航空機騒音コンター内の新規住宅建設は政府が制限しなければならないと英国空港運営者らが主張

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1985

2014年9月24日水曜日-英国の航空政策と計画政策の間に一貫性がなく、過去3年間に英国の18の大規模空港の騒音コンター内で5,700軒の家屋が新築されるかまたは建築許可が下りるという事態に至ったと、英国空港運営者協会(AOA)の最近の報告で述べられている。待望の家屋新築計画プロセスの簡素化という好意的な政策により、航空機騒音によって住民の生活が妨害される懸念のある地域の開発まで土地開発業者に許されることになったとAOAが述べている。地方自治体は騒音コンターをいかに解釈すべきか、そして空港と地域開発の必要性との調和を地方自治体はいかに行うべきかに関して、国の計画指針を再適用するようAOAは政府に対し要求している。AOAの報告書「サステナブルな空港」は、英国の空港がいかに炭素排出を減少させ、騒音を管理しているかを説明し、この業界団体は政府に対して大気汚染対策と騒音防止対策の両分野でのさらなる支援を要請している。

英国の空港拡張計画:3つの選択肢とは?

原記事:
http://www.bbc.com/news/uk-19570653

2014年9月2日 最終更新15:08

ロンドン市長であるBoris Johnson氏が提唱するテームズ河口空港案は検討候補から外され、英国の空港容量拡大のための選択肢は3つとなった。最終的に残るのはどの選択肢だろうか。
航空旅行の需要が急激に伸びているため、政治家、財界首脳や航空の専門家らの中には、英国の空港容量の拡張の緊急な必要性を唱える者がいる。
英国の空港委員会は2030年までにサウス・イースト・イングランドでもう1本滑走路が必要だと述べている。

海外情報紹介 インド・ケーララ州コーチン国際空港は太陽エネルギーですべての電力をまかなう世界初の空港になると主張

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2122

2015年8月26日水曜日−インドのケーララ州にあるコーチン国際空港(CIAL)が新しい12メガワットピーク(MWp)の太陽光発電所の発足の後には、太陽光発電ですべての電力をまかなう世界初の空港になると主張している。貨物施設近くの45エーカー(18ヘクタール)の土地に46,150枚のソーラーパネルを備え、既に空港に設置された他の太陽光プラントと合わせて、空港の電力需要すべてをまかなう1日あたり約50,000から60,000ユニットの電力生産が見込まれている。 CIALは2013年3月に100kWpを生産する最初の太陽熱プラントを到着ターミナルの屋根に設置し、続いて、1MWpの太陽熱プラントを航空機メンテナンス施設の屋根の上および一部は地上に設置した。一方、オーストラリアのアリス・スプリングス空港は、オーストラリア内の空港では最大規模の太陽光発電システムを完成させるため、190万オーストラリアドル(130万ドル)のプロジェクトを公表した。両空港ともに太陽光発電は空港運営のサステナブルな発展を強化するものであるとしている。

海外情報紹介 地上で聞こえる騒音を小さくするために着陸機の進入を急勾配にするヒースローの試行が開始される

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2121

2015年8月19日水曜日−英国・ロンドンのヒースロー空港は地上の住民が聞く騒音を小さくするために、着陸時の進入角度を急勾配にする試行を開始する。ICAOが設定した国際基準は大部分の空港では3度のグライドパスであるが、英国の民間航空局の承認を得た今回の試行ではタッチダウンのほぼ8海里(10マイル)手前から航空機の進入角度を3.2度にし、この角度はヒースローの滑走路の進入方式4種類すべてで使用されることになっている。2016年3月16日まで続く今回の試行では、ヒースローでの進入角度を3.5度まで上げることができるかどうか試されることになる。この試行は強制的なものではないが、必要な航行機器を搭載した多くのエアラインがこの試行に参加するとヒースローは確信している。フランクフルト空港が2012年10月に似たような試行を始めたが、結果はまだ評価中である。
導入されたなら、ヒースローは地上で聞こえる騒音を小さくするために急勾配の進入角度を取り入れた英国で唯一の空港になるだろう。ILS(計器着陸システム)の好ましいグライドパスとしてはICAOが1978年に2.5度から3度へ上げたが、障害物クリアランス要件に合わせるため3度を超えるグライドパス角を採用する約30空港が欧州にだけある。そのような空港の1つがロンドンシティ空港で、この空港ではアプローチ角が5.5度だが、ヒースローのような主要国際空港で経験されるよりも様々な型式の航空機によって使用されている。(訳注:ロンドンシティ空港で5.5度のアプローチ角が可能なのはそれができる型式のみが運航されているためなので、単純にヒースロー空港と比較するのは現状とそぐわない部分がある。)

