海外情報紹介 英国の業界団体であるSustainable AviationとNATSが連続降下効率改善のための率先した取り組みを開始

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1942

2014年7月3日木曜日−業界団体のSustainable Aviation (SA)は、英国中の空港で連続降下運航(CDOs)の回数を増やすキャンペーンを開始した。英国の航空ナビゲーション業務プロバイダー(ANSP)のNATSはその管理下にある15空港全体で5パーセントのCDOs増加を目指す事業を率いている。この方式で運航するフライトが30,000便増えれば年間約10,000トンのCO2および、約200万ポンド(340万ドル)の燃料代が節約でき、航空機到着時の騒音も小さくなる。最近まで関心が集中していたのは、航空機が一旦6,000フィートを切る高度まで降下してからの連続降下進入(CDAs)の実施で、力点が置かれたのは到着時の騒音を減らすことだったが、それに対して通常航空機が最高高度約20,000フィートのポイントからCDOsを開始すると、燃料と排出物の顕著な節減につながる。
NATSによれば、6,000フィートからの連続降下では1〜5デシベル騒音を減らし、燃料を約250kg節約するが、20,000フィートからの連続降下であれば燃料節減は約1トンに達し、これは経費約650ポンド(1,100ドル)の節約に相当し、CO2排出量では3トンの削減になる。

英国空港、特にロンドンの主要空港に到着する航空機が実施したCDAsの数はここ数年で急激に増えている。NATSのデータによれば、ロンドンの空港でCDAsを実施する航空機の平均数は2000年の66%から2006年は84%に増え、昨年は全体の90%を占めた。一方で、ロンドンの4空港を含めた英国の15空港すべての平均は、2006年の56%が2013年は74%に改善した。今回のキャンペーンの目的はSAによれば、今度は、英国全体のCDAsの割合を増やすことであり、さらに高い高度からの降下プロファイル(降下軌線)の改善であるとのことだ。

この事業の下で、NATSはSAの他の参加企業(エアライン、空港、航空宇宙関連メーカー)と共に、CDOの効果を進展させモニターするために産業間協調で取り組んでいく。

「5%の目標達成にはパイロット、航空交通管制官そして空港運航者の間の密接な協力と共同した努力が要求される。」とNATSのATM環境部門長であるCarrie Harris女史は説明した。「CDOは特にロンドンの主要4空港においては長い時間をかけてすでにかなりの改善を遂げており、特にBristol空港でのeasyJetのような小規模の試験でも大きな成功が見られたことから、この目標は達成できる。重要なのはNATS、エアラインが、英国のすべての空港において、同時にこのキャンペーンを実施することであり、国中で継続的な進歩を達成できるという勢いを維持することです。」

Harris女史は、目標を達成すべき日付を決めてはいないが、これからの2年間で『十二分に改善』する余地があると信じていると語った。

「英国政府、業界規制担当官や地域社会グループは航空産業に対し、騒音影響低減のための活動を短期的にもっと実施するよう求めてきた。」とSustainable Aviation協議会議長であるJonathon Counsell氏は語った。「CDOは騒音軽減のための重要な機会であるとSustainable Aviationは位置づけてきたし、だからこそ英国全体でこのCDO行動計画を応援している。」

SAはエアライン、空港および航空交通管制官のために『連続降下運航の手引き』を発行した。

一方、NATS、エアラインおよび飛行計画のための情報提供者で構成され、飛行効率の改善や燃料費の節減のための実用的方法を定めるために設立された事業団である飛行効率共同事業団は、昨年度に19,000トンの燃料を節減し、設定した18,000トンの節減目標を上回ったと報告した。昨年この事業団は飛行ルート制限の変更を定め、エアラインが実際の手順に沿った正確な飛行計画が立てられるような合意案を出した。

「我々の空域の効率改善を顧客とともに行うことは、顧客がさらに正確な飛行計画を作れるということを意味し、その結果飛行開始時に必要な燃料が少なくて済み、飛行中の燃料燃焼が減る。」とNATSの顧客担当統括部長のAndy Shand氏は語った。

NATSは、2006年の基準値と比較して2020年までに、航空交通に由来する排出物をフライト毎に平均10%減らすことを目指している。これまでにNATSは、エアラインにとって2億7,000万ポンド(4億6,000万ドル)を超える経費節減に相当する、40,000トンを超える燃料節減を実現し、CO2排出物を120万トン減らした。

リンク:

Sustainable Aviation
NATS – 環境対策