スキポール空港が大型機へのバッテリー型GPU(e-GPU)のトライアル運用を開始

2022年3月9日
https://news.schiphol.com/trial-with-...-schiphol/

オランダスキポール空港は、グランドハンドリング会社のKLM機器サービスと共同で、大型機へのバッテリー型GPU(地上電源ユニット:このタイプは「e-GPU」と呼ばれている)のトライアル運用を行っていると発表した。同空港では、ナローボディ機へのe-GPUの使用はすでに行われている(現在7台稼働)が、今回使用するe-GPUは供給電力容量がこれまでの倍あるタイプで、当面3台を配備して6か月間トライアルをするとしている。
 
 GPUに関しては、主要空港では地上の固定電源ユニットから電源供給できる機能が整っている空港が多いが、すべてのスポットに設備されているわけではない。そうしたスポットで電源供給が必要となる場合は、航空機のAPU(補助動力装置)を使用するか、移動型の電源車を使用することとなるが、こうした装置を使用するとエンジンを稼働することとなり、必然的にCO2の排出は避けられない。また、通常B-787型機などの大型機は電源供給量が小型機の倍(ナローボディ機は90kvA で対応できるが、B787などは180kvA)必要となるため、供給できるスポットが限られ、対応できないスポットではAPUに頼らざるを得ないのが現状である。スキポール空港でも128あるゲートのうち、73スポットについては固定型のユニットが整備されているが、貨物便が駐機するスポットなどは未整備なままだ。

運営会社であるロイヤルスキポールグループでは、2030年までにオランダの空港での排出物のない地上運用をめざしており、今回はその施策の一つとして、電源ユニットが整備されていないスポットでの大型機用e-GPUを使用して貨物機へのトライアルからスタートし、徐々に旅客機に拡大する考えだ。