。「EU法を実施するという加盟国の誓約を疑う理由は欧州委員会には無い。これは、法律の施行が加盟国によって最後まで順守されない場合に違反措置を取ることを我々はためらわないという意味だ。」

 どの加盟国がEU ETS指令を実施していないのか教えるよう請求して適えられず、「完全に不満足な」状況であることについて欧州委員会と加盟国を非難した、ENVI委員会の委員長であるMatthias Groote氏を含め、この報告ではENVIの欧州議会議員をなだめられなかった。

 実施状況についての問いを投げたSatu Hassi氏は、EU以外の国家からの圧力でEU ETSの規制対象が狭まったので、非EU運航者は欧州連合内で運航する場合はせめて順守すべきであると述べた。

 Liese氏は、委員会の席上で、そもそも2007年の立法化の最初から、EU法を順守しないエアラインからは運航ライセンスを取り上げるべきだと、欧州連合理事会を通じて言い張っていたのは加盟国だと述べた。

 「現在の法律が実施されているのかどうかさえ全くわからない状況では、[欧州委員会と欧州連合理事会との]三者会談で結論を出せるとは思えない。この件に関して加盟国があまりにも関心を払わないので、率直に言ってショックを受けている。」と彼は述べた。

 記者会見で、Liese氏は付け加えた。:「我々が欧州連合理事会と欧州委員会との交渉を進めるにあたり、EU指令の現在の「時計を止める」適用範囲が順守されていることは大変重要である。加盟国と欧州委員会が現在の法律を実施してこそ、可能な修正に関する必要手順について話し合いができるのだという、我々欧州議会からの強いメッセージになる。

 「我々が法律を修正しなければ、EU指令の完全実施に戻ることになるだろう。」

 現在のSTC指令が4月終わりに期限切れになるまでに、EU機関が妥協点を見つけられないことはありそうもないが、航空関連EU ETSを管理する責任がある加盟国の、たとえすべてではなくとも大部分の所轄官庁は、その管理下にある全航空機運航者に対し、3月31日(スペインの場合は2月28日)の期限までに、ETS指令の完全実施の範囲に沿った排出物報告を行うよう、勧告してきた。小規模運航者と後発開発途上国のエアラインを新規に対象外にすることを可能にすると同様に、2013年の排出物報告と排出枠の放棄を1年間先送りすることを可能にする欧州委員会の提案にもかかわらずである。

 所轄官庁の勧告がそれぞれ異なっていて、完全実施の場合の付属書1の排出物報告を3月31日までに行わないことでどこまで運航者が罰せれるかは不透明である。フランスのDGACは、望むなら運航者は報告できるが、期限までに報告をしなくても罰せられないだろうとこれまでに述べている。

 英国環境庁はそれよりは厳しい方針で、サーキュラーで以下のように勧告している。:「現在の英国とEUの法は変更されるまでは効力を持ち続け、検証済みの排出報告を2014年3月31日までに提出できないなら、そして2014年4月30日までに排出枠を放棄しなければ、罰則が課される。変更されないなら、そして変更されるまでは、2013年について報告と放棄の義務はETS指令の完全施行範囲についてであり、EEAを離発着するフライトを含む。」

 ウェブサイト上で大部分の所轄官庁の最近の指針を公表した、検証企業であるVerifAviaのJulien Dufour氏は助言している。:「提案された新しい法律の最終投票は2014年4月に予定されているので、報告が要求される後で排出枠の放棄を要求される以前に、もし新しいETS指令が成立する時は、運航者は正確な量の排出枠を放棄するために、報告の規模を適切な地理的範囲まで(例えばEEA内とか)縮小することが可能になるだろう。」

 「従って、2015年3月までの再提出については付属書1の欧州内での排出量の報告まで対象を狭めるという選択肢を持ちつつ、2014年3月31日以前は付属書1の完全な対象範囲を報告する計画を立てるよう、運航者に我々は推奨する。さらに、過剰放棄を避けるために、欧州連合の登録簿に排出量を記入して放棄するのは新規ETS指令が成立するまで待つよう運航者には勧めている。」

 PwC(訳注:世界4大会計事務所の1つ)のDennis Mes氏は付け加えた。「来たる期限への時間が短くて、我々はすべての顧客に対し、違反の危険を避けるために現在の期限内に完全施行の対象範囲で排出物の検証を行う準備をするよう助言している。要件については進展状況を密接に追っているので、所轄官庁或いは欧州委員会による指導に基づき、あり得る変更の影響に関して我々は顧客に情報を流すだろう。」

 ENVIの欧州議会議員は明日(1月30日)、輸送委員会と産業委員会の委員の反対意見を考慮しながら、欧州委員会提案とENVI独自の修正案について投票を行うところである(記事を参照のこと)。欧州連合理事会との三者会談での討論はその後引き続き2月中に行われ、3月にはEUの運輸大臣と環境大臣会合が行われる。3機関の間で合意が得られるならば、欧州議会全体での投票が4月半ばに行われることになっている。

リンク:

ETS指令の非順守と強制措置の議題に関するENVI会議(11:00:37開始)

EU指令の順守に関するPeter Liese氏の声明が行われた記者会見(9:46:45開始)

海外情報紹介 Liese氏はEU ETSの空域提案を支持するという、欧州議会の委任を受け、収入の使い道に照準を合わせる。

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1817

 2014年1月30日木曜日−欧州議会の環境委員会(ENVI)は今日、欧州内を離発着する全便による、EU/EEA空域内の排出物を規制対象にすることを目指す、欧州委員会の空域提案支持に賛成して49対6で票決した。環境委員会はまた、欧州委員会が提案したように、空域による規制を2020年までというより2016年までに制限しようとする欧州委員会提案への修正及び、EU ETSの排出枠取り引きの収入を気候関連の財源にあてるという、EU加盟国による法的拘束力のある誓約をこの欧州指令への導入を、可決した。この票決により、その立法化について欧州連合理事会を通じて欧州委員会と加盟国との交渉を行うための権限委任がEU ETS指令の報告責任者であるPeter Liese氏に対して行われた。加盟国の大部分は欧州委員会提案に反対で、2012年の間だけは規制対象をEU/EEA内のフライトの排出物に制限するという『時計を止める(STC)』取扱いの継続を望んでおり、これは産業委員会と運輸委員会(ITREとTRAN)の欧州議会議員も同様であり、2月と3月に予定される合意を得るための三者会談では激しい議論になりそうである。
 Liese氏いわく、ENVIの投票は、EU ETS指令の完全実施に戻ることを望む欧州議会議員のGreen党とエアライン団体1つ(欧州低運賃エアライン協会)の立場、ICAOが市場に基づく国際対策による解決に至るのを待つためのSTCの継続にそれぞれ賛成の票決を行ったITREとTRANの立場、この2つの間の、公平な歩み寄りを反映しているとのことだ。

