EU加盟国とEU全体は主に、環境騒音の評価と管理に関する欧州指令(環境騒音指令-END、2002/49/EC)に基づいて騒音汚染レベルの見極めを行い、必要な対策をとることになっている。
EEA加盟国が2018年9月12日までに提出したデータが集約されたデータベースには、LdenとLnightという2つの評価指標に関する5デシベルきざみの曝露人口の情報が入っている(「Lden:55-59,60-64,65-69,70-74,>75」と「Lnight:50-54,55-59,60-64,65-69,>70」)。このデータベースにはENDに規定された騒音源(主要道路、主要鉄道、主要空港、都市の人口密集地域)に関する、市街地とそれ以外の地域における曝露人口が含まれ、比較のための曝露人口の割合の計算結果も含まれている。2005年以降に報告の諸要件が設定され、ENDによって5年毎の報告が定められた曝露データは、2007年、2012年、2017年に報告が行われた。
END7条により、1.住民数が25万人を超えるあらゆる人口密集地域について、2.年間通過台数が600万台を超えるあらゆる主要道路について、3.年間の列車通過回数が6万回を超える主要鉄道とそれらの地域内にある主要空港に関して、前年の状況を示す戦略的騒音地図が作成されたことと、関連があれば、所轄官庁の承認が得られていることを加盟国は2007年6月30日までに保証することが義務づけられている。
また、2012年6月30日までとそれ以降の5年毎に、1.あらゆる人口密集地域、2.あらゆる主要道路、3.そしてそれらの地域内にある主要鉄道に関して、前年の状況を示す戦略的騒音地図が作成されたことと、関連があれば、所轄官庁の承認が得られていると保証するための、必要な方策の採用が加盟国には義務づけられている。
なお、「人口密集地域」とは、加盟国が範囲を定め市街地域と見なされる人口密度の、住民数が10万人を超える地域を指し、「主要道路」とは、年間300万台を超える車両が通過する、加盟国が指定する地方道、国道、国際道路を指し、「主要鉄道」とは、加盟国が指定する、年間の列車通過回数が3万回を超える鉄道を指し、「主要空港」とは、年間の離陸または着陸回数が5万回を超える、加盟国が指定した民間空港を指し、軽飛行機の訓練目的にのみ使用される空港は除外される。