2020年12月16日
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英国最高裁判所は、ヒースロー空港第3滑走路建設が違法であるという2月の控訴裁判所の判決を覆した。
ヒースロー空港の第3滑走路建設に関しては2020年2月、イギリス控訴裁判所が、「建設を進めるための政府のポリシー文書である『空港国家政策声明(ANPS:Airport National Policy Statement)』が炭素排出に関する英国の責任としてパリ協定に基づく内容を適切に考慮していなかった」として反対派の訴えを認め、違法であるとの判決を下していた。
しかし、最高裁判所の今回の判決は「空港国家政策声明が政府により承認決定された時点の気候変動対策の目標値はパリ協定以前のものであり、そうした目標値に基づく声明は合法的である」として控訴裁判所の判決を覆した。
英国は、環境対策を重要課題と位置づけ、2008年に気候変動法(Climate Change Act)をさだめ、温室効果ガスの排出を2050年に少なくとも1990年比で少なくとも80%削減する長期の野心的な目標を設定している。そして、昨年6月にはこの目標をさらに強化し、2050年までに実質ゼロにする目標に変更した。
こうした気候変動目標強化の動きや、裁判闘争を行っている弁護士であるティム・クロスランド氏は、「まだ3本目の滑走路が発生するとは思わない、ブレグジットの影響を受けない選択肢である欧州人権裁判所への上訴を検討している」と述べており、滑走路の最終的な完成までは紆余曲折がありそうだ。
英国最高裁判所がヒースロー空港第3滑走路控訴審判決を覆す
- 2021年1月15日(金) 14:44 JST