 しかし、同席した欧州議会議員のChris Davies氏が、ITREとTRANの意見がひっくり返されるような、このような案件は欧州議会全体で検討されるべきだと言ったため、ENVIの投票は居心地の悪いものとなった。「この件ではPeter Liese氏を支持せざるを得ないが、大いに非民主的な手順で行われることに大変居心地の悪さを感じている。」と彼は環境委員会の席上で述べた。

 ITREの報告者であるEija-Riitta Kohhola女史は、投票の結果は「望ましくないもの」であったと言い、以下のようにツイートした。:「たとえLiese氏が欧州議会の大多数の意見を代表していなくても、我々は彼に交渉の権限委任をしなければならなかった。ITREとTRANが欧州委員会の計画を拒否したことに注目することは重要なことである。我々は貿易戦争を望んではいない。ENVI委員会に委託された権限は並外れて弱いもので、これは三者会談において配慮されるべきである。」

 この件は−委員会の間で意見が一致しない案件の場合に通常とられる措置ではあるが−欧州議会の総会にかけなければならないので、それでは現在のSTC指令が期限切れになる4月終わりまでに法律を通過させる時間的余裕がないことになり、難しい局面であるとLiese氏は述べた。TRANから取られた要素もいくつかあるが、たとえ委員会の報告者が三者会談に参加しても、それについては「俎上に載ることはない」と譲歩したと彼は述べた。航空機運航者についてEU ETS排出量の上限を厳しくし、排出枠取り引きのレベルを上げるというLiese氏の提案は2委員会との妥協案に含まれている。

 彼は最終的なENVIの投票前に欧州議会議員の同僚らに対し、「たとえ100%満足ではなくても何も決定がされないよりはまだましであるとして、この権限委任を支持するよう」頼んだ。

 三者会談の会議は2月18日と3月4日に予定され、「交渉が簡単には進まないことが確かなので、」できれば3回目を3月の終わりまでに行うと、Liese氏は投票後の記者会見で語った。この交渉ではあらゆる方面で譲歩せねばならず、柔軟に対応しなければならないと彼は述べた。

 特にLiese氏が譲りたくないと思っている論点のひとつが、排出枠取り引きによって加盟国が得る収入の使い道についてである。欧州議会は指令の原型に、気候関連の財源に収入の使途を限定する条項を入れようとしたが、加盟国にとっては受け入れがたいことが判明した。彼に委任された権限で、そして他の委員会に支持されて、Liese氏は現在、この問題が交渉の一部であると言い張り、加盟国が排出量取引の収入をGreen Climate Fundや空気を汚さない輸送技術の研究開発のような、国際的気候財源に割り当てるよう強制する、法的拘束力のある条項が新しい指令には付け加えられるよう模索していると述べている。

 もし収入がこの目的に使用されるなら、EU ETSに自国のエアラインを参加させることを第三国がもっと進んで受け入れるだろうとLiese氏は主張している。彼に言わせると、欧州委員会の提案によって2015年から空域を対象とする規制を実施するのに先駆けて、2014年にSTCを1年間延長するなら、発展途上国と航空産業の排出物低減を支援する気候対策の目的で収入を使用するという前提に基いて修正したEU ETSの規制範囲を、非EU国家が受け入れるよう説得するのに使用されるべきであるとのことだった。

 「第三国をこのプロセスに巻き込むことは重要である。」とLease氏は述べた。「空域方式を受け入れてもらうよう努力し、実効のある国際合意のための地ならしをする必要がある。私が第三国と会合を持つと常に、EU加盟国の財務大臣の権限下に収入を留保するという議論を耳にする。これは欧州議会が変更をもくろむ我々の法律の弱点である。」

 「これは加盟国が非常に神経質になる問題だが、この状況では誰もが柔軟で実用的なものである必要があると、理解している。」

 Liese氏は、欧州連合理事会との歩み寄りは速やかに行われなければならない。さもないと時間内に修正が間に合わずに、すべての大陸間便を規制対象とする元来の法律が自動的に5月1日から効力を発するだろう。「これはNGOのいくつかと、エアライン産業団体の1つが好む抜本的解決策ではあろうが、意欲的に過ぎて第三国との間に多くの問題を引き起こすことになるだろうと私は思う。」と彼は付け加えた。「だから、誰もが今譲歩する必要があるのだ。」

 元来の規制範囲と比べて、空域提案は航空機排出物の35%しか規制対象にしないとはいえ、Brusselsに拠点があるNGOであるTransport & Environmentは、少なくとも、排出物の大部分が発生する、長距離便は対象となるだろうとコメントした。

 ENVIの決定を歓迎して、T&Eの航空管理者であるBill Hemmings氏は言った。:「空域の規制範囲を支持することで、欧州地域全体に渡り、欧州内便と長距離便の全便の排出物をEU ETSが対象とすることを、欧州議会議員は今確実にしているところだ。この決定はまた、支持するのを気にしているようにみえる加盟国メンバーがあるなかで、EUの主権を強固にする。

リンク:

