海外情報紹介 ICAOの2グループが国際航空排出物に関する市場に基づく国際対策の開発作業を開始

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1836

 2014年3月12日(水曜日)−増大する国際航空排出物に取り組むために、市場に基づく国際対策(MBM)を開発するという任務をICAOが開始するにあたって、その作業の政治的及び実際的な面を扱うグループの設立はほぼ完了した。中期目標があり、必要な管理組織を持つ、明確な作業プロセスと計画表を、国連機関の管理組織であるICAO理事会がこれまでに承認したと、ICAOの広報担当が追認した。BRIC国家の提案によって設立された環境諮問団(EAG)は、ICAO理事会の指揮下で、地球規模の環境対策開発に関する作業を監督する予定であり、その作業はICAO加盟国、産業界やNGOの代表や専門家らから成る、市場に基づく国際対策のための技術的タスクフォース(GMTF)が主に担当する予定である。EAGとGMTFは共に、第一回目の会議を先週開催した。
 EAGは地理的範囲及び先進世界/発展途上世界の広範囲な代表としてICAO加盟国17カ国すなわち、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、中国、エジプト、インド、イタリア、日本、メキシコ、ロシア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、タンザニア、アラブ首長国連邦、英国及び米国で構成される予定である。他のICAO理事会メンバーと理事会のメンバーでない代表もまた、産業界やNGOや他機関からのオブザーバーと共に、グループへ参加するよう招聘されることが見込まれている。

 ICAOの航空環境保護委員会(CAEP)の下に組織され、先週ワシントンDCにて会合を持ったGMTFは、このグループへと割り当てられた報告者や共同報告者らと共に、監視・報告・検証(MRV)の調査と、排出単位に関する適格基準の調査という2つの主要な作業の流れについて当初は重点的に取り組むことになっている。関連性のあるMBMの経験を持つ外部の専門家がCAEPメンバーとオブザーバーによって指名され、独立した立場からの助言が期待されている。

 MRV(監視・報告・検証)グループはCAEPが請け負ったこれまでの作業に基づいて調査を行う予定で、国際民間航空による地球規模の二酸化炭素排出のMRV(監視・報告・検証)に関する要件と手順を推奨することになっている。MRVグループは燃料燃焼や二酸化炭素排出に関連する方法論と共に、航空に関連した監視・報告・検証の既存の手順や実現する手順を調査する予定である。

 第二のグループは、国際的MBMの下で順守するための排出単位の適格基準を評価した後に推奨する予定であり、適合基準にはカーボンオフセットや排出許容範囲が含まれる。このグループはまた、既存及び提案されたMBMから将来、航空領域の潜在的必要性を満たすための排出単位をどの程度利用可能か評価し、この利用可能性が炭素市場の供給、需要及び価格に及ぼすかもしれない影響を評価する予定である。

 2016年2月のCAEPの公式な第10回会議(CAEP/10)に提出する報告書として結実させるために、2015年のスケジュールをさらに設定し、計画表の下で2つのグループは2014年9月のCAEP会議で報告と予備的結論を出す見込みである。

 昨年10月のICAO総会で承認された決議(A38-18)で要求されたように、国際制度開発作業の進捗状況を検討するため、ICAO加盟国や関連機関の職員や専門家が参加できる、国際的な制度に関する地域毎のセミナーを2015年半ばに開催する準備が行われるだろう。

 その一方で、4月に開始され、MBMの作業工程とは関わりなく、ICAOは一連の連続する「国際航空と環境」及び「加盟国の行動計画」セミナーを開始することになっており、これはICAOの各地域ごとに行われ、最後にモントリオールのICAO本部で最終行事が開催される予定である。

 2日間の「国際航空と環境」セミナーは民間航空や環境、エネルギー、産業、市民社会そして学究的世界に関与する当局の参加が目的だが、一般の人々も参加可能である。セミナーではCAEPの作業の概観やICAOの方針と多くの関連トピックの情報源となるだろう。それに続く、これも2日間のセミナーだが、ICAOが2010年総会の後、加盟国の航空排出物低減活動の一助として導入した、各国の国家的行動計画に責任をもつ「担当者」のためのものである。

 第一回目のセミナーはメキシコシティ(4月1日〜4日)で開催の予定で、次がペルーのリマ(4月7日〜10日)で予定されている。これ以降はカメルーン、ケニヤ、マレーシア、アラブ首長国連邦及びポーランドで開催されることになっている。

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