ヒースローによれば、空港から8海里の最終進入降下開始点では航空機の高度が通常より170フィート高くなることが見込まれるが、証拠が示すように、それによって騒音が小さくなっても恩恵を被るのはわずかな数の住民であると空港は認めている。試行の期間中は移動式騒音監視装置が配備され、試行結果を後日報告書にまとめることを空港は約束した。

フランクフルト空港を運営する事業者であるフラポートの2013年の持続可能性報告書では、急勾配の進入試行の初期評価段階では、測定地点や航空機の型式によって最大騒音レベルが0.5から1.5 dB(A)までの幅で減少することがわかったと述べられている。この試行はフランクフルト空港の北西滑走路に限定して実施され、評価の一環で住民との協議が進行中であるとフラポートの広報担当者が語った。

ヒースローの今回の試行については、ヒースロー空港諮問委員会や地域社会騒音フォーラムを含めたある程度の利害関係者にはすでに概要を説明済みであるとヒースローは述べた。

ヒースロー拡張反対運動のHACANは、空港近隣地域の住民からの苦情よりも到着時の10マイルのアプローチ開始地点の東方のロンドン住民からの航空機騒音の苦情を受け取ることが増えると報告している。このグループのジョン・スチュワート氏の考えでは、空港からの距離が遠い場所に住む住民は騒音から解放されることが少ないので、低高度の航空交通流が絶えず流れることで影響を受けると予想される地域ではないところに移動する可能性がある一方、このために空港周辺住民が航空機騒音を容認する度合いが高まる可能性がある。

「南東ロンドン上空を部分的に通過する飛行機の数は多数ある可能性があり、4,000フィート以下の高度では大部分の航空機である、1時間あたり40機を超える機数をHACANでは記録している。」とスチュワート氏は語った。

「ヒースローは変わり、騒音を含めて地域社会へ及ぼす空港の影響改善に取り組むため新しい進入方式を採用した。」とヒースローの持続可能性・環境の責任者であるマット・ゴーマン氏が応じた。「我々の『騒音削減のための青写真』は地元の地域社会からの意見を原動力として、騒音を削減するために革新的な思考をもって取り組むよう業界を啓発するためのものである。急勾配の進入方式を実施することで正しい方向へ1歩踏み出すことになり、静穏化のための他の手順やより静かな航空機を運航させるための動機づけと合わせれば、たとえ空港を拡張しても騒音の影響を受ける住民の数は確実に減るだろう。」

騒音に敏感になる時間帯内で、騒音にわずらわされないと予測できる時間帯を地元の地域社会が持てるようにするため、ヒースローは空港を使用するエアラインに対し、日々の夜間定期便の到着時間を守るよう要請した。空港の報告によれば、静穏飛行プログラムの開始以降、定時運航を守るエアラインの数は変化していないが、それ以外のエアラインは各四半期毎に違反を繰り返している。政府が法的に制限しているので、このことが早朝の時間帯に運航されるフライトの数全体に影響を及ぼすことはないとヒースローは指摘しているが、空港の技術チームは積極的にこれら業績の悪いエアラインに係わって業績改善を促している。

静穏飛行の番付表の第7回目が公表され(2015年1月〜3月)、ヒースロー空港におけるキャセイ・パシフィック、KLM、LOT、そしてフィンエアーの騒音関連業績が改善されたため、ヒースローはこれらエアラインを褒め称えている。