ENVI委員会
TRAN委員会
ITRE委員会
投票後のPeter Liese氏の記者会見
Transport & Environment

海外情報紹介 欧州の政治家、加盟国及びエアラインが描く今後の方向性が異なるので、航空関連のEU ETSが宙に浮く。

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1815

 2014年1月27日月曜日−4月終わりまでにEU機関の決定が必要なのだが、いまだに航空に関するEU ETSの将来の方向性について、欧州議会とEU加盟国内のみならず、欧州エアラインの間でもかなりの意見の相違が残ったままである。欧州議会の運輸委員会と産業委員会のメンバーである欧州議会議員らは先週、EU/EEA空域内の全フライトからの排出物を規制しようとする欧州委員会の提案の内容を和らげるために投票を行った。この問題を担当する環境委員会は1月30日木曜日に投票を行うことになっており、欧州委員会提案を概ね支持している。3委員会の報告者達はこれから妥協点を探ろうとしているところである。一方で、欧州エアラインを代表する3つの事業者団体もまた将来のEU ETS像について意見が異なる。欧州議会と加盟国の間にはEU ETSの排出枠取り引きの収入をどう使うかについて大きな対立が存在している。
 先週木曜日に、環境委員会(ENVI)がこの問題について討論の場を設け、これからの進め方について欧州議会議員の間にたとえ意見の相違はあれど、大多数が欧州委員会の空域提案を支持したいと考えているように見受けられる。しかし、欧州議会における航空に関するEU ETSの報告責任者であるPeter Liese氏は、あらゆる面で譲歩が行われねばならないことと、欧州連合理事会を通じてEU加盟国との三者会談プロセスを開始する前に、3委員会の間で妥協点を見いださねばならないことを了承した。

 運輸委員会(TRAN)は『時計を止める』という、EU/EEA内を規制する適用制限の期間延長を希望しているとLiese氏は述べた。「それはとりあえず我々が考慮すべき選択肢だが、その一方で、2016年までこの状態を継続することは我々には受け入れがたい。」

 合意が得られる範囲として、EU ETSの排出枠取り引きの収入を気象関連の財源や排出物の少ない研究開発の財源に割り当てるという論点があるとLiese氏は述べた。この論点に関する欧州議会の立場は明快だとしても、加盟国は収入を担保することを拒絶してきたし、これが第三国からの批判を正当化したと彼は述べた。

 Liese氏はENVIの会議で述べた。:「我々が発信するメッセージの内容に、我々は細心の注意を払わなければならない。我々は現在、多くの抵抗にあっている。エアバス社は必死にこの空域提案と闘っているところである。中国が契約を破棄すると脅すなら、中国が我々に要望することをすることになりそうだ。」

 欧州委員会提案へのLiese氏独自の修正を支持しつつ、欧州議会議員のChris Davies氏は政治的影響をEUは受け入れるべきであると信じており、ICAOからどんな結果が出てくるのか確信がないと述べた。

 欧州議会議員でGreens党所属のSatu Hassi女史は、歩み寄りの気持ちが度を超していると述べた。「企業や他の国家が我々の法律に反対する場合には、我々が法律を変更するというメッセージを世界に向けて我々は送るべきではない。」と彼女は述べ、EUは『経済的には巨人でも政治的にはこびとである』と見られる危険がある、と付け加えた。

 オランダ人の欧州議会議員であるGerben-Jan Gerbrandy氏は言及した。:「これは気候変動と航空の問題というより、欧州の信用問題である。国際的な解決策を得るための本格的な進展が得られるようにICAOに1年間の猶予を与えるのだと我々は言ったのに、ICAOでは成果が出なかったのだ。やると脅して結局あなたがそれをしないなら、あなたの信頼性はどこにあるのだろうか?」

 「エアバス社にとって、これは経済的な脅迫で、脅迫のままでは済まないだろう。我々は欧州委員会を支持すべきで、欧州議会は断固として立ち向かわねばならず、決して経済的な脅迫に我々は屈してはならない。」

 欧州委員会提案に反対の立場で発言したのは英国保守党所属の欧州議会議員であるMartin Callanan氏とJacqueline Foster女史だった。

 「エアバス社は欧州で数万人の社員を雇用している。比較的小さい原則とそれに関わる小額の金額のために、エアバス社社員数万人に問題を引き起こす理由は何なのだろうか。」とCallanan氏は述べた。「我々は我々の原則に則ることはできるが、実際の影響に気づく必要がある。」

 Foster女史は欧州委員会の気候活動総局(DG CLIMA)が航空に関わるEU ETSを独断的に扱うことについて批判し、第三国との合意無く一方的なやり方で進めた結果について懸念を示した。「この問題で数十億ドルのエアバス社の注文が棚上げ状態になってしまった。率直に言ってこれは受け入れがたい。」と彼女は述べた。ICAO総会の結果を考慮して、EU ETS指令の適用を「無期限に保留するよう」彼女は要求した。規制対象をEEA内のフライトに制限することについても、欧州エアラインの公平な立場を失わせることにつながるので、抵抗すべきであると彼女は言い、この状態は欧州委員会がそもそも非合法と見なしてきたと彼女は信じているとのことだった。DG CLIMAの代理としてENVI委員会に対して行った声明で、Elina Bardram女史は、航空に関わるEU ETSは政治と原則を巻き込んだ複雑で能力が試される一件書類で、政治と原則が巻き込まれることは非常にまれであると述べた。

 大きな成果であると彼女が見なしている、10月に採択されたICAO総会決議に言及して、Bardram女史は言った。:「2020年以前に暫定的対策を採用する国家に関するパラグラフは、双方の合意を暗示すると理解する国家が数カ国ある。EUはその解釈にはきっぱりと異議を唱えて留保に入った。我々はもちろん、合意を得るための努力は継続するが、第三国の視点から望ましいという基準に則って我々の法を決めることはないだろう。」

 「我々の提案はICAO総会で決定されたことに沿った、心からの努力であり最良の企てである。後発開発途上国に適応する特定の条項を我々は作成した。我々はまた、主要な航空国家を含めた我々の協力国の多くが、実際に空域方式を提案した、ICAO総会に先立つ討論や会期中の討論を反映した。そうする内に、国際的な[市場に基づく対策]の成果を見越して、我々はかなり我々のETS法を縮小させた。環境への熱意の縮小は容認できると我々は感じた。というのも、その方策は将来実現し、我々がそれを成功のための最良の機会にしたいと信じているからである。」

