海外情報紹介 航空機騒音コンター内の新規住宅建設は政府が制限しなければならないと英国空港運営者らが主張

原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1985

2014年9月24日水曜日−英国の航空政策と計画政策の間に一貫性がなく、過去3年間に英国の18の大規模空港の騒音コンター内で5,700軒の家屋が新築されるかまたは建築許可が下りるという事態に至ったと、英国空港運営者協会(AOA)の最近の報告で述べられている。待望の家屋新築計画プロセスの簡素化という好意的な政策により、航空機騒音によって住民の生活が妨害される懸念のある地域の開発まで土地開発業者に許されることになったとAOAが述べている。地方自治体は騒音コンターをいかに解釈すべきか、そして空港と地域開発の必要性との調和を地方自治体はいかに行うべきかに関して、国の計画指針を再適用するようAOAは政府に対し要求している。AOAの報告書「サステナブルな空港」は、英国の空港がいかに炭素排出を減少させ、騒音を管理しているかを説明し、この業界団体は政府に対して大気汚染対策と騒音防止対策の両分野でのさらなる支援を要請している。 「この報告書は炭素と騒音の影響を拡大することなく航空部門をうまく拡大できるかどうかについての議論に対する重要な提案である。」とAOAの会長であるDarren Caplan氏は語った。「英国が健全であるためには重要な存在である空港は、環境と調和して成長でき、適切な政策支援があればさらに一層の成長が可能であるとこの報告書は説明している。」

英国航空産業の「サステナブルな航空」の取り組みが実施した調査を使ってこの報告書は、最も高い航空機騒音レベルにさらされる政府指定の57 Leq騒音コンターの総面積は、英国の主要6空港において1998年の409.6平方キロメートルから2010年には225.6平方キロメートルまで約45%縮小したと述べている。しかしAOAによれば、空港だけでこれらの地域に居住する住民の数を減らすことは不可能である。

政府が計画政策見直しで航空機騒音指針を撤廃したことと相まって、英国における住宅供給の深刻な必要性が、新築住宅や他にも騒音の影響を受けやすい建物の建設を空港に近接する地域において、いくつかの地方自治体が開発業者に許すことにつながっているとAOAは指摘している。さらに、5,761軒の新築家屋に十分な防音対策がされている、またはそこに越してくる住民にあらかじめその家屋が空港の騒音コンター内にあると告知しているという証拠はほとんど無いとAOAは付け加えている。

「政府の政策が空港に対し、騒音コンター内の住民数を制限して減らすように要求しているなかで、数千世帯の家族を開発業者がこの騒音コンター内に新たに送り込むのを政府は許すべきではない。」とAOAは述べている。

航空部門の炭素排出量のうちで空港が係わっているのはわずかな割合であるとしても、空港業務の運用から直接管理して排出物を削減することや、その他の航空産業の排出物削減実現を助けることによって空港が役割を果たすことは可能だと報告書は述べている。報告書では2010年から約3%、英国の18の大規模空港の累積カーボンフットプリントが縮小し、一方では旅客数が5%増えていることに注目している。AOAは空港が3つの重要な面において、炭素削減を行ったことを取り上げている。すなわち、陸上輸送アクセスの改善、エネルギー効率のよりよい建物とその実践的利用、よりクリーンなエネルギーの航空機への提供である。

航空部門でさらに大量の炭素削減を達成するための支援として、AOAは投資、研究開発や商業化を奨励するインセンティブをもった仕組みを政府が提供してサステナブルな航空燃料開発を支援すること、そして世界規模の炭素取引制度の国際的合意を政府が強く求めることを要請している。AOAはまた、ACIの空港カーボン認証制度第2ステージ:削減未達成の英国の空港は、炭素排出の削減と監視のためのプログラムに貢献すべきと提言している。

「この報告書は、カーボンフットプリントを減らすために空港が規約を守り、投資し、新技術を導入し、産業の連携を通じて騒音削減のための作業をしていることを明らかにしている。」とCaplan氏は語った。「我々は今、サステナブルな空港開発を次の段階に進ませるため政府とともに共同で取り組むことを説明する必要がある。よく考え、支援政策をしようという考えをもつように我々は大臣らに対して申し上げている。」

この報告書に応えて、航空環境連合の副理事であるCait Hewitt氏は語った。「航空機騒音に影響される地域に住宅供給を許可したことでAOAは政府と地方自治体を責めている。しかし、航空産業はよく航空機騒音は低下していると主張しており、自治体は現実の住宅供給不足問題に対応しなければならないのだから、これは恐らく避けがたいのだろう。ヒースロー空港とガトウィック空港の両空港ではサウス・イースト・イングランドの空港拡張は予定から消えたと、地方自治体が2010年に連立政権に信じさせられたので、自治体の住宅供給計画はこれをきっと反映したものになっている。」

リンク:
AOAの「サステナブルな空港」報告書(1.6mb PDF)