海外情報紹介 ヒースロー空港はエアラインを騒音のうるささでランク付けする

BBC.CO.UKの5月30日付け記事に、英国ヒースロー空港のこれからの騒音対策について紹介記事が掲載されましたので、ご参考までに要約を掲載します。

原記事:
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-london-22711211

ヒースロー空港のこれからの騒音対策に関する報道発表:
http://mediacentre.heathrowairport.com/Press-releases/Heathrow-publishes-commitments-on-noise-reduction-measures-57f.aspx

ヒースロー空港静穏化計画に関する資料のダウンロードーページ:
http://www.heathrowairport.com/noise/what-we-do-about-it/a-quieter-heathrow

空港周辺地域の静穏化計画の一環として、ロンドン・ヒースロー空港の管理者達は、航空機の騒音のうるささによってエアラインをランク付けする予定である。

 ヒースロー空港の責任者達はまた、騒音規制値を超えたエアラインへの罰金の値上げを望み、新規出発ルートと急勾配の進入角を試したいようだ。

 静穏化計画には、ヒースロー空港周辺の家屋や事務所に新規の防音計画を導入することも含まれている。

 静音飛行計画(Fly Quiet programme)は今年これから開始の予定である。

 ヒースロー航空機騒音管理協会(HACAN)は、静穏化計画を歓迎したが、住民達はそれでも空港拡張計画を容認しないとコメントした。

争いの種

 ヒースロー空港の最高責任者であるColin Matthews 氏は言った。:「ヒースロー空港は航空機騒音と取り組む国際努力の最前線にあり、その結果、1970年代から便数がほぼ2倍になったにもかかわらず、騒音の影響を受ける住民の数は減っている。」

 一方で「ヒースロー空港がもたらすvitalな接続性と経済成長を堅守しつつ」、ヒースロー空港はエアラインや航空交通管制企業であるNats、政策立案者や住民とともに、騒音低減のためにさらに努力を続けるだろうと、彼は述べた。

 独立した輸送委員会が水曜日に公表した、英国の航空インフラストラクチャーの将来についての報告書では、ヒースロー空港周辺地域はスタンステッド空港或いはガトウィック空港周辺よりも人口密度が高いという事実を強調している。

 報告書によれば、今のところ、最も音のうるさい航空機は「夜間」(23:00から07:00)には定期便としては運航されないかもしれず、「夜間割当時間帯」(23:30から06:00)では便数と騒音割当で航空機の運航は制限されている。

 報告書では、以下のように付け加えている。:「これら早朝の、長距離便の到着による騒音は長い間、ヒースロー空港周辺の世帯にとって頭痛の種となってきた。」

 先月、ヒースロー空港拡張の可能性に対する抗議行動が行われ、西ロンドンの住民は早朝便による騒音を問題にした。

 HACANの代表であるJohn Stewart氏は、「これら静穏化のための対策は歓迎だし、住民の騒音環境を改善してくれることだろう。」と述べた。

 「しかし、第3滑走路が建設されて便数が大幅に増加するなら、これらの対策による恩恵はほぼ確実に凌駕され、静穏化の努力はすべて水泡と帰すだろう。」

 Hounslow議会の副議長であるColin Ellar議員は言った。「協議において、ヒースロー空港の改善は望んでも拡大は望まないと声高にかつ明確に主張した地方議会や住民の意見に、ヒースロー空港が耳を傾けるようになったようだ。」

海外情報紹介 ICAO(国際民間航空機関)が環境問題に関するシンポジウム「Destination Green」を開催

ICAO本部(モントリオール)で5月13日から16日まで航空と気候変動に関するシンポジウム「Destination Green」が開催されました。
航空環境に関する最新の動向について、加盟国や主要な利害関係者と情報を分かち合うための行事を、ICAOは3年に1度行っているそうです。この種の行事としては今回のシンポジウムは第4回目で、今年9月の第38回ICAO総会に向けて環境と航空について参加者の対話を促進する目的で開催されたそうです。
以下のサイトから各発表の資料がダウンロードできるようになっています。セッション1から8まで、48編の発表が掲載されています。航空機騒音に関する発表も5編あります。

http://www.icao.int/Meetings/Green/Pages/Presentations.aspx

なお、ICAOジャーナルの最新号(68巻2号)はシンポジウムと同じく「Destination Green」と表題のついた環境特集号で、今年2月4日から15日までICAO本部で開催された航空環境保護委員会第9回会議(CAEP/9)に関する記事も掲載されています。