リンク:
ヒースロー空港−航空機騒音

地上で聞こえる騒音を小さくするために着陸機の進入を急勾配にするヒースローの試行が開始される

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2121

2015年8月19日水曜日-英国・ロンドンのヒースロー空港は地上の住民が聞く騒音を小さくするために、着陸時の進入角度を急勾配にする試行を開始する。ICAOが設定した国際基準は大部分の空港では3度のグライドパスであるが、英国の民間航空局の承認を得た今回の試行ではタッチダウンのほぼ8海里(10マイル)手前から航空機の進入角度を3.2度にし、この角度はヒースローの滑走路の進入方式4種類すべてで使用されることになっている。2016年3月16日まで続く今回の試行では、ヒースローでの進入角度を3.5度まで上げることができるかどうか試されることになる。この試行は強制的なものではないが、必要な航行機器を搭載した多くのエアラインがこの試行に参加するとヒースローは確信している。フランクフルト空港が2012年10月に似たような試行を始めたが、結果はまだ評価中である。

海外情報紹介 航空機排出物の長期間暴露は年間約16,000の早死の原因になるとMITの研究で見い出す

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2117

2015年8月7日金曜日−米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが実施した調査によれば、民間航空機が排出する微小粒子状物質とオゾンは世界全体で年間約16,000人の早死の原因となっている。離着陸時(LTO)の排出物が及ぼす健康影響も同様に重要である欧州と北米を除いて、最も大気質や健康に影響を及ぼすのは巡航時の排出物であるとこの調査チームは見い出した。金銭的価値に換算すると航空排出物に長期間さらされることで起こる早死は年間約210億ドルの費用に相当すると算出された。航空の大気質にかかる費用は気候変動にかかる費用と同程度で、事故や騒音にかかる費用よりもかなり大きいことを研究者らは見い出した。
Environmental Research Lettersに報告されたその研究は、巡航高度におけるジェット燃料燃焼による排出物が原因となる世界規模の早死の出現率を筆頭著者のスティーブン・バレット教授とMITの研究チームが調べた前回の2010年の算定に続く内容である(記事参照)。他の調査で特定の空港周辺の大気質の影響について調べたものはあったが、今回の調査は初めて、空港近隣地域(20km以内)や局地的及び世界規模の健康影響を定量化した。バレット氏によると、以前は巡航時の排出物と空港近辺の排出物のどちらが実際により問題なのかを知るのは難しかった。

航空機は呼吸器疾患との関係があるオゾン(O3)と、肺がん、循環器疾患、呼吸器疾患の発生率を高める微小粒子状物質(PM2.5)を排出する。これら2種類の汚染物質のうち、16,000の早死の大部分(87%)に関係づけられるのは微小粒子状物質である。

北米ではLTO(離着陸)による排出物は巡航時の排出物と比べると43%の早死に寄与しており、欧州ではこの割合は49%でアジアでは9%であるが、この違いは、航空機が原因の大気汚染に暴露する人口の差のためである。全世界的にはLTOでの排出物による早死は、総計16,000のうちの25%に達する。

研究結果は、世界の平均的暴露量よりも高い航空機に起因したPM2.5濃度に暴露される近隣地域住民がいる空港が23%で、その17%が北米にあり、33%が欧州、34%がアジアにある空港で、残りの16%がその他の地域にある空港であるとしている。

空港から20km以内に居住する合計約5,000人(世界規模)の住民が航空排出物が原因で毎年早死していると推定され、欧州では空港近隣の死亡の38%を占めるとその研究で述べている。「我々の結果は、これまでの分析と対照的に、航空からの一次排出物のPM2.5が、空港周辺での暴露で捉えられたならば、健康上のリスクに著しく影響するようである。」と研究者らは語っている。

航空排出物による早死を貨幣価値に換算するため、研究者らは国別に統計的生命の価値を定量化した。米国については環境保護庁(EPA)の推定値に基づき、他の国々については一人当たりの国民所得に基づいて算出した値とした。研究では、航空が排出する汚染物質の健康影響を貨幣価値に換算すると航空による気候影響費用と同規模であり、航空の死亡事故の費用と騒音の費用を一桁、つまりおおよそ10倍程度上回っていることを示している。