 欧州委員会提案の下で、2014年までEU/EEA内へと適用を制限する扱いを延長することは、空域方式実施の前に技術的調整を行うために十分な時間を得ることになるとBardram女史は述べた。

 これまで提出された異なる提案の数は政治的選択と交渉まで煮詰まったと、彼女は言った。「選択肢評価のための重要な基準は管理の容易さ、安定性、耐久性及び、それらが良い規制の構成要素となるかどうかである。欧州委員会の提案はこの基準に合っているように我々には思える。政治的承認の問題があり、それは、我々がどこまで進んで適応したいと望むかにかかっている。」

 「欧州委員会の提案が行われてから、特に産業界の協力者達の中には懸念を表した者がいることは周知のことだが、どのような選択肢なら彼等が完全に同意するのか現在では明らかでない。我々の提案は法的にも技術的にも適切であり、公平な立場を保証する。同じ航空路の運航者はすべて公平に扱われる。」

 世界規模で運航する国際的エアラインを代表するIATAが、国際方式を導入しないまま、EU ETSを完全に保留することを望む一方で、欧州エアラインの業界団体は異なる意見を表明している。

 EEA外のルートも運用する主要エアライン30社の加入する欧州エアライン協会(AEA)は、欧州委員会提案の規模を縮小しようとする先週の運輸委員会(TRAN)の投票を歓迎し、産業委員会(ITRE)−こちらはその後TRANと同意見の投票を行った。−とENVIにおいて先例に倣うよう、欧州議会議員に要請した。

 AEA曰く、TRANの決定は、第三国からの報復手段に欧州エアラインがさらされかねないという理解をはっきり示した。「AEAはTRANが航空関連ETSの規制対象を欧州経済地域内のフライトに制限することを歓迎する。」とAEAは声明で述べた。「この動きが国際論争の危険性を減らし、国際航空による排出物のような世界規模の問題は世界規模の解決策が必要であることを追認する。」

 AEAのCEOであるAthar Husain Khan氏は付け加えた。:「航空関連ETSは国際航空の排出物低減に関する国際合意を得るためのICAOでの進展を妨害してはならない。」

 2017年から2020年までの状況に関して不確定要素があり、エアラインには長期にわたる計画の安定性が必要なのだとAEAは言い、明確さを要請した。

 他方、欧州地域エアライン協会(ERA)、これは欧州内の地域航空会社の代表であるが、その事務局長であるSimon McNamara氏は、国際便の排出物を捕捉しようとすることは、たとえEU空域においてさえ、非EU国家とのかつての論争を再燃させることだろうと反対した。「しかし、同様に、EU内部のみ規制対象とする制度は欧州と欧州内エアラインにとって厄介な問題になるだろう。」と彼は述べた。

 「賢明な選択肢は、EU ETSの適用を全フライトに関して保留し、ICAOで2016年までに国際制度を作り出すことに集中することである。しかし、環境問題に関する欧州の理想主義がそうなることを阻止してきた。我々は2つの選択肢から1つを選ばなければならないように見えるが、どちらの選択肢も理想的なものではない。」

 旅客数では欧州で上位2位に入るRyanairやeasyJetのような低運賃航空会社を代表して、欧州低運賃エアライン協会(ELFAA)が2012年の遅い時期に『時計を止める』決定がされてから、航空関連のEU ETS指令を完全に復活させるよう陳情を行ってきた。

 完全施行を復活し損ねたので、EUは少なくとも欧州空域における排出物を対象とするETSの実施をすべきだと、ELFAAの事務局長のJohn Hanlon氏はPeter Liese氏、Gerben-Jan Gerbrandy氏やブリュッセルを本拠地とするNGOのTransport & Environmentと共に木曜日の記者会見で要求した。

 「ETSの基礎としての1年限定の『時計を止める』措置を延長することは差別を生むのみならず、長距離便を規制対象にしないまま、EUの航空排出物であるCO2の20%のみ規制対象とするようなもので、環境対策としても効果がない」と、彼は述べた。

 完全実施から暫定的に対象範囲を狭める場合、Hanlon氏によれば長距離便を優遇することになり、この制度の環境効率の基準の再評価をするようにと彼は要求した。「根本的に異なる範囲について設計された元来の基準を再検討しないと、欧州内の運航者についてさらに差別を助長させることになる。

 Hanlon氏は、ELFAAはEU ETSを初めから支持してきたこと、ELFAAの加盟エアラインは成長し続けることを望んでいるが、成長は環境上持続可能なことを示したくもあるので、新技術が排出物の増大を相殺できるまでは、市場に基づくメカニズムがそれ故必要となることについて述べた。

 「我々の分野は非常に成長が著しく、割当量が最も不足しているが、それに対処する気力はある。しかし、ETS制度は環境対策として公平で差別を生まず、効果がなければならない。そこで、EUは完全実施にこだわるべきだったと我々は考える。少なくとも今EUがすべきことは、欧州委員会提案にこだわることだ。」

 彼は欧州議会に対し、政治的圧力に負けないよう呼びかけた。「EU空域での規制をあきらめて欧州内規制に後退したら、次に対面する論点はICAO総会決議が双方の合意を必要とする、という点であり、EU ETS実施に反対する国家が引き続きEU内での規制対象にされることを喜んで受け入れるなどと考えないように。あなた方が目にするのはかつてないほどに縮小した制度であり、あなた方はEUの規制する権利とEUの品位を大きく揺るがす難問に直面することになるだろう。」

 欧州議会議員の間の歩み寄りの雰囲気を歓迎しつつ、DG CLIMAのBardram女史はENVIの会議の席上で、(加盟国を代表する)欧州連合理事会との共同決定プロセスを終えるための合意の期限が4月の終わりと、切迫したスケジュールであることに言及した。

