海外情報紹介 米国科学アカデミーの空港協力研究パネルが実施中の騒音関係のプロジェクトについて

 米国科学アカデミーの輸送研究委員会の空港関連パネルで現在進行中のプロジェクト「航空機騒音のうるささと睡眠障害を理解するための調査方法」について情報提供がありました。計画概要の翻訳を掲載しましたので、ご参考までにご覧下さい。 米国科学アカデミーの輸送研究委員会のACRP(Airport Cooperative Research Panels)で現在進行中のプロジェクト(ACRP 02-35)(情報提供:英国のBernard F. Berry氏)

航空機騒音のうるささと睡眠障害を理解するための調査方法

背景 航空機騒音にさらされる地域の人々は、昔から空港活動や空港開発に対して反発を示してきた。1978年に公表されたSchultzによる起源的論文が、昼夜平均騒音レベル(DNL)で表す輸送騒音暴露レベルとその騒音に大変悩まされている人口の割合の間の相関関係(暴露と反応の関連性)を、うるささを測定するための最も一般的に認められている方法である社会調査を使って明らかにした。Schultzの成果は1992年にFederal Interagency Committee on Noise (FICON)が再確認した。それから、米国における航空機騒音影響に関する研究は足踏みをしており、その一方、交通量は実質的に増加し、航空機1機毎の騒音レベルは目覚ましく改善されるという状況の中で、航空機騒音問題は広がり続けている。そのため、現在入手できるデータに基づく暴露−反応関係が今日の米国空港の状況を十分に表しているかどうかがはっきりしない。

 航空機騒音はまた、睡眠を妨害する可能性がある。睡眠障害の度合いと騒音暴露レベルの間の関係性を明らかにすることが、騒音の悪影響をとらえて、共同体をそれから守るためには不可欠である。現在、睡眠障害について広く受け入れられた暴露−反応関係が無い。

 米国における、共同体のうるささと睡眠障害に関して、時宜に適った暴露−反応関係を確立するには、様々な空港のタイプ、立地状況をカバーした、データ獲得のための大規模な組織的活動が必要であり、次には、よく設計された調査が必要である。

 騒音暴露−うるささ関係を理解するためのデータ取得のためと、航空機騒音が睡眠に及ぼす影響をより理解するための方法開発のための、大規模な社会調査を行うための実施要綱開発のために調査が必要である。


目的 今回の調査の目的は、(1)米国内の航空機騒音暴露−うるささ反応の関係についての大規模調査のための調査実施要項の開発と有効性の実証及び、(2)米国空港のための、航空機騒音と睡眠障害の関連性評価のためのフィールドスタディーのための代替調査手法の提案である。


進行状況 調査は進行中で、委員会は詳述した作業計画を再検討し、承認した。