このことが示唆するのは、燃料燃焼が削減されると得られる環境上の利益は、気候においても大気質においても同程度であると述べている。さらに、と研究者らは付け加えて、排出物削減につながる航空用バイオ燃料が環境に及ぼす影響を評価する場合、大気質が健康に及ぼす影響は気候に及ぼす影響と同程度の大きさであるかもしれない。それは、パラフィン系バイオ燃料はSOx排出物を排出せず、放射強制力をもつブラックカーボン(黒色炭素、すす)の排出を削減すると考えられるからである。

2013年に報告された研究によると、人間活動によって微小粒子状物質が増大し、毎年約210万の死亡の原因となり、約470,000人がオゾンの増加によって死亡していると見積られている。

別の調査によれば、海運による大気汚染物質が米国だけで年間60,000の死につながり、肺病及び心臓病からの医療費が年間3,300億ドルに上っている。欧州では、国際海運の排出物が原因となる早死数を、学術調査が50,000と見積もっているが、この部門は2020年までは最大の単一大気汚染源になりうる部門であり、陸上の全排出源をすべてあわせた量を上回ると環境NGOのTransport & Environmentが述べている。

「大気汚染関連の健康上のリスクに航空が係わる割合は、現在はごくほんのわずかであると覚えておくことが重要である。」とバレット氏はenvironmentalresearchwebで語った。「しかし、他部門では大気汚染につながる排出物が急速に削減される一方、航空部門では排出物が今世紀半ばまでに2倍あるいは3倍に増加する見通しで、削減のための新たな方策を見い出すという大きな課題がある。」

ヒースロー空港の騒音軽減運用試行が「住民10万人の支えになった。」

 2012年11月5日から2013年3月31まで実施された、ヒースロー空港の騒音軽減運用試行について報告書が公表され、8月14日付けのBBC NEWSに内容が紹介されました。この運用試行については以前この欄にも掲載しましたが、特定地域の住民を早朝の航空機騒音被害から守るため、到着便を特定の飛行経路へ誘導するというものでした。ご参考までに要約を掲載します。

原文:
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-23692965
ヒースロー空港の関連サイト2カ所:
http://mediacentre.heathrowairport.com/Press-releases/100-000-get-noise-respite-from-night-flights-625.aspx
http://www.heathrowairport.com/noise/noise-in-your-area/early-morning-trial
(ここから報告書がダウンロードできます。)

NATSの関連サイト:
http://nats.aero/blog/2013/08/heathrow-trial-provided-100000-with-noise-respite/
(ここからも報告書がダウンロードできます。)

ヒースロー空港の騒音軽減運用試行について:
ヒースロー空港で騒音軽減地区を設定、運用試行を開始

海外情報紹介 米国の研究が気候および結果として燃料消費と排出物を増大させるフライト時間との間の関係を見い出す

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2111

 2015年7月24日金曜日−高高度の航空機が温暖化に及ぼす影響についてはいまだにわからない部分があるが、民間航空の排出物と気候変動との関連性についての広範な調査が行われた。しかし、惑星(地球)の温度が上昇すると飛行機旅行にどのような影響を及ぼすだろうか。マサチューセッツにあるウッズ・ホール海洋研究所(WHOI)とウィスコンシン・マディスン大学の研究者らは、気候と航空路線の飛行時間が長くなることとの間の関連性(飛行時間が長くなれば燃料消費と排出物が著しく増大する)を見い出したとしている。Nature Climate Change誌で公表されたばかりの調査を率いたWHOIのクリス・カルナウスカス氏が述べているのは、大気中に次々にCO2が追加流入される結果、大気循環中に新たに発生した変化がフィードバックされ増幅される可能性があるということである。この調査では過去20年間のホノルルと米国西海岸の3空港間のフライトをフライト毎に調査し、飛行時間と巡航高度での日々の風速データを比較した。