 しかし、Liese氏とGerbrandy氏は記者会見で、ENVIは欧州委員会の提案に基づき、1年を超える延長に賛成票を入れることはありそうもないのに対し、TRANの報告者が委任されているのは「時計を止める」適用制限の2016年までの延長のみを基盤とする交渉であり、TRANとの合意に達するのは困難であるかもしれないと警告した。欧州議会と欧州連合理事会が4月終わりまでに合意に達することができなければ、自動的にEU ETS指令の完全実施に立ち戻ることになると、Liese氏はくぎを刺した。

 EU機関の間の三者会談は2月中に行われる予定で、その後、3月に(加盟国の)環境・運輸理事会の会議が行われ、4月14-17日の全体会議で欧州議会の投票が行われる予定である。


リンク:

ENVI委員会会議のビデオ

TRAN委員会会議のビデオ(航空関連のEU ETSは16:01:24に開始)

Liese氏/Gerbrandy氏/Hanlon氏/T&Eの記者会見ビデオ

海外情報紹介 航空の国際的MBM開発に関する新組織設立を目的としたBRIC国家による提案をICAO理事会が承認

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1804

 2013年12月20日金曜日−BRIC国家(ブラジル、ロシア、インド、中国)は、ICAO総会において市場に基づく対策(MBMs)に関し発展途上国から広い支持をとりつけることに成功したのに続き、国際的MBMの開発を主導する組織をICAOが設立するという彼等の共同提案は、ICAOを運営するICAO理事会によっておおむね承認された。環境諮問委員会(EAG)というこの新組織は、報告を直接ICAO理事会に対して行い、MBM問題に関わったこれまでの組織より広い範囲の代表を集めることになる。EAGへ付託される条項と役割はこれから策定され次回理事会会議で提示されることになろう。
 EAGが承認されたことは欧州や米国などの先進国から発展途上世界への力の移行を表し、国際的MBMのこれから3年間の開発におけるICAOの作業を大いに際立たせるだろう。提案が行われたのは、MBMの開発の過程において大半が発展途上国であるICAO加盟国の余すことなき参加を確実にするためである。

 炭素排出軽減の責任は先進国世界が負うという、共通だが差別化された義務(CBDR)という国連気候変動枠組み条約の原則は、BRIC提案によれば、いかなる国際方式にも取り入れられることになる。BRICの圧力によってICAO総会の気候変動決議(A38-18)に採用されたCBDRの表現は、結果として欧州や米国や他の先進国からの正式な抗議を受けることになった。

 MBMsに関しては、2006年からICAO理事会とICAO総会内においては二極化した論争以外のものをほとんど生み出してこなかったとEAGの提案者は趣意の中で記した。

 「そのような状況の中、今こそA38-18に沿った国際的MBMsの開発に向けて、1歩を踏み出す時である。」と彼等は意見し、審議過程と方法の変更が必要だと付け加えた。「その政治的性質を鑑みるに、この問題が引き続き同じやり方で、すなわち事務局が主導するようなやり方で処理されるのは好ましくない。」

 彼等の提案によれば、新組織は地理的公平性に配慮するため理事会メンバーで構成されねばならない。他の理事会メンバーや理事会メンバーでない代表者もまた組織に参加でき、産業界、NGOや他の組織からのオブザーバーも招かれる。全加盟国の利益が反映されるように、直接ICAO加盟国と諮るようなメカニズムを提案者は推奨している。「というのも、第39回総会でことをうまく運ぶには全加盟国を巻き込むことが不可欠だからである。」

 国際的MBM開発に伴う技術的問題での作業が見込まれる、ICAOの環境保護委員会すなわちCAEPは、この提案の下で、通常の場合のように直接理事会に対して報告を行うのではなく、EAGに対して報告を行うことになる。

 BRIC提案は、EAGが執り行う数多くの任務を列挙している。

 •世界的に導入か可能かどうかや予測される実施継続期間もだが、起こりうるその環境影響や経済影響も含めて国際的MBMの採用可能な選択肢の選定条件1式を作成すること;

 • 技術的側面や、先進国及び発展途上国への環境影響及び経済影響を含め、選択肢の実現性と実用性を調査すること;

 •同じ目的を同様に達成しうる、税金や、燃料か炭素に付加する料金のような他の選択肢を調査すること;

 • 発展途上国への支援を可能にするために、CBDRや、特殊状況と個々の能力(SCRC)の概念を国際的MBM制度に取り込む;

 • 主要な論点や課題をあぶり出して適切な対処法を提案するための加盟国との協議プロセスを開始するため、選出結果を理事会に報告する;

 •実行可能なMBMとそれの世界的導入や基本条件の評価を含める、理事会への最終報告準備のために、肯定的な結果である場合は加盟国からの回答を精査する;

 この提案の論争を呼ぶ側面として、欧州に宛てたと見られる「この組織の作業が上首尾の結果を出せるような」条件の設定がある。BRICによれば、全加盟国は「実質ともに」ICAO決議A38-18に従うことになり、国際的MBMが施行されるまで、同意無しにはいかなる国(々)をもその国家的或いは地域的MBM制度の対象とせず、そして実施されている現在のすべてのMBMs或いは炭素税制度の役割を国際的MBMが施行される前に終わらせることを請け合うことになるだろう。

 ICAO理事会は理事長に対し、事務局長の支援を得て、EAG設立に関し次回理事会会議で報告書を提出するよう要請した。同じ会議においてA38-18決議の幅広い実施のための行動計画も提示される予定である。

 環境に関する論点についてはこれからは航空輸送委員会では検討せず、代わりに直接ICAO理事会に諮ることが決められた。

海外情報紹介 国際便をEU ETSで一方的に規制するというEUの提案は国際的な制度を危険にさらすと「衝撃を受けた」IATAが言明

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1803

 2013年12月20日金曜日−国際社会に諮ることなく国際航空をEU ETSの規制対象として取り扱うという欧州委員会による提案は、貿易戦争の脅威を再燃させることになりかねず、市場に基づく国際的気候対策制度開発のための共同作業に集中しようとする加盟国を戸惑わせることになりかねない、とIATAはコメントしている。「ICAO加盟国が市場に基づく対策(MBM)開発のための歴史的合意を10月に行い、一方的に国家的或いは地域的制度の対象にすることを否定した後に、欧州が間違った方向へ舞い戻りつつあるというニュースが聞こえてきたので不信と衝撃が呼び起こされた。」と事務局長のTony Tyler氏がIATA国際メディアデイに報道記者に語った。
 「私にとって、気候変動に関するICAO総会の結果は航空と地球のための大きな前進だった。」とTyler氏は語った。

