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海外情報紹介 新規建設が予定される西シドニー空港の環境影響評価報告書2016を公開 [海外情報紹介]

(オーストラリア政府のインフラ・地域開発省のウェブページhttp://westernsydneyairport.gov.au/resources/eis/index.aspx他より)

 西シドニー空港の環境影響評価報告書(EIS)のとりまとめが最終段階だと2016年9月15日に都市インフラ大臣のポール・フレッチャー氏が公表した。この報告書は検討のため環境・エネルギー省大臣のジョシュ・フライデンブルグ氏に回された。彼が空港計画案修正版とこのEISを検討した結果、諸条件や規定等が付けられるかもしれない。

 2015年10月19日から12月18日までEIS案と空港計画案が一般に公開され、西シドニー空港開発に関する地域社会からの意見が求められた。両文書の最終とりまとめの段階では、地域社会からの提案に対し十分な調査と検討が行われた。

 環境大臣は両文書を検討し、この空港計画の実施を決定して良いのか、環境影響に関してどのような条件を付けるべきなのかをインフラ大臣に通知することになっている。インフラ大臣は次に空港計画推進を決定し、西シドニー空港の第一段階での開発を認可する。開発は環境大臣が明記した環境影響に係わるいかなる条件も満たすものでなければならない。最終版EISと空港計画について詳細情報を記したファクトシートは以下のページでダウンロード可能である。
http://westernsydneyairport.gov.au/resources/factsheets/index.aspx

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西シドニー空港と現在のシドニー空港の位置(オーストラリア連邦資料「Western Sydney Airport, Revised Draft Airport Plan」より)

これまでの経過
 1946年以降、シドニー第2空港の必要性と建設予定地に関する検討が幾度か行われた。Badgerys Creekが初めて候補地に挙がったのは1979年、シドニーの大規模空港の必要性調査委員会が公表した仮報告書においてであった。その後、1986年にオーストラリア政府が初めてこの場所を建設予定地として正式に公表し、1980年代半ばから現在の建設予定地の基本部分の土地取得が開始された。それ以降、取得された土地はオーストラリア連邦の所有になっている。その後建設予定地についての検討が幾度か行われ、2013年にBadgerys Creekの開発が最も経済的に実現可能と見なされた。

新空港の必要性
 2012年の「シドニー地域の航空容量に関する共同研究(Joint Study on aviation capacity in the Sydney region (2012))」でシドニー盆地の空港容量にかかる負担の増大を確認した。以下がその調査結果である。
 ・2020年頃までに午前6時から正午までと午後4時から7時までの平日の離着陸枠の余裕が消え、これらの時間帯の旅客の増大に対応するには機材の大型化しかない。
 ・2027年頃までに配分可能な未使用の離着陸枠がすべて失われ、既存の路線を廃止しない限り新規路線の運航は不可能となる。
 ・2035年頃までにシドニー空港では定期公共交通(RPT)事業を拡大できる見込みがなくなる。
 このように容量にかかる負担が増大するにもかかわらず、シドニー空港は年間平均3.4パーセントの成長を続け、2033年には年間旅客数が7,430万人に達すると2013年のシドニー空港基本計画(SACL 2014)は予測している。
 現在のシドニー(Kingsford Smith)空港の容量拡大が困難なのは、オーストラリアの他の主要空港のような敷地の余裕がなく、滑走路の延長や増設が不可能であり、効率的な運用のための誘導路の増設やエプロンの拡張も制限されるためである。市街地に近接しているので夜間飛行禁止時間帯(午後11時から午前6時まで)も設定されている。

航空機騒音評価
 EISでは西シドニー空港での航空機運航によって予測される騒音暴露レベルを表すのに多くの方法を用いている。やり方によって目的が異なり、航空機騒音レベル、頭上通過の頻度、騒音の特性のような要素について配慮の仕方をそれぞれで変えている。以下のような単位が使われている。

・N70: 最大騒音レベルが70dBAを超える航空機騒音事象の1日あたり(すなわち24時間あたり)の平均数で、この単位は航空機運航による1日あたりの騒音影響の可能性を示すために使われる。

・N60: 夜間(pm10:00-am7:00)、最大騒音レベルが60dBAを超える航空機騒音事象の1日あたりの平均発生数で、この単位は航空機運航による夜間騒音影響の可能性を示すために使われる。

・ANEC: 仮定の運航シナリオに基づき空港周辺の土地利用を決めるのに使われるオーストラリアでの航空機騒音暴露の標準的単位である。オーストラリア騒音暴露予測(ANEF)システムの20 ANEFコンターの外側地域は新規の宅地造成を「容認できる。」ANEF 20と25の間は新規の宅地造成を「条件付きで容認できる。」ANEF 25を超えると新規の宅地造成は「容認できない」と見なされる。

主要な関連資料(オーストラリア政府・インフラ・地域開発省)
http://westernsydneyairport.gov.au/resources/key_documents/

西シドニー空港環境影響評価書 2016(オーストラリア政府・インフラ・地域開発省)
http://westernsydneyairport.gov.au/resources/eis/index.aspx

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ファクトシート「Managing aircraft noise」より

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オーストラリア主要空港の滑走路から近隣の郊外住宅までの距離、
An airport for Western Sydney, Building Western Sydney's future, 2016 (オーストラリア連邦資料)より

Posted by aerc at 2016年11月25日(金) 11時00分   パーマリンク

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