海外情報紹介 新種のタバコハイブリッド品種をサステナブルなジェット燃料に転換するプロジェクトでボーイング社、南アフリカ航空そしてSkyNRG社が協力

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1954

2014年8月8日金曜日−ボーイング社と南アフリカ航空(SAA)による南アフリカにおける再生可能ジェット燃料部門の開発の取り組みの一環として、高エネルギーでニコチンを含まないタバコ作物の新ハイブリッド品種からジェットバイオ燃料を製造するプロジェクトがSkyNRG社と協力して進められることが公表された。ソラリスという名で知られている品種はイタリア企業のSunchemが開発したもので、試験栽培がすでに進行中である。SkyNRG社はSunchem社と組んで製造規模の拡大をはかり、ボーイング社とSAAはプロジェクトの一層の資金調達確保と現物取引契約の積極的支援をすることになっている。これら協力企業はこれから数年以内に大規模および小規模農場によるバイオ燃料製造が見込めると考えており、作物の種子からとった油をまずはジェット燃料に転換し、次に新技術が作物の残りの部分を将来の燃料製造の原料とすることが可能になるだろうと考えている。ボーイング社とSAAはサステナブルなバイオ材料のための会合(RSB)と共に、小区画の農地を所有する農家がバイオ燃料の原料栽培を行うための支援をしており、食糧の供給や新鮮な水の供給を、或いは土地の使用を損なうことのない社会経済的な価値がこの事業にはある。
南アフリカは長い間タバコ栽培に関っており、世界的に生産量が落ち込む傾向はあっても、今でもこの地域の多くの農民の重要な収入源となっている。

「ハイブリッドタバコを使うことで、喫煙を奨励することなく、市場性のあるバイオ燃料作物栽培に南アフリカのタバコ栽培者の知識を活かすことができる。」とSAAグループの環境問題専門家であるIan Cruickshank氏は語った。「これはSAAとボーイング社が南アフリカの経済的な契機を増やしながらサステナブルなバイオ燃料の開発を促進する一つの方法である。」

SkyNRG社はソラリスという原料なら化石原料と等価まで原価水準を大幅に下げるのに役立つと主張し、化石ケロシンと比較してCO2排出を80%減らせる可能性があると主張している。その製造施設は、植物油製造の他に、貴重な動物性タンパク質と農業電化の目的のバイオマス製造にも使用が可能であると、アムステルダムに本拠があり世界市場にサステナブルなジェット燃料を供給するその企業が述べている。

「SkyNRG社にとってはすべて右側のチェックボックスにチェックがつく、まさに我々が探し求めている事業であり、価格が手頃でサステナブルな燃料を供給する機会を与えてくれる。」とSkyNRG社の最高技術責任者であるMaarten van Dijk氏は語った。

Sunchem南アフリカの経営責任者であるJoost van Lier氏は、南アフリカのリンポポ州にあるMarble Hallで2年間、彼の会社がソラリス計画に従事しており、小規模の試験ではうまくいくことが証明されたと述べた。Sunchem社の報告によれば、ソラリスは1収穫ごとに1ヘクタールあたり平均3トンの種子がとれ、適切な条件で年に3回かそれ以上の収穫が可能な作物である。種子には40%の油分が含まれ、低温圧搾によって最大34%の油と62%のタンパク質の塊が製造できる。ソラリスはとても丈夫なので、様々な気候や土壌で耕作可能で、食糧生産には不向きな耕作限界地でも耕作可能であるとその企業は付け加えた。

SkyNRG社の指摘では、最も厳格な環境適合性基準を有する世界自然保護基金や他の国際的なNGOが、認証機関の環境適合性基準にソラリスが適合するという実証を、SkyNRG社とSunchem社はRSBの協力を得て行う予定である。

「RSBの主要メンバーによる、サステナブルなバイオジェット燃料と社会経済的発展の両方を実現する可能性を提供するこの重要な取り組みに、我々はとても喜んでいる。」とRSB幹事であるRolf Hogan氏は語った。
リンク:

ボーイング社−サステナブルな航空用バイオ燃料
南アフリカ航空−環境対策
Sky NRG社
Sunchem社
Sunchem社のソラリスのプレゼンテーション(PPT)
世界保健機関−タバコ環境問題
国際タバコ栽培者協会(ITGA)−タバコ農業:栽培者の視点