第1回「航空環境研究会」の開催について「概要」

 第1回「航空環境研究会」を9月27日、一般財団法人 空港環境整備協会議室において開催致しました。19名の委員の出席がありました。研究会では、日原勝也東京大学公共政策大学院教授及び橘秀樹千葉工業大学附属総合研究所教授による講話と、フリーディスカッションが行われました。  日原委員からは「航空環境と関連政策に関する最近の動向-今後の検討に向けて-」をテーマとして、航空環境とそれに関連する政策の概要、最近の動向の他、空港周辺の環境や地球環境問題に関する最近の動向の紹介や、航空環境における今後の課題とその対応を検討するための論点についての提言を頂きました。

 橘委員からは「環境騒音・概論」をテーマとして、音の意味性が情報・文化・社会の側面があることや、騒音の定義や騒音の影響、環境基準とその評価値や土地利用のあり方の紹介や、今後検討すべき環境問題の課題の提言を頂きました。

 講話に引き続き行われたフリーディスカッションでは、講話に基づき活発な意見交換がありました。騒音による健康影響は多岐にわたり、総合的に考える必要があるという意見、WHOでは健康リスクの評価が検討されていること、また睡眠影響を課題としているとの指摘がありました。また、騒音の心理評価法のひとつである“うるささ”の評価ではアノイアンスという用語が用いられているが、アノイアンスには騒音源に対する印象や不安などの主観的・非音響学的な要因が関与するとの説明もありました。さらに、騒音に対する主観的評価をどのように政策的に取り扱うのかといった質問も出されました。
 他方、騒音の問題を取り扱う際には、公共性や先住権/後住権の問題、文化・伝統、サウンドスケープ(音景)等の側面からの検討も必要であるという意見や、航空輸送需要はどのような手法で将来予測されているのかといった質問もありました。
 これらの課題については、今後の研究会で順次検討を進めていく予定です。