 EU/EEA空域内の全便の排出物をEU ETSの規制対象にするという欧州委員会の提案は、すでに政治的緊張をもたらしていると彼は語った。「この提案のせいで、航空のための市場に基づく対策について、国際的な合意を見つけるという大きな目標達成のための重要な作業から政府が気をそらすことがないようにと我々は願っている。」

 IATAの会員と対外関係担当の上級副総裁であるPaul Steele氏は、国家或いは国家の集団は、その独自の空域内における第三国からのエアラインの飛行を、その第三国の合意無しで規制可能であるという、EUの推進した提案は37対97の票決で明確にICAO総会で否決されたのだ、と述べた。

 彼はまた、欧州委員会の提案が、EU空域に入っている飛行部分をいかに正確に計算するのかなどという、多くの法的問題や運航上の問題もまた提起したと述べた。「しかし、我々の心配するのはそのレベルをはるかに超えて政治的レベルにまで及ぶ。」と彼は付け加えた。「業界としては確実に避けたいと思うような状況である、貿易戦争の瀬戸際まで我々を引き戻すことになる。」

 EU ETSを欧州域内の便のみに適用するという「時計を止める(STC)」やり方の方がむしろ好ましいとして、EU加盟国が欧州委員会のやり方に疑問を呈するような兆しもみえていると、Steel氏は言及した。これは、彼に言わせると、ICAOに国際的MBMのための作業推進のための作業の余地を与えるだろうとのことだ。

 今週の欧州議会の環境委員会(ENVI)会議の席上で、航空に関するEU ETS指令の報告者である Peter Liese博士は、欧州域内を規制するやり方では競争上の不利が生じ、競争の歪みをもたらすとして、この問題では欧州のエアライン産業ではしかし、意見が分かれていると主張した。

 欧州議会でもまた意見が分かれていると彼は述べ、欧州委員会の提案は野心的に過ぎるとして、時計を止める状態(STC)を継続するのを好む者と、提案は十分には意欲的でなく、欧州指令の本来の規制範囲に戻すのを好む者がいるとのことだった。空域方式は2つの立場のうまい妥協案であると彼は主張した。彼が望む提案の修正は、2016年のICAO総会後に法律を見直し、排出枠取り引きの収入は技術開発と気候に関する国際的な財源へ割り当てるというものだった。

 Liese氏は、とりあえず米国は空域方式には文句がないだろうと主張した。なぜなら一国の空域の主権問題は米国にとって「神聖」なものだからだ。

 「EU法は適用されねばならず、我々は脅しに屈することはできない。我々は降伏すべきではないし、第三国の主張に屈するべきではない。」と彼は述べ、EU加盟国はEU法を実施する義務があると付け加えた。

 Liese氏による欧州委員会提案の支持と彼の修正案は、航空に関わるEU ETS指令に関して彼の影の報告者でありENVI委員会の議長であるMatthias Groote氏が支持した。

 ENVIの欧州議会議員である Martin Callanan氏は意見が異なり、ICAOでの国際的取り決めは優先されねばならず、EU加盟国が扱いに苦慮してきた第三国数カ国がEU法を順守しないという深刻な懸念があり、第三国をEU ETSの規制対象にすると最終的にEUの再度の退却につながり、恥をかくことになりかねないと発言した。EU加盟国は決して排出枠取り引きの収入の使途をあらかじめ定めることには同意しないだろうと彼は述べた。ENVIのメンバーであるChris Davies 氏もまた、空域方式の提案には不安があり、EUには外部からの圧力で再び砕け散っているひまはないと述べた。

 「我々は法的には正しいかもしれない。」と欧州議会議員でありSTCの継続を好ましく思うHolger Krahmer氏は言った。「しかし、実施不可能な法律にたどり着く可能性がある。ICAOでは国際的な取り決めで合意することを望まない加盟国があることは隠すまでもないが、EUの頑迷さがこれら敵対者につけこまれることになる。」

 欧州議会の産業委員会(ITRE)における航空関連EU ETSの報告者であるEija-Riitta Korhola女史は、欧州委員会の提案には反対で、2016年までSTCを継続することを支持すると述べた。

 Elina Bardram女史は、2012年においては対象となる全排出物の98%が航空関連EU ETSを健全に順守していると欧州委員会のために報告した。彼女は空域方式は推進するにはよいやり方で、法的にも技術的にも堅実であると述べた。

 ENVI委員会での提案と修正の票決は1月23日に行われる予定で、欧州議会全体での投票は4月に行われる予定である。それまでは、欧州委員会と加盟国を代表する欧州連合理事会の共同決定プロセスが継続する。

 欧州の環境NGOの一団が昨日、英国、フランス及びドイツ政府の指導者達に書状を送り、 Liese氏への支持と、STC継続を良しとして空域方式を拒否しようとする3カ国の提案の取り下げを訴えた。

 「そうすることにより、シカゴ条約によってもたらされた国権や義務を保持しつつETSを修正して欧州はICAOを尊重していることを裏付けることになるだろう。」とブリュッセルを本拠地とするTransport & Environmentの広報担当者が言った。「さらに重要なことに、欧州域内の空域で排出物を規制することをEUに要求することで、速やかで効果的な行動が火急に必要であると公式に表明することになり、欧州が規制を行う権利を追認し、航空会社を公平に扱うというICAOの原則を強固にすることになるだろう。」

 「我々はまた、2012年の法律を順守しそこなったエアラインに対して適切な執行手順がとられるよう彼等の政府が保証することと、この対応がなされることを彼等の政府が我々に追認することを要求する。2012年の法定義務の効果的な執行がなされなければ、欧州内及び欧州外の航空会社が将来の法律を順守することは見込めない。」

