原記事:
http://www.greenaironline.com/news.php?viewStory=1995
2014年10月23日木曜日−監督下にはない北大西洋空域を通過するフライトの速度(マッハ)と高度を変えて試行した、燃料節約・排出物削減プロジェクトの第2段階が成功裏に終わったと、カナダの航空保安業務提供機関(ANSP)であるNAV CANADAとその協力企業が報告している。ENGAGE IIプロジェクトはエールフランスと協力関係の下で、この第2段階に係わった英国ANSPのNATS、その他のエアライン4社、すなわちKLMオランダ航空、英国航空、ユナイテッド航空、デルタ航空との協力で行われた。NAV CANADAが見積もったフライト毎の燃料及び排出物の平均的節減割合である1〜2パーセントとは、燃料200〜400リットル、温室効果ガス排出物525〜1,050 kg削減に相当する量である。ラトヴィアの環境に優しいフライトプロジェクトであり、同時期に終了したAMBERに含まれるEUのSESAR共同事業(JU)によって、このプロジェクトは支援を受けた。
ENGAGE IIプロジェクトは、サステナブルな実践の推進と2011年に行われた第1段階(記事を参照のこと)で試行された構想範囲の拡大を目的として設計され、210便が対象となった。
「海上飛行の様式を変えて総合的な安全性を確認しつつ、ENGAGE Iで達成した燃料節減とGHG排出物削減を再現することができた。」とNAV CANADAの運航の統括責任者であるLarry Lachance氏は説明した。
「さらに、これらの手法を広い範囲で実施する可能性を実証することができ、北大西洋空域での適応性を増すための提案を行った。毎年400,000便近いフライトが運航されるので、可能な経済的及び環境上の利益は相当なものである。」
カナダのANSPは、「飛行速度一定」の必要がある北大西洋(NAT)での運航にかなり大きな変更をもたらすための道を、ENGAGE IIは切り拓くと見込んでいる。ICAOが設立した組織である北大西洋システム計画グループのパリでの6月の会議が、飛行速度を変えた飛行を一部航空機には許可する北大西洋の「地域の補助手続」に対する修正案についての提案を承認した。
レイキャビクからの北大西洋部の一部に対する航空交通業務について「飛行速度一定」の要件を取り除くとするアイスランドの提案は、正式な手続きで文書化されるためにICAOの手順にそって進めている。
「ENGAGEプロジェクトは、航空産業による環境影響低減を目的としたANSPsとエアラインの共同作業の優れた例である。」とLachance氏は強調した。「北大西洋と世界中での飛行効率に今後大きな影響を及ぼすと考えられるような技術の進歩を我々は待ち望んでいる。」
2007年に欧州連合と米国連邦航空局が設立した、排出物削減のための大西洋相互運用イニシアチブ(AIRE)プログラム参画の一環として、ENGAGE II はSESAR JUにより、運営、支援された。
SESAR JUが共同スポンサーをしているAMBER(効率改善のためのリガの到着近代化)プロジェクトもまたAIREプログラムの中で実施され、空港と隣接地域における排出物と騒音レベル低減のために、リガ国際空港に新しい到着方式を導入することも計画の一環として行われた。プロジェクトには衛星を使った性能準拠型航法(PBN)の試行が含まれ、使用されたエア・バルティックのボンバルディアQ400型ターボプロップ機は、欧州でPBN進入を行う最初の地域間航空機になった。この進入方式では巡航から最終進入まで継続降下運航も可能になった。
PBNを用いることで、新しい飛行路では以前より最大30ノーチカルマイルまで距離が短縮され、実施された124回のQ400のフライトの各回では、最大300kgのCO2排出削減を可能にした。全便に適用されれば、エア・バルティックは年間5,000トンのCO2削減を達成すると見込まれている。
関連の航空機用機器を搭載しているあらゆるエアラインはリガへの進入時にこの方式を使用できるだろうと、このエアラインの航空業務の統括責任者であるPauls Calitis機長は語った。「この方式は2015年に導入が予定されている我が社の新型機ボンバルディアCシリーズのジェット機にも適しているだろう。リガからの運航でも、他に比べようのない燃料効率のトップの座を得てさらなる利益をもたらすことだろう。」と彼は付け加えた。
このプロジェクトはAirbus ProSky社、LGS(Latvijas gaisa satiksme)社、ラトヴィアのANSPとの共同作業で実施された。
リンク:
NAV CANADA
エールフランス−サステナブルな発展
NATS
SESAR JU
排出物削減のための大西洋相互運用イニシアチブ(AIRE)
エア・バルティック
Airbus ProSky社
LGS社
AMBER Project:ビデオ
海外情報紹介 燃料節約と排出物削減のための航空航法プロジェクトであるENGAGEとAMBERが成功裏に終了
- 2014年11月 5日(水) 09:00 JST