ICAOジャーナルのダウンロードサイト: http://www.icao.int/publications/Pages/ICAO-Journal.aspx?year=2013&lang=en

海外情報紹介 英国の空港容量を検討する空港委員会が、新たに環境問題を含めた専門家委員会を設置

英国の空港容量について検討するためのAirports Commissionの設置については、以前このホームページにも掲載しましたが、その機能を補佐するための専門家委員会が設置されました。メンバーには騒音や大気汚染、気候変動など環境問題の専門家が含まれています。ご参考までにプレスリリースの要約を掲載します。

原記事:
https://www.gov.uk/government/news/airports-commission-unveils-new-expert-panel

専門委員会の付託条項等詳細に関する資料ダウンロードサイト:
https://www.gov.uk/government/policy-advisory-groups/expert-advisory-panel

空港委員会について:
http://www.aerc.jp/index.php?ID=105&cID=10

プレスリリース:空港委員会は新規の専門家委員会設置を公表する。

関連機関:空港委員会
公表日:2013年5月3日
方針:環境と地域社会に及ぼす影響を減らしながら、英国の空港とエアラインの立場が安全で堅固で競争力を保ったままであるのを確認するため

空港委員会が最高の科学技術の専門知識を確実に入手できるようにと設立された専門家委員会

 英国の長期的な航空容量需要評価のために英国政府が設立した空港委員会が、環境や工学や輸送の一流の専門家による、審議を補佐するための小委員会設置を公表した。この小委員会がさらに一歩踏み込んだ課題を提示し、その内容の確かさを保証することで、空港委員会は最高の科学技術の専門知識を確実に入手するだろう。

 Howard Davies氏が委員長を務める空港委員会はまた、長期的に空港容量を増やすためのあらゆる提案を精査するために使用する基準を公表した。

 以下はHoward Davies委員長のコメントである。:

 「空港委員会の作業をはかどらせるために、我々が任命した専門家達が様々な技能や経験を持ち寄ることで、空港委員会は良質の科学技術の専門知識を幅広く確実に入手できるだろう。」

 「加えて、経済、社会、環境及び運用の論点を含む、関連する諸問題を全方位に渡って検討するという段階を踏もうという空港委員会の意図を、我々の精査基準は明確に示すものである。」
 
 今日(2013年5月3日)、公開された精査の基準は、今以上の容量の必要性を記述すべきならば、どの長期的空港容量付加の選択肢についてさらに詳しく展開させるかを決めるための、委員会に必要な情報の概要を説明するものである。

編者への注記

 空港委員会は2012年11月に設立された。その付託条項によって、委員会は2013年の終わりまでに以下について報告をせねばならない。:

•世界のハブとしての英国の立場維持に必要な段階的方策の性質や規模そして実施時期についての証拠の評価

•現在の滑走路能力の使用法を改善するための、これからの5年間に行う速やかな対策に関する委員会の(単数或いは複数の)提言−これは信憑性のある長期の選択肢と矛盾しない。

 付託条項によって、以下についても空港委員会は2015年夏までに報告をしなければならない。:

•英国の国際的接続性の必要性を満たす選択肢の、経済的、社会的そして環境的影響を含めた評価

•いかなる必要性も満たす最適なアプローチに関する委員会の(単数或いは複数の)提言

•要求される時間(尺度)内で実行可能な限り迅速に、その必要性が満たされることを確実にするための委員会の(単数或いは複数の)提言

長期にわたる容量の選択肢−精査の基準

 2月に、空港委員会は関係者に対し、彼等の業務に関連した、英国空港容量の長期的需要に適う選択肢を提示するよう要請した。今以上の容量の必要性に関して明確化すべきであるなら、どの選択肢をさらに詳細にわたって展開させるべきかを、空港委員会がいかに決定するのかについて、精査基準では詳細な情報を提示する。推進したい計画がある関係者は2013年