新型航跡観測装置スカイゲイザーの展示・紹介(アジア太平洋航空局長会議)

 空港環境整備協会の附属機関「航空環境研究センター」が(独)電子航法研究所ならびにリオン(株)と共同開発中の「新型航跡観測装置スカイゲイザー」が10月12日から16日にかけて大阪のりんくうタウンで開催された「第46回アジア太平洋航空局長会議」の協賛展示において紹介されました。
 航空環境研究センターでは長年にわたり、航空機騒音を測定し、予測する手法の検討・開発ならびに騒音コンター作成等の業務に従事し、航空行政に貢献して参りました。これらの業務においては航空機の航跡を正確に把握することが必要ですが、その情報を関係機関から入手することが難しいため、研究センターでは航跡観測装置を独自に導入し航跡を観測してきました。

 当初は三角測量の原理で観測する光学式の観測機器を独自に開発しました。出始めたばかりのビデオレコーダを使用し、独自の工夫で高い観測精度を実現したものです。その後、航空機が発信するトランスポンダー信号を複数の点で受信し、飛行位置を算出するマルチラテレーション方式の航空機航跡観測装置AirSceneを米国から導入しました。

 これらの装置は航空機騒音の調査業務や自主研究に重要な役割を果たしてきましたが、AirSceneの老朽化を契機に新たな方式による高性能・高効率の新型航跡観測装置SkyGazer(名称スカイゲイザー)を開発することにし、(独)電子航法研究所ならびにリオン(株)と共同研究で、平成19年度より3カ年計画で実施しています。この装置は疑似レーダ方式を原理とするもので、空港近傍の一か所に観測点を設置するのみで観測でき、現行AirSceneが最低3カ所に機器を設置する必要があるのに対して現場コストを低く抑えることができます。

 スカイゲイザーの開発は順調に進み、既に実用レベルに達しており、今年度中には完成する予定です。このような開発状況のなか、10月12日から16日にかけて大阪のりんくうタウンで開催された「第46回アジア太平洋航空局長会議」の協賛展示において、(独)電子航法研究所により、スカイゲイザーの概要が紹介されました。今後、11月25日から27日の間パシフィコ横浜で開催されるマイクロウェーブ展2009 においても、(独)電子航法研究所により紹介される予定です。