ロサンゼルス国際空港 Los Angels International Airport

1.基本情報

● IATA/ICAO CODE SEA/KSEA
● 国・地域 アメリカ合衆国
● 設置者・運営者 City of Los Angeles / Los Angeles World Airport
            ロサンゼルス観光局・ロサンゼルス国際空港
            ロサンゼルス観光局/ロサンゼルス国際空港はロサンゼルス国際空港のほか
            南カリフォルニアの3つの空港を管理運営している。
      

● 統計 (AIC調べ)
   利用者数(2012年) 63,688,121人
   発着回数(2012年) 601,416回

● 滑走路:  南北方向に延びる4本の平行滑走路がある。

方向 長さ×幅
06L/24R 2,720 m x 45.7 m
06R/24L 3,135 m x 45.7 m
07R/25L 3,382 m x 45.7 m
07L/25R 3,685 m x 45.7 m

2. 騒音軽減の取り組み

● 空港周辺対策に係る財源・法令
○ 財源
 1997年に設立されたthe Airport Residential Soundproofing Program (RSP)に基づき,FAAからのAIPをもとにLAWAが資金を提供している。その他、PFC及び,着陸料も財源となっている。
 なお、騒音加重金(Noise Surcharge)や騒音関係の税はない。また,騒音軽減運航方式及び,飛行制限については,強制力のある措置はなく,管制や気象条件等により適宜対応し安全性が最も重視されるとのことであった。LAWAからエアラインに対する罰金もない。
□AIP(Airport Improvement Program)補助金
・連邦税に空港整備用の特別会計が設定されている。名称はAirport and Airway Trust Fund(AATF)。用途は空港運用、設備、研究開発、補助金などである。
・空港は、FAAからAATFよりAIP補助金を受け取ることが出来る。
・AIP補助金は複数の分配基準がある。数値基準で分配されるFormula Fund(公式資金)とProject審査で分配されるDiscretionary Fund(裁量資金)である。
・騒音専用の補助は、Discretionary Fund(裁量資金)の中に含められおり、FAAがPart150計画を承認して補助が支給される。
 http://faa.gov/airports/aip/

○ 実施
 空港周辺対策はロサンゼルス観光局/ロサンゼルス国際空港(LAWA)が実施している。

①航空機騒音の発生源対策

種類 制限の有無
チャプター2適合機材制限 1) 制限あり
チャプター2適合機の段階的退役 2) 制限あり
チャプター3適合機材制限 3) 制限なし

 ICAOのNoise CertificationにおけるChapter 2基準の航空機については2000年代初期に全て退役している。Chapter 3基準についての規制はない。

②騒音低減のため運航規制等の工夫

内容 備考
優先滑走路 22:00~7:00の間は、できるだけ06R/24Lあるいは07L/25Rの滑走路を使用する
優先飛行経路方式 1) 2種類あり
エンジン試運転の制限 夜間、23:00から6:00の時間帯はエンジン試運転を制限
Fly quiet program 導入していない

1)優先飛行経路方式
① Over-Ocean Operations
 0:00~6:30の間は極力西向き離陸,東向き着陸を行う。達成率は高いが,海岸付近の霧が濃い場合、雲が低い場合,東風が強い場合などの時には安全面からこの経路方式を取ることが出来ないため,苦情が発生する場合もある。
② Early Turn Restrictions
 西向き(海側)離陸の方式。海岸線まで出る前に旋回を行うと、空港の北側や南側を飛行することになるため、陸域での旋回を制限している。

ロサンゼルス空港におけるOver-Ocean Operation(オレンジ:離陸,緑:着陸)

③空港周辺対策・土地利用

計画の種類 実施状況
防音工事 DNL65以上のエリアに対して防音工事の助成を行っている
対象地区は、County of San Mateo, Daly City, Millbrae, Pacifica, San Bruno and South San Franciscoの6地域
  家屋 1983年以来,15,000軒以上の家屋の防音工事を実施。達成済み
  学校等 1983年以来,7つの学校、8つの教会の防音工事を実施
移転補償 実施していない

 空港周辺における騒音対策は,FAR Part150のNoise Compatible Program(NCP)に基づき騒音軽減策計画を実施している。カリフォルニア州航空機騒音基準(California Airport Noise Standards)に基づき1992年コンターのLden65 dBエリアの住居、学校、病院/療養所、教会・礼拝所の防音工事費用の助成を行っている。防音工事は2004年にすべて終了した。移転補償は行っていない。

3. 環境に配慮した取り組み

・騒音監視システムおよび飛行経路監視システム及び苦情受け付け方法
システム 提供情報
騒音監視システム WebTrack
  URL
  騒音監視局 25局
  提供情報 ・航空機騒音
・周辺騒音
  飛行航跡システム WebTrack
  URL
  提供情報 ・出発・到着・上空通過の種別
・航空機識別
・機種
・出発/到着空港
・高度
・速度
苦情の受け付け オンライン(WebTrak)


Web track systemの画面

○ ステークホルダー・協議会
 ロサンゼルス観光局・ロサンゼルス国際空港は、FAA及び地方自治体参加の円卓会議を月1回もしくは2ヶ月に1回程度開催して情報共有を図っている。