海外情報紹介 エア・インディアが航空に関わるEU ETSを順守しなかったことに英国が罰金を科す

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2106

 2015年7月16日木曜日−航空に関する2012年のEU ETS(欧州連合域内排出量取引制度)を順守しないことで、エア・インディアと他の航空機運航事業者4社は総計95,456ポンド(150,000ドル)の民事制裁金を英国当局から科せられた。報告を義務づけられた各事業者の年間排出量について十分な排出枠を2013年4月末までに放棄しなかったと各事業者はみなされていた。そのうちの2社が順守することになってからは2012〜2014年の3年間分の排出枠を放棄したが、欧州内空港間のフライトの炭素排出量を現在対象としているこの欧州制度に従うことを、エア・インディアはインド政府の指導でこれまでのところ拒否している。エア・インディアがこの罰金を支払うべきではなく、この件は外交上の問題として扱われるべきだったとインド政府の担当者がGreenAir誌に対して語った。EU ETSに関する排出量を英国に報告するインドのもう一社のエアラインであるジェット・エアウェイズは最近、類似の罰金に対する訴えを退けられたが、制度を順守するようになってからは罰金通知リストには載っていない。

海外情報紹介 NGOsが納得していない中で米国環境保護庁(EPA)が二酸化炭素排出基準に通じる航空機排出物対処のための規制プロセスを開始

(今回の記事は決まったことではない意見の羅列であるため、以下は主要部分の要約としました。原著を直訳したものではありませんので、不足の場合は原著をお読みください。)

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=2092

2015年6月11日木曜日−環境団体が規制措置を求めて8年間争った後で、米国環境保護庁(EPA)は航空機が排出する温室効果ガス(GHG)排出物が気候に悪影響を及ぼすので対応が必要であると結論づけた。EPAは米国が全世界の航空機のGHG排出物の29%の排出源で、航空が米国では未だにGHG基準の対象にしていない単一にして最大の移動排出源であると述べている。この問題に取り組むため、ICAOで開発中の国際的CO2排出基準に関してEPAはすでにFAAと共に作業を行っているが、この基準がICAOで承認されれば、米国大気浄化法の下で米国は国内でも採用する必要があるであろう。エアライン産業が自産業の世界的目標に寄与するだろうと主張しているこの基準はしかし、厳格性が十分でないので排出物削減にはほとんど影響が無いのではとNGOsは危惧している。そのなかでEPAは差し迫る60日間のパブリックコメント期間を広報した。
昨日公表された規則制定案の先行公示(ANPR)は、ICAOが設定する国際的なCO2排出基準をEPAが採用するための第一歩であり、その194ページの文書は、民間航空機排出物が気候に及ぼす影響とICAOによる基準設定のプロセスに関する情報を明らかにしている。

2009年にEPAが自動車と小型トラックは気候に悪影響を及ぼすと断定して以降、人為的な気候変動に関わる科学は、航空機エンジンが排出するGHGsが人の健康と幸福を危険にさらす気候変動原因である大気汚染と関連があるというEPA提案の危険性認定根拠を強化し、支援してきた。提案された原因と関連性との見解は、航空機エンジンCO2排出物に関して今後取りまとめられる国際基準と米国基準を整合させるための最初の一歩であるとEPAは述べている。また、今日の動きは炭素汚染の大規模排出源からの排出物を減らすという(オバマ)大統領の気候変動行動計画の目標達成を支援するものである、とEPAは表明している。

訴訟を起こしている米国の環境団体は、航空機による炭素汚染を規制するためのこの重要な第一歩を踏み出したEPAを称賛するが、航空機が気候変動に及ぼす影響の大きさを考えるとEPAが現在検討中の暫定的な取り組みでは目的達成に不十分であり、これら有害排出物を減らすために大気浄化法に関するEPAの権限を使う代わりにICAOの後に続き、今後10年の排出物増大を固定する従来通りの基準を設定することをEPAは提案していると批判する。ICAO理事会で承認されて2016年内に開催予定の総会で承認される前に、NGOsや産業の代表もメンバーとして参加するICAOの航空環境保全委員会(CAEP)の2016年2月の会議で、この国際基準については合意が得られると見込まれているが、この基準の厳格性と適用性については重大な疑問が残っている。90-95%の航空機がすでに適合しているような基準を設定しようとしているので、ICAOの基準では実質的な削減は見込めない。また、ICAOがこの基準を適用するのは20-30年の耐用年数がある現在の航空機ではなく新型機にのみ適用する予定で、段階的導入をさらに先送りすることになると批判している。