リンク:

IATA−国際メディアデイにおけるTony Tyler氏の発言

IATA−Paul Steele氏による発表:「ICAOの成果を足場とする

欧州議会のENVI会議(航空関連EU ETSの討論は10:25:40に開始)

NGOsから英国、フランスそしてドイツ政府の指導者らへの書簡

海外情報紹介 EU ETSを修正して第三国を規制対象にしようとするEUの計画に対し、米国の国会議員が中国と共に反対し、英国が動揺

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1794

 2013年12月2日月曜日−欧州議会議員が欧州域内排出量取引制度(EU ETS)の規制範囲を修正しようとする提案について作業をする一方で、米国の下院議員は米国の運輸長官であるAnthony Foxx氏に対し、EU ETSへの米国の民間航空機の参加を禁じる権限を行使するよう要求している。運輸委員会の超党派の代表らは、EU制度の適用は最近のICAO合意に違反すると主張し、米国の運航者が「EUの制度の一方的な適用によって損害を与えられないよう」保証するようにEUと交渉するようFoxx氏に要請している。中国も欧州委員会の提案に不快を表しており、気候変動に取り組むに当たっての国際的結束に害を及ぼし、UNFCCCの共通だが異なる責任の原則が、市場に基づく国際的対策の設計と実施を裏付けなければならないと主張した。その一方で、第三国を離発着するフライトを規制対象とするという欧州委員会の提案に反対の立場であることを示唆したのは英国もであった。  米国下院の運輸・インフラ委員会と航空分科委員会の主要メンバーからの書簡には、提案されたETSへのEUの修正は「EUを離発着する米国便の欧州空域にかかる部分に一方的な適用がされることから、ICAO合意の精神と字義を冒涜している。」と書かれている。

 議員に言わせると、修正はICAOが開発し合意の得られた枠組みを『侮辱』しているそうだ。「ICAOでの国際的合意を通して航空排出物に取り組みたいと主張するにもかかわらず、見たところではEUは単にICAO合意の望ましい部分にのみ従いたいようだ。」

 そのために、彼等は、2012年遅くに立法化されたETS禁止法に規定されるように、Foxx氏に速やかに交渉を行うよう要請し、もしEUの修正がそれでも通過するようなら、公衆の利益に適うと判定されれば、ETSに米国航空機の運航者が参加するのを禁じるよう要請している。

 「この判定を行うにあたっては、運輸長官は米国の消費者、航空会社や運航者への影響;米国の経済、エネルギー、及び環境安全保障への影響;そして現在の国際公約を含めた米国の外交関係への影響を考慮することになっている。」と書簡には書かれている。

 彼等によれば、「国の法律なのだから、それゆえ、運輸長官が公共の利益のために行動し、法の下で運輸長官に許される権限を最大限行使するよう、我々は要請する。航空排出物を取り扱う世界的取り組みの開発について、ICAOは合意の得られた工程を表明し、ICAOがこの目標を達成するにふさわしい場であることは変わらない。」

 米国運輸省の上級職員は、先週のロンドンでの「航空輸送の将来会議」で、欧州委員会の提案は「必要のない混乱」であると話した。

 ワルシャワでの最近のUNFCCC COP19へ割り込んで、中国が表明したのは、国際レベルでは二国間或いは多国間協議によって合意がなされなければならないと決定されたにもかかわらず、「ある地域と国家群がいまだ国際航空と海運輸送に一方的な対策を適用しようと決定、或いは企てている。」というものだった。EUの空域提案を特に名指しすることなく、中国の声明は以下のように続く。:「これらの行動は必然的に気候変動に取り組むための国際的活動の結束と連帯に悪影響を及ぼすことになり、UNFCCCと京都議定書にとって悪い先例となり、(航空と海運という、)これら2つの領域の地球に優しい発展の妨げとなるだろう。」

 ICAOとIMOによる、UNFCCCの科学技術助言機関(SBSTA)への年間報告の発表に続いて中国の割り込み声明が行われた。ICAO報告の焦点は最近の総会における気候変動決議の成果だった(A38-18)。

 「ICAO第38回総会において、CBDRと双方の合意の原則が、国際民間航空による排出物に関して市場に基づく対策を設計及び実施する場合の土台となるという、ICAOが採用した決議を中国は歓迎する。」と中国代表が述べた。「我々はまた、第65回MEPC総会で採択されたIMO決議を歓迎する。この決議は『UNFCCCとその京都議定書に奉られた、CBDRの原則を含めた諸原則』を認めている。2つの国際機関の加盟国による、協定の原則を再確認するための努力と建設的な態度を反映する、これらは主要な道標である。UNFCCC内部の活動であれ外部の活動であれ、世界規模の気候変動に取り組む活動が統合されて一貫性のあるものへと移行してきたと言及できるのは喜ばしい。」

 「そこで、温室効果ガス低減制度の構築にあたっては各国がこれらの諸原則を一層実地に移すこと、そして先進国と発展途上国との違いを認識することを、中国はICAOとIMOの加盟国に強く勧奨する。我々はまた、前述の地域及び国家群が多国間の交渉及び協議の場に戻って、気候変動に取り組むための主要な枠組みであるUNFCCCの優位性に十分な敬意を払い、国際航空輸送と国際海上輸送の持続可能な発展を損なうような行いは慎むよう要求する。」

 ICAO総会決議にCBDR原則が含まれることは特筆すべきだが、その後、欧州の諸国家や米国を含めた先進国から提出された留保によって拒否された(記事を参照のこと。)。

 David Cameron首相が率いる、かつてない規模の英国貿易使節団が中国へ出発するため、英国もまた欧州委員会の空域提案に反対の立場であることを示唆し、少なくとも2016年までは2013年に採用した『時計を止める』扱いを延長することを望んでいる。というのも、国際的な反対や起こりうる報復に直面することを英国は望まないからだ。

