海外情報紹介 法的圧力とNGOの圧力にさらされて、米国環境保護庁は航空機排出物に向けた国内規制プロセスを開始

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1978

2014年9月15日月曜日−何年もの間環境団体から圧力をかけられ、米国の環境保護庁(EPA)は航空機の温暖化ガス排出物(GHGs)に向けた国内規制プロセスを開始した。このプロセスの下で、EPAは航空機のGHGsが公衆衛生または福祉を危険にさらす大気汚染の原因となる、或いはそれに寄与するかどうかの決定を行い、2015年4月遅くまでに結論を公開する予定である。ICAOの環境保護委員会(CAEP)宛の文書で、EPAは現在のスケジュールでは、2016年春に最終的決定を公表する予定であると述べている。EPAとFAA(米国連邦航空局)は現在CAEPで、2016年2月の合意を見込んでいる航空機用CO2国際排出基準確立のための作業を行っている。GHG排出物対策についてEPAの取り組み不足をとらえて訴訟を起こすと脅していた米国のNGOはEPAのこの動きを歓迎した。
危険性の認定と同時に、CAEPのGHG低減の取り組みと航空機の国際CO2排出基準の制定におけるICAOの進展の概要を提供するため、規則作成先行公示(ANPRM)を公表するとEPAは述べている。

「航空機のGHG排出物が公衆衛生及びまたは福祉を危険にさらす大気汚染の原因である、またはそれに寄与するとEPAが理解すれば、これらの基準を国内で実施するために大気汚染防止法を用いる可能性、パブリックコメントを求めるための透明性と好機が保証されるだろう。」とEPAの文書に書かれている。

EPAは行動しなければならないという連邦判事の決定を3年前に確保しているので、今からわずか一ヶ月前、米国の3つのNGOがEPAに「航空機の温室効果ガス汚染低減をし損ねている」(記事を参照のこと。)と訴えるつもりであると通知した。

EPAの文書では「利害関係者と法的審理の進行による国内の圧力」を認め、2007年12月に受け取った請願と、危険性の認定を行うよう大気汚染防止法は要求しているという2010年の訴訟判決に応えて、法制化過程を開始していると述べている。

環境保護団体である生物学的多様性センターによれば、この現在進行中のプロセスでは国際的活動と関わりなく、EPAの国内での活動を要求している。

「我々の気候への危険な脅威である、エアライン産業の巨大な、増加の一途にある温室効果ガス汚染削減のための第一歩を、EPAがやっと踏み出したと我々は喜んでいる。」とセンターの気候法研究所の上席弁護士であるVera Pardee女史は述べた。「20年近くもの無策の後、2016年までに意味のある炭素排出基準を国際社会が公表できるかどうか我々にはわからない。しかし、国際的な動きの遅さにかかわらず、EPAは行動しなければならない、そうするということはいいニュースである。この現実が、世界初の法的強制力のある航空機気候変動条約実現につながる可能性さえある。」

地球の友のアナリストであるJohn Kaltenstein氏は付け加えた。「EPAの行動は我々を航空産業の炭素排出と取り組むための正しい方向に向かわせる。これまで航空産業はレーダーの下を飛んでいたので精査を受けてこなかった。かなりの作業がEPAの前途にはあるが、実質的効果のある解決策がEPAにあれば、またはこの取り組みが実質以上の効果を上げれば、事態の前進を目にすることになろう。」

リンク:
EPA−航空機の温室効果ガス排出物
生物学的多様性センター
地球の友
国際民間航空機関 環境保護委員会(ICAO CAEP)

海外情報紹介 航空部門は燃料効率改善と炭素排出安定化のために行動すると、ICAOの理事会議長が国連の気候サミットでスピーチ

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1986

 2014年9月24日水曜日−昨日、国連の気候サミットでニューヨークに世界の指導者らが集い、ICAO理事会議長であるOlumuyiwa Benard Aliu博士は、航空部門をまとめることが、航空輸送の燃料効率改善を継続し2020年からのCO2排出総量を安定化させるための対策を講じることになると述べた。航空部門全体の排出物削減のためにすでに取りかかっている作業の拡大を目的とした、ICAOと航空産業の間の気候変動対策に関する声明を発表した。共同の行動声明と行動計画が、サミットにおいてICAO、及び航空産業を縦断する組織である航空輸送活動グループ(ATAG)から公表された。その一方で、今回のサミットを際立たせるために、ヘルシンキからニューヨークまでエアバスA330を使用した民間飛行便を、使用済み料理油の再利用で製造した環境に優しいバイオ燃料をSkyNRG Nordic社の供給によりフィンエアーが使用して運航した。