クリーン輸送に関する国際協議会(ICCT)の分析では、2020年に適用される基準は2030年に世界で運用される機体の5%しか対象にならず、ANPR文書についての解釈では、基準が目指す現在の方向性には米国は完全には満足しない可能性があるとしている。さらに、効力のある実行手段を持つ基準でICAOが合意しなければ、米国がさらに先を行くことをANPRは暗示しているとの解釈もある。これは、領海の外で運航するよりも米国領海内での航行に厳しい環境要件を適用するという、国際船舶について米国が採用したようなやり方と似たもので決着するかもしれないという期待からである。一方、EPAには大気浄化法の下で米国の航空機を規制する権限があるので、単に米国ではICAO基準を実施するのでなく、現在使用中の航空機も対象にしてICAOで熟考されている基準内容よりさらに厳しい基準をEPAは設定できないことはない。EUがEU域内排出量取引制度(EU ETS)で航空を対象に含めたように、EPAはCO2基準を米国の大気浄化法の要件に合うように設定でき、それについてはICAOのスケジュールに縛られるわけでもないということもICCTは認めている。

航空機エンジンに関する国際排出基準はまずICAOが制定し、続いてICAOのエンジン基準と少なくとも同程度の厳しい米国内基準を制定するためにEPAが規則の作成を開始したとANPRは言及している。しかし、ICAOを設立したシカゴ条約では、ICAO基準よりも厳しい独自の基準をICAO加盟国が採用する可能性を認めている。ICAOで国際基準が検討されているが、EPAが危険性を認定したことにより、それよりも厳しい規制をEPAが提案する可能性があるとの解釈がある。

エアライン産業の業界団体である米国エアライン協会(A4A)は、ICAOが新型機用にCO2証明基準を開発する作業を支援したと語ったが、米国エアラインは米国の経済活動の5%を行ったとしても、温室効果ガス排出量では米国全体のわずか2%にすぎないと指摘している。また、A4AはICAO基準と内容が異なる国内基準について米国が独自に作業をするべきではないと警告している。航空は世界産業であるため、航空機排出物基準については引き続き国際レベルで合意を得ることが肝要であるとの考えのもとで、いかなる規制措置も大気浄化法下でのEPAの権限とICAOでこれから成立する基準との整合性がなければならないと主張している。米国の航空産業の燃料効率は1978年以降120%向上して、CO2排出を38億トン抑えており、昨年米国エアラインは2000年と比較して20%増の旅客と貨物を輸送したがCO2の排出量は8%減少したことを主張している。

航空機及びエンジンの製造業者を代表する航空宇宙工業協会(AIA)は、EPAによる航空機のGHG排出物評価の動きは航空宇宙産業にとっては驚きではなく、米国最高裁がGHG排出物は大気浄化法下での『大気汚染物質』であると定めた2007年以降、EPAは事業別にGHG排出物分析を行ってきたことによると解釈している。航空宇宙関連製造業者は航空部門のその他業者とともに、排出物削減と燃料効率向上のために知恵を絞ってきており、他の環境規制によっても厳しく規制され、航空機の安全性と耐空性の厳格な要件にも適合しなければならないと考えている。また、航空は経済成長と繁栄を推進する重要な世界産業であり、EPAがGHG排出物に対していかなる規制措置をしようと、大気浄化法とICAO基準のもとで考えられるEPA権限はそれに見合うものでなければならないとして、NPRが米国連邦広報に掲載されてから開始されるパブリックコメントの期間中の解答提出期限前に、AIAはEPAの提案を再検討し、会員企業と協議すると述べている。

なお、EPAの提案した危険性認定の対象は、最大離陸重量(MTOM)が5,700kgsを超えるジェット機と(これには民間機と大型のビジネスジェット機が含まれる)、MTOMが8,618kgsを超えるターボプロップ機であるとしている。

リンク:
米国環境保護庁(EPA)−航空