 「航空に関するEU ETSの現在の交渉に関して英国の目標は、航空排出物に関する市場に基づく国際対策について2016年での合意を促すことを期待して、高水準で順守を達成し、国際的な報復の危険性を避けるような範囲で、加盟国が次の4月までに欧州議会との合意を達成することである。」と英国のエネルギー・気候変動省(DECC)の広報担当者がGreenAir誌に語った。

 「欧州経済地域内のフライトをEU ETSの規制対象にする(すなわち、2013年の欧州委員会提案の延長)という範囲が、この目的達成のためには最良の策かと我々は現在考えている。」

 「明確な時間的制約にもかかわらず、交渉はいまだ比較的初期の段階にあり、我々はこの件について他の加盟国及び欧州議会議員らと、これから何日、何週もの間、許容可能な妥協点を探すという目的で話し合うことになるだろう。」

 これまでのところ公式なコメントは無いが、フランスとドイツは英国の立場を支持すると見られている。3カ国はエアバス社の主要な出資国であり、エアバス社の航空機購入を保留するという中国の脅しに遭い、欧州委員会に圧力をかけて2012年にEU ETSの完全施行を止めさせたと言われており、その結果、2013年のICAO総会の結果が出るまで1年間の『時計を止める(STC)』適用制限を行うこととなった。

 STCの下では、EEA内のフライトからの排出物のみがEU ETSの規制対象となる。中国とインドのエアラインがEEA内で飛行を行うと見られるが、2カ国はEU ETS指令を順守しようとする態度をこれまでのところ見せていない。先週、航空関連のEU ETSに関する欧州議会の報告責任者のPeter Liese氏は、中国やインドのような第三国が欧州連合内で運航する場合にSTC規制に従うことさえ拒否することは、彼と欧州議会にとって許し難いことだと述べた。

 欧州連合理事会と欧州議会が代表する、EU加盟国内の対立は現在まだその全容を表していない。立法化のための時間はすでにかなり限られており、航空輸送産業や他の利害関係者と新たな協議を行い、欧州委員会の新しい提案は正式なものにしなければならない。欧州のエアラインとNGOsは、たとえ2016年までの延長としてもSTCの継続には満足しそうもない。何千何万というビジネスジェットの運航者は、いわゆる「小規模排出者」として現在はSTCの下で規制対象になっているが、今度の欧州委員会提案の下ではEU ETSの規制対象外となる予定であり、これについても決定がされねばならないだろう。新しい法律が4月までに施行されない場合には、EEA空港を離発着する全フライトを規制対象とするEU ETS指令の完全施行に自動的に戻ることになる。

 幾らかの修正がなされるなら、第三国を離発着するフライトの排出物も含めた、EEA空域内の排出物に、EU ETSの規制対象を制限するという欧州委員会の提案をLiese氏は概して支持している(記事を参照のこと)。

 彼曰く、STCが欧州のエアラインと空港の競合状態に悪影響を及ぼしているとうことであり、以下を付け加えた。:「単純に『時計を止める』のを延長したのでは、欧州連合の無条件降伏ととられかねない。国際レベルでの進展があるなら、主に欧州連合による圧力を通じてであり、我々は自らの誓約にこだわる必要がある。」

リンク:

米国運輸長官宛ての米国下院運輸委員会の書簡

SBSTA39へのICAOとIMOの報告

SBSTA39での中国によるICAOとIMOへの割り込み発言

海外情報紹介 Airways New Zealandが、ASPIRE計画下で環境に優しい新規のアジア・太平洋ルートを7ルート開発

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1805

 2014年1月6日月曜日−7本の「環境に優しい航空路」が、ASPIRE(Asia and South Pacific Initiative to Reduce Emissions・排出物低減のためのアジアと南太平洋の取り組み)計画の下で、ニュージーランドとアメリカ合衆国やシンガポールの空港との間に導入された。ASPIRE-Daily City Pairsは環境影響低減のための最良の実践手順を使用しているとIATAが認証した毎日の飛行ルートである。航空ナビゲーションプロバイダー(ANSP)であるAirways New Zealandが開発した新規ルートは、オークランド−シンガポール往復;クライストチャーチ−シンガポール往復;ロサンジェルス−オークランド往復;そしてサンフランシスコ−オークランドである。ANSPは現在、南太平洋の航空交通による環境影響を減らす目的でAirports FijiのASPIREへの参加を支援しているところである。
 ASPIREの他の協力機関としてはAirservices Australia、米国連邦航空局、日本の航空局、シンガポール民間航空局(CAAS)そしてAeroThaiがある。

 追加された2都市間ルートはAirways New ZealandとそのASPIRE協力機関である米国連邦航空局、Airservices AustraliaとCAASが、ニュージーランド航空及びシンガポール航空と共に何ヶ月もの間開発作業に携わった結果であった、とAirwaysのCEOであるEd Sims氏が報告した。

 「航空会社である我々の協力者は、これらの新しい『環境に優しい』ルート開発に重要な役割を果たした。」とSims氏は言った。「ルート上の、ゲートからゲートまでの、航空交通管制に関して、排出物を減らして燃料節約を可能にする、環境に最良の実践を彼等に供給できたことを我々は誇らしく思う。」

 AirwaysにはIATAの検証以前にASPIRE-Daily City Pairとしてオークランド−サンフランシスコルートがあり、2008年の早い時期に計画が開始されてから合わせると全部で8ルートになる。2011年2月にオークランド−サンフランシスコのASPIRE-Daily City Pairが開始される前に、ニュージランド、オーストラリアそして米国をつなぐ一連のデモフライトが、広範囲のデータ収集と性能モデリング実施の目的で行われた(記事を参照のこと)。

 IATAは、都市の各組み合わせに対して三つ星から五つ星のランク付けを行い、そのルートによる環境保全上の利点のレベルを示した。新規の7つの2都市間ルートのうちの5つが四つ星レベルで、シンガポールルート2つが現在三つ星レベルを達成している。

 AirwaysはASPIREの年次会合を4月に、ニュージーランドのクイーンズタウンで主催することになっている。


リンク:
Airways New Zealand
ASPIRE