航空の地球温暖化影響はこれまで考えられてきたより大きいと欧州航空規制当局が報告

2020年11月23日
EUR-Lex - 52020SC0277 - EN - EUR-Lex (europa.eu)
これまで、地球温暖化に係る世界的な目標を達成するために、航空分野において国際民間航空機関(ICAO)や各国政府がCO2に関して排出量を削減する目標を策定し、様々な対策を行ってきている。
この度、EU欧州議会は欧州航空安全機関(EASA)に対して、航空機からのNOx、SO2、硫酸エアロゾル、煤粒子などの、CO2以外の排出物(非CO2排出物という)が地球温暖化に与える影響について、最新の科学的知見に基づいた分析を行うことによりその影響度合いを見積もること、それらの影響に対処する最善の方法を検討し提案を行うことを要請した。
その結果、EASAは2020年9月に調査報告を行い、科学的にまだ不確実な点はあるものの、航空機からの非CO2排出物の影響を含めると、航空の地球温暖化に与える影響はこれまで考えられてきたよりはるかに大きく、CO2排出量のみに関連する影響速度の約3倍で温暖化を進めている可能性があると報告した。
また、非CO2排出物が地球温暖化に与える影響を減らすための対策として財政、燃料、航空交通管理関連の3種類の政策措置を提案している。財政関連としてNOx排出量に課金することや排出権取引に取り込むこと等が、燃料関連では、燃料の組成を規制し粒子状物質が排出されにくい燃料を使用すること等が、航空交通管理関連では、飛行機雲ができにくいルートを飛行させることが提案されている。