海外情報紹介 航空機騒音コンター内の新規住宅建設は政府が制限しなければならないと英国空港運営者らが主張

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1985

2014年9月24日水曜日−英国の航空政策と計画政策の間に一貫性がなく、過去3年間に英国の18の大規模空港の騒音コンター内で5,700軒の家屋が新築されるかまたは建築許可が下りるという事態に至ったと、英国空港運営者協会(AOA)の最近の報告で述べられている。待望の家屋新築計画プロセスの簡素化という好意的な政策により、航空機騒音によって住民の生活が妨害される懸念のある地域の開発まで土地開発業者に許されることになったとAOAが述べている。地方自治体は騒音コンターをいかに解釈すべきか、そして空港と地域開発の必要性との調和を地方自治体はいかに行うべきかに関して、国の計画指針を再適用するようAOAは政府に対し要求している。AOAの報告書「サステナブルな空港」は、英国の空港がいかに炭素排出を減少させ、騒音を管理しているかを説明し、この業界団体は政府に対して大気汚染対策と騒音防止対策の両分野でのさらなる支援を要請している。 「この報告書は炭素と騒音の影響を拡大することなく航空部門をうまく拡大できるかどうかについての議論に対する重要な提案である。」とAOAの会長であるDarren Caplan氏は語った。「英国が健全であるためには重要な存在である空港は、環境と調和して成長でき、適切な政策支援があればさらに一層の成長が可能であるとこの報告書は説明している。」

英国航空産業の「サステナブルな航空」の取り組みが実施した調査を使ってこの報告書は、最も高い航空機騒音レベルにさらされる政府指定の57 Leq騒音コンターの総面積は、英国の主要6空港において1998年の409.6平方キロメートルから2010年には225.6平方キロメートルまで約45%縮小したと述べている。しかしAOAによれば、空港だけでこれらの地域に居住する住民の数を減らすことは不可能である。

政府が計画政策見直しで航空機騒音指針を撤廃したことと相まって、英国における住宅供給の深刻な必要性が、新築住宅や他にも騒音の影響を受けやすい建物の建設を空港に近接する地域において、いくつかの地方自治体が開発業者に許すことにつながっているとAOAは指摘している。さらに、5,761軒の新築家屋に十分な防音対策がされている、またはそこに越してくる住民にあらかじめその家屋が空港の騒音コンター内にあると告知しているという証拠はほとんど無いとAOAは付け加えている。

「政府の政策が空港に対し、騒音コンター内の住民数を制限して減らすように要求しているなかで、数千世帯の家族を開発業者がこの騒音コンター内に新たに送り込むのを政府は許すべきではない。」とAOAは述べている。

航空部門の炭素排出量のうちで空港が係わっているのはわずかな割合であるとしても、空港業務の運用から直接管理して排出物を削減することや、その他の航空産業の排出物削減実現を助けることによって空港が役割を果たすことは可能だと報告書は述べている。報告書では2010年から約3%、英国の18の大規模空港の累積カーボンフットプリントが縮小し、一方では旅客数が5%増えていることに注目している。AOAは空港が3つの重要な面において、炭素削減を行ったことを取り上げている。すなわち、陸上輸送アクセスの改善、エネルギー効率のよりよい建物とその実践的利用、よりクリーンなエネルギーの航空機への提供である。

航空部門でさらに大量の炭素削減を達成するための支援として、AOAは投資、研究開発や商業化を奨励するインセンティブをもった仕組みを政府が提供してサステナブルな航空燃料開発を支援すること、そして世界規模の炭素取引制度の国際的合意を政府が強く求めることを要請している。AOAはまた、ACIの空港カーボン認証制度第2ステージ:削減未達成の英国の空港は、炭素排出の削減と監視のためのプログラムに貢献すべきと提言している。

「この報告書は、カーボンフットプリントを減らすために空港が規約を守り、投資し、新技術を導入し、産業の連携を通じて騒音削減のための作業をしていることを明らかにしている。」とCaplan氏は語った。「我々は今、サステナブルな空港開発を次の段階に進ませるため政府とともに共同で取り組むことを説明する必要がある。よく考え、支援政策をしようという考えをもつように我々は大臣らに対して申し上げている。」

この報告書に応えて、航空環境連合の副理事であるCait Hewitt氏は語った。「航空機騒音に影響される地域に住宅供給を許可したことでAOAは政府と地方自治体を責めている。しかし、航空産業はよく航空機騒音は低下していると主張しており、自治体は現実の住宅供給不足問題に対応しなければならないのだから、これは恐らく避けがたいのだろう。ヒースロー空港とガトウィック空港の両空港ではサウス・イースト・イングランドの空港拡張は予定から消えたと、地方自治体が2010年に連立政権に信じさせられたので、自治体の住宅供給計画はこれをきっと反映したものになっている。」

リンク:
AOAの「サステナブルな空港」報告書(1.6mb PDF)

海外情報紹介 英国の空港拡張計画:3つの選択肢とは?

原記事:
http://www.bbc.com/news/uk-19570653

2014年9月2日 最終更新15:08

ロンドン市長であるBoris Johnson氏が提唱するテームズ河口空港案は検討候補から外され、英国の空港容量拡大のための選択肢は3つとなった。最終的に残るのはどの選択肢だろうか。

航空旅行の需要が急激に伸びているため、政治家、財界首脳や航空の専門家らの中には、英国の空港容量の拡張の緊急な必要性を唱える者がいる。

英国の空港委員会は2030年までにサウス・イースト・イングランドでもう1本滑走路が必要だと述べている。
空港委員会は以下の3つの選択肢を候補に挙げた。:

海外情報紹介 中国の1人あたりの炭素排出量はEUのそれを上回る

原記事:
http://www.bbc.com/news/science-environment-29239194

2014年9月21日 最終更新17:42
BBCニュースの環境担当記者Matt McGrath氏による記事、ニューヨークにて

炭素排出に関する新しいデータが、中国の人口1人当たりの排出量がEUを初めて上回ったことを示している。

研究者らによれば、インドもまた2019年には欧州のCO2生産量を超える見込みである。

科学者らによると、世界の総量は速い速度で増え続けており、30年以内に気候変動の危険な限界を超える可能性がある。

世界はすでに温暖化ガス排出目標の3分の2まで排出してしまったため、目標の2゜Cを超えるだろうと研究者らは計算している。
グローバル・カーボン・プロジェクトには世界の研究機関から研究者が参加し、年間排出量規模についての具体的な詳細を提供している。

最新データは、2013年に排出された人為的排出源による炭素量が360億トンを記録したことを示している。

世界の総排出量における上位10カ国の2013年の排出割合

中国       29%

米国       15%

欧州連合     10%

インド      7.1%

ロシア連邦    5.3%

日本       3.7%
 
ドイツ      2.2%

韓国       1.8%

イラン      1.8%

サウジアラビア  1.5%


最も排出量が多かったのは中国で、全体の29%を占め、次に米国の15%、欧州連合の10%、インドの7.1%と続く。

しかし、興味深い展開として、中国の人口1人当たりの排出量が初めて欧州連合のそれを超えた。

世界全体の1人当たりの二酸化炭素排出量平均が5トンなのに対し、欧州連合が6.8トンであるのに中国は今や1人当たり7.2トンの生産量である。それでも米国は1人当たり16.5トンなのでまだはるかに多い。

「中国の1人当たりの排出量が今やEUを超えたことがわかる。」とこの調査に関わったノルウェーの国際気候環境研究センターのRobbie Andrew博士は語った。

「いまだに米国やオーストラリアには遠く及ばないが、中国がEUを抜いたという事実は多くの人々を大いに驚かす。」

将来が過去を脅かす
中国がしばしば自国の一人当たりの排出量が比較的少ないことを理由に、他の発展途上国と中国は同じ考えであり、炭素の使用を制限するのは不当であると主張してきた国際気候交渉の場において、この展開は興味深い光が当てられる。

過去20年間においては中国の産業化の速度が速かったために、主に石炭火力発電所がかなりの数建設されることになった。

この積み重ねにより中国が将来関与する排出量は、現在までに排出した総排出量を上回ることになる。

カーボン・プロジェクトにも係わりのある、East Anglia大学のCorinne Le Quere教授は、中国の排出物のかなりの部分は欧州や米国の消費者の需要に後押しされていると述べた。

「中国における排出物の約20%が洋服や家具生産のためで、太陽電池パネルも欧州や米国に輸出されてしまっている。」

「それを考えに入れて欧州の排出量を見直すと、これら欧州外で製造している商品を計算に入れると30%は排出量が上乗せになるだろう。」

他に排出量の大幅な増大が見られるのはインドである。インドでは2013年に炭素排出量が5.1%増大し、2019年にはEUを上回る見込みである。

「インドには大きな問題がある。現在の政府が排出物問題を次々に解決できれば大きな成果が上がるだろう。」とAndrew博士は語った。

「あの国には取り組むべき問題が山積みなので、排出を減らせという要求は大きな負担になる。」

2014年は、排出量が1990年のレベルを65%上回る400億トンに届く勢いで、炭素排出量は再び記録を更新する量になりそうである。

最近の排出量上昇は、炭素指標の増加が特に発展途上世界において予測より少なかったのとを合わせると、世界的に経済が回復しているためであると、関連する研究者らは言っている。

将来の炭素総排出量が3兆2000億トン以内に納まるならば、世界の温暖化を目標2゜C以内に抑えられる見込みは十分あると科学者らは算出してきた。

世界に残された排出量は約1兆2000億トンであるが、最近のデータによれば、現状では目標2゜Cを下回る可能性は低くなりつつある。

「世界の排出量は予想を超えた速度で増大し続けている。」と Le Quere博士は語った。

「およそ30年後には、残りの排出量に急速に近づき、2゜C以内にとどまる可能性は66%にまで減ることになるだろう。」

石油、ガス、石炭の現在の埋蔵量は目標2゜Cを超えてしまう量であると研究者らは述べている。Le Quere教授はこの内容が政治家らにはまだ理解されていないと述べている。

「これらの燃料すべてを燃やし尽くすことは出来ないということをまだ我々は受け入れていないし、必要な行動規模がまだ十分に理解されてはいない。」

各国及び政府の首脳125名が気候変動について討論するため、ニューヨークの国連本部で会合を持つことになっており、新しい研究が公表される。

次週国連に来てこの問題に取り組むという約束を交わすよう、国連の事務総長は世界のリーダーらに依頼した。

この会合によって、2015年終わりにパリで合意を得る予定の新しい世界協定に至るプロセスが開始されることになる。科学者によれば、もし世界が目標2゜Cを破るのを防ぐつもりなら、政治家にはその目標にたどりつくまでにまだ長い道のりがある。

「中国とインドは他の国家と全く同じことをしている。」とLe Quere教授は語った。

「豊かな国は他国が発展するためにいろいろと異なる方法を用いることができるように、エネルギーの使い方においてリーダーシップを示す必要があると私は心から思う。現在のところそれを率先して行う国がないように見える。」

世界のカーボンプロジェクトをテーマにする調査の詳細は Nature Climate Change誌や Nature Geoscience誌で公表されている。

海外情報紹介 1984年以降で今の温室効果ガスレベル上昇が最大になっている。

原記事:
http://www.bbc.com/news/science-environment-29115845

2014年9月9日 最終更新02:09
BBCニュースの環境問題担当記者Matt McGrath氏による記事
新しいデータによれば、大気中のCO2濃度の急上昇で2013年の温室効果ガスのレベルが記録的値に達した。

1984年以降の記録の中では、2012年から2013年までの大気中の二酸化炭素濃度上昇率が最も高い。

それにより国際的気候条約の必要性が高まると世界気象機関(WMO)は述べている。

しかし、英国のエネルギー大臣であるEd Davey氏は、そのような協定には、これまでのことから考えると法的拘束力を持つ排出物削減目標が無いのではないかと述べた。

WMOが年1回発行する温室効果ガス報告書では、発電所の煙突から排出される排出物の測定を実施していないが、その代わりに大気と地表と海洋の間で起きる複雑な相互作用の後でどれだけの温暖化ガスが大気中に残っているかを記録に残している。

全排出物の約半分が海や樹木、生物にとりこまれる。

報告書によれば、大気中の二酸化炭素の世界的平均値は2013年に396ppmに達し、前年よりほぼ3ppm上昇している。

「温室効果ガス報告書によれば、濃度低下とはほど遠く、大気中の二酸化炭素濃度は実質的には約30年間で最も高い上昇率で前年を上回った。」とWMOの事務局長であるMichel Jarraud氏は語った。

大気中のCO2濃度は現在、産業革命開始以前の1750年のレベルの142%である。

「一層心配なこと」
報告書が示唆するのは2013年のCO2上昇は排出量の増大だけでなく地球の生物圏による炭素取り込みの減少のせいでもある。

WMOの科学者らはこの進み具合に戸惑っている。生物圏による炭素吸収能力の低下が前回見られたのは1998年で、世界的に広範囲のバイオマス燃焼があり、エルニーニョ現象も重なった年だった。

「2013年では生物圏への明らかな影響が無かったので、一層心配である。」とWMOの大気研究部門主査のOksana Tarasova女史は語った。

「この現象が一時的なものなのか我々にはわからないし、もし恒常的な現象なら我々は少し心配です。」

「生物圏ではこれが限界であると言えるかもしれませんが、現時点では明言できません。」

WMOのデータによれば、1990年と2013年の間に気候への温暖化影響が34%増大したが、その理由は二酸化炭素や他のガスすなわちメタンや亜酸化窒素が長期間に大気中に残ったからである。

しかし、CO2が上昇し続けているのにそれに対応した世界の平均温度上昇がないため、多くの研究者らは地球温暖化が休止していると主張している。

「気候システムは線形ではなく単純でもない。必ずしも大気中の温度に反映されるわけではないが、海の温度変動状況を調査すると、熱は海洋に取り込まれているとわかる。」とOksana Tarasova女史は語った。

報告書には二酸化炭素が原因の海の酸性化に関するデータが初めて載っている。

WMOによれば毎日、人間一人あたり4kgのCO2を海が取り込んでいる。現在の酸性化の度合いは過去3億年の歴史を超えたかつてないレベルだとWMOの研究者らは考えている。

大気と海の兆候が、この問題に取り組むための早急の集中した政治活動の必要性があるとMichel Jarraud氏は語っている。

「我々は知恵を持っており、温度上昇を2C以内に収めることを目的とした対策のための手段を持っている。それによって我々の地球にそのチャンスを与え、我々の子孫に未来を与えることになる。」と彼は述べた。

「知らないという言いのがれは、もはや行動しないという言い訳には使えない。」

パリに至る道
世界の政治指導者らは9月23日に、国連事務総長である潘 基文氏が招集した特別サミットのためにニューヨークに集う予定である。

希望としては、2015年の終わりまでに国際的な新気候変動対策を作るとして、長く続いている交渉にこの会議が弾みをつけることである。

この協定の厳密な法的なところが、まだ継続した議論の課題になっている。

英国の気象幹事長であるEd Davey氏は、パリで来年最終合意を得る予定の協定の成立に向けて、英国政府のこれからの予定についての概要を説明した。

その協定に「法的拘束力」がある必要性を強調しながら、Davey氏は、協定の条項が適用されない可能性がある排出物削減のための現実的な目標を説明した。

「我々は、協定の根底には法的拘束力がなければならないと確信しており、そうだとすればどのようなものであろうか? それは規定だろう。測定方法や監視方法そして検証やその他を含む規定だろう。」

「目標に法的拘束力がある方が我々としては望ましいが、すでに英国には法的拘束力のある目標があり、EUにはさらに強力な法的拘束力を持つ目標が必要だと主張するつもりだが、他の国にとってはそれは少し困難なことだとは分かっている。」

「何らかの法的拘束力を持たせるために多くの支援が得られると思うが、その支援が得られるところまでが交渉の範囲だろう。」

Davey氏はパリでの協定は地球温暖化の影響を制限する助けとはならないであろうが、世界中で炭素排出の少ないエネルギー製造へ大きく移行するきっかけにはなるであろうと強調した。

海外情報紹介 APU(補助動力装置)を燃料電池で置き換える技術の実現可能性調査でエアバスが南アフリカのプロジェクトに参加

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1977

2014年9月3日水曜日−化石燃料をエネルギー源として駆動する代わりに、燃料電池技術を代替エネルギー源として民間旅客機で使うための3年間の研究プロジェクトが、南アフリカで進行中である。エアバスと南アフリカ国立航空宇宙センターが共同出資し、ウェスタンケープ大学にあるHydrogen South Africa (HySA)の研究施設内のシステム共同センターで研究が行われることになっている。航空機が地上にある時に機内電力と暖房を供給する小型ガスタービンエンジンである補助動力装置(APU)の将来の代替品として、エアバス社は排ガスの出ない水素燃料電池を考えていると述べている。燃料電池を使用して個々の非常用電源装置に電力供給することを含め、エアバス社は試験飛行をすでに実施済みで、現在、多機能燃料電池による電力系統の完全な置き換えを可能にする技術の開発を行っているところである。
航空旅行の需要は15年毎に倍増し、2032年までに新型の民間航空機が約30,000機必要になるだろうとエアバス社は述べている。1950年代以降では、ほぼすべての旅客機が胴体後部のテイル・コーン部内にAPUを備え付けた設計で建造されている。

燃料電池はまた、航空機の総重量の軽量化及び、飛行中の燃料燃焼の削減と炭素排出の削減に貢献する。副産物として、水素燃料電池は航空機独自の水供給を可能にし、航空機の燃料タンクの可燃性レベルを引き下げるために使用する不活性ガスを生成することが可能であることから安全性向上にも貢献し、貨物室の火災を鎮火するのに役立つ。重量のあるバッテリー及び従来型燃料タンクの不活化システムとの置き換えが可能かもしれない。

このプロジェクトは大学院レベルで実施され、燃料電池の性能に影響を及ぼす要因を特定し、経年劣化やモニタリング及び航空機に装備するための実用的な検討が行われる。

HySAは2007年に開始された15年間のプログラムで、水素と燃料電池技術の分野における南アフリカの研究能力向上を目的としている。HySA能力センターは3カ所あり、南アフリカの一流大学と学術審議会が運営している。

研究を行うかたわらで、HySAは小型の地上車用水素燃料電池も製造し、ほとんどの重要部品の大量生産が可能である。エアバス社の広報担当の説明によれば、HySAの強みは地元で採鉱される必要材料、特に燃料電池に触媒能をもたらす白金族金属と鉱物砂の利用が比較的容易であることである。

「陸上車用燃料電池技術が急速に成熟したとはいえ、エアバス社と国立航空宇宙センターとの新しい研究が目指すものは、商用ジェット旅客機の運航による苛酷で急激に変化する気候状況や環境条件にありながら、いかにして水素燃料電池に航空機の耐用年数を超える性能を持たせるかの理解を得ることである。」とHySAシステムの指導者であるBruno Pollet教授は語った。

政府、企業、大学や研究機関と共に、地域でも国際的にも研究及び技術開発を行うことで南アフリカの航空宇宙部門での競争力を高めるため、Witwaterstrand大学が主体となって国立航空宇宙センターが2006年に設立された。

責任者のPhilip Haupt氏は、水素燃料電池技術は航空宇宙部門のこれまでの開発の流れを変える「切り札」になるはずだと述べた。「このプロジェクトで南アフリカの航空宇宙分野の専門技術を世界に知らしめることになる。」と彼は述べた。「さらに、水素燃料電池技術の理解と発展を進めるプロジェクトを率いることで、南アフリカは自国の先進的製造業部門を主要産業に位置づけ、需要が出てきた時には有利な位置にいることができる。」

エアバス社にとって、このプロジェクトは2006年に開始された南アフリカ研究技術構想の最新形であり、南アフリカの大学や研究機関のいくつかとの共同作業が含まれている。

リンク:

エアバス社−燃料電池
HySA Systems
国立航空宇宙センター

※なお、原記事には機内の個々の非常時用システムに電力供給するためにエアバス社が初期の飛行試験で使用した燃料電池スタックの写真や、旅客機のテイルコーンにある従来のAPUのタービンの代わりに水素燃料電池を設置した図が載っています。

海外情報紹介 オークランド空港の協力企業とテナントが、3年間250万ドルの意欲的エネルギー節減計画を開始

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1971

2014年8月28日木曜日−ターミナルビルと広域商業地域で100社を超えるテナント企業が協力してエネルギーの測定と管理を行う3年間のプロジェクトに、オークランド空港は300万ニュージーランドドル(米ドルで250万ドル)を超える金額を投資する予定である。このプログラムは200万ニュージーランドドルを超える金額に相当する一般家庭750軒分の年間電力である6GWh(ギガワット時)のエネルギーを節約しようとするものであり、年間約1,000トンの炭素排出を削減しようとするものである。第1段階では、商業地域におけるエネルギー使用量と節減可能性を特定する助けとしてエネルギー監視システムを設置することになるだろう。このプログラムは、大規模商業家主とそのテナント間でのこの種の協力作業としてはニュージーランドにおける最初のものであり、ニュージーランドのエネルギー効率保全局(EECA)が支援している。

またこの空港は、事務所用ビルのエネルギー効率をNABERSNZ制度の格付け内におさまるよう取り組んできたので、ビルのエネルギー性能とは別に検証されるだろう。

「効率的かつ活発でサステナブルな将来の空港創造のため、過去数年に渡って取り組んだ優れたエネルギー効率化作業の発展を可能にする、企業にとってはエキサイティングな時期にいる。」とオークランド空港の社長であるAdrian Littlewood氏は語った。「この実行のため、空港ハブ、我々の空港商業地域そして成長する空港地域社会を超えて、我々は関心を広げる必要がある。我々は参加し、教育し、組織を変化することが必要である。」

EECAの局長であるMike Underhill氏は付け加えた。:「オークランド空港は国家戦略資源であり、ニュージーランドで最も重要な商業用不動産の所有者の一つでもある。ターミナルビルのエネルギー使用はすでにかなり改善されているが、今回のプログラムはテナントと積極的な協力関係を持って取り組むことで、新しい境地を開くものである。」

空港は、プロジェクト成果となるガイダンス作成の支援を行い、これをメンバー事業者へ伝えるサステナブル事業協議会のメンバーの1つである。

リンク:
オークランド空港−エネルギーと燃料の効率
エネルギー効率保全局
NABERSNZ(※訳注)
サステナブル事業協議会

※訳注:「NABERSNZ」とは、ニュージーランドのオフィスビルのエネルギー効率を測定し、改善するための格付け制度。

海外情報紹介 地球温暖化の減速がもう10年続く可能性

原記事:
http://www.bbc.com/news/science-environment-28870988

2014年8月21日最終更新18:45
BBCニュースの環境担当記者Matt McGrath氏による記事

新しい研究によれば、世界の温度上昇の休止はもう10年続く可能性がある。

大気中のCO2濃度は変わらず上昇を続けているにもかかわらず、1999年から気温上昇がいわゆる小休止している理由を科学者らは何とかして説明しようとしてきた。

最新の理論では、大西洋の30年周期で現れる自然現象が減速の背後にあるとのことだ。

研究者の意見によると、この速度の遅い流れがもう10年間、熱を深海へそらし続ける可能性がある。

しかし、この周期が温暖化に切り替わった時、世界の温度は急速に上昇しかねないと彼等は警告している。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によれば、1998年と2012年の間は世界の平均気温は10年毎に約0.05℃上昇してきた。

これは1951年と2012年の間の10年平均値の0.12と比較される。

二酸化炭素排出量が記録的に高い一方でのこの温度上昇における小休止の理由付けとして、1ダースを超える理論が提案されてきた。

これらの考えの中には太陽の熱を部分的に宇宙へ反射してきたすす粒子のような大気汚染物質の影響を扱う理論もある。

太陽活動の変化もだが、2000年から活発になった火山活動のせいとする理論もあった。

最新の視点では、海が熱消失の場所であると考えている。

太平洋での冷たい水の周期的な湧昇が気温上昇を抑えていると、ある研究が去年示唆した。

しかしサイエンス誌で公表された今回の最新研究では、調査の焦点を太平洋から大西洋と南洋に移した。

米国のワシントン大学のKa-Kit Tung教授が率いるチームは、30年周期で大量の熱を深海へと引き込むことで海流が世界を交互に暖めたり冷やしたりするという証拠が見つかったと言っている。

彼等は2,000メートルの深海までサンプル採取を行う、アルゴフロートという名称の装置ネットワークの観測結果を使用した。

氷河期の脅威
研究者によれば1945年と1975年の間に別の休止があり、これも海流が熱を深海へ引き込んだせいだが、このことが新しい氷河期の恐れをもたらした。

1976年からは周期が反転して世界の温暖化に貢献し、より多くの熱が地球の表面にとどまった。

しかし、2000年以来、熱は深海の底深くに引き込まれ、世界全体の温度は1998年に記録された温度を超えていない。

「そのフロートはとてもよく状況を明らかにしてくれる。」とTung教授は言った。

「現時点で意見の一致することは、大西洋と南洋の700メートルより深い深海では熱を蓄積していて、太平洋ではそうではないということだと私は思う。」

この新しい解釈の重要な要素は、海水の塩分含有量である。熱帯から流れ込む大西洋の海流の海水は蒸発作用のために塩分含有量が多い。この海水が沈み込む速度は速く、熱も一緒に深海へ運んでゆく。

それでも最終的には、塩分の多い海水は北極圏の海水に十分な氷を溶かし込んで塩分濃度を下げ、海流の速度が減速化して熱を地球の表面にとどまらせる。

「2006年以前は塩分濃度が上昇し、このことは当時の海流の速度増加を意味した。」とTung教授は語った。

「2006年以降は、この塩分濃度が低くなったが、それでも長期間の平均をまだ上回っている。現在海流の速度はゆっくりと減速している。」

「ひとたび長期平均を下回れば、今度は次の急速な温暖化期間がやってくる。」

アルゴフロートからのデータと同様に、Tung教授は過去350年分のデータがある、英国温度センターの記録も調べた。このデータが定期的な70年周期の温暖化と寒冷化を裏付けると彼は信じている。

この歴史的パターンが現在の小休止期間を延長する可能性があると彼は述べた。

「恐らくもう10年現在の状況が続くか、地球温暖化自体はより多くの氷を溶かしていて氷が北大西洋にあふれる可能性があるので、期間的には短くなるかもしれないが、歴史的には我々は周期の真ん中にいる。」

上昇する温暖化の階段
小休止への大西洋の関与を示唆する証拠が増えているうち、Tung氏の分析はその一つであるとこの分野の他の幾人かの研究者は認識している。

ETH Zurich大学のReto Knutti教授は最近、この休止に関するすべての理論の総説を出版した。

「これらの研究は補完的なものだと私は考えており、それらは双方が海洋と大気の元来の変動性が、長期の人為改変の傾向を変化させるのに重要であると強調している。」

「変動性のこれらの状態をよく理解することが、特に近い将来の予測、そして温室効果ガスがもたらした変化よりも変動性が優位に立つような地域における将来予測のため、そして過去の変化(休止期間中の予測モデルと観察の間の差異を含めて)の理解のために重要である。」

他の科学者らは、大西洋仮説は興味深いがもっと長期間の観察が必要だと言っている。

「我々には本当にあまり多くのデータが無い。」と英国のReading大学のJonathan Robson博士が語った。

「そのため、海洋にこの60年間の振幅が存在するなら、我々はまだそのすべてを観察してはいないし、根本的に我々が観察したのはその影響である。我々は何が起こっているのかを知るために15〜20年間待たねばならないかもしれない。」

休止の原因や期間がどうであれ、大西洋の海流が再び切り替わった時に明らかになる、世界の温度に起きる「昇りの階段」の上に我々はいるとTung教授は信じている。

「最後に我々は階段の昇り部分にいて、そこでの温暖化の速度は20世紀のこれまでの30年と同程度にとても速いだろうし、そもそもの出発点が高い水準からだ。気温とその影響はさらに厳しいものになるだろう。」

海外情報紹介 ポートランド国際空港がクリーン技術のバス購入のためにFAAのVALE環境助成金を受領

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1962

2014年8月11日月曜日−ポートランド国際空港は、空港ターミナルから駐車場やレンタカー施設まで空港旅客や従業員を運ぶ、圧縮天然ガスバス6台の購入費用としてFAAから$331,653の環境助成金を受けた。この助成はFAAによる空港の自発的排出物低減(VALE)プログラムを通じて得られたもので、このプログラムは大気質の環境基準が達成されていない地域にある空港の地上排出物の排出源を減らすために作られたものである。このプログラムは米国大気汚染防止法の下で空港が大気質管理の責任を果たすための支援として2005年に実施に移されたもので、FAAはこれまでに34空港で、VALEによる67の空気清浄化技術計画に資金を提供し、投資総額1億6,700万ドルのうちの1億3,300万ドルが連邦補助金で3,400万ドルが地元のマッチングファンドによるものである。
公表にあたり、今回の助成は炭素汚染削減というオバマ大統領の政策を支援するものであり、よりクリーンな代替燃料技術の展開を押し進めることになると、米国の運輸長官であるAnthony Foxx氏は述べた。「人間の健康と環境に有益な航空燃料の新技術の開発と使用の拡大という、FAAを中心にした広範囲にわたる努力に敬意を表する。」と彼は述べた。

VALEプログラムは、低公害車や燃料補給ステーションや充電ステーションの入手、ゲートの電化や他の空港関連大気質改善の目的で、空港が空港改善プログラム(AIP)基金や旅客施設使用料を使うことを認めている。米国内で商用旅客、貨物、一般航空事業をカバーする3,300を超える空港は、AIP助成を受ける資格があるとFAAは述べている。

2013年度にFAAは、8空港の8プロジェクトに総額1,700万ドルのVALE助成金を支給した。このプログラムを通じて空港は年間466トンのオゾン排出を削減したとFAAは見積もっており、これは年間26,000台の自動車とトラックを道路から取り除くことに等しい。
リンク:

FAA VALEプログラム
ポートランド港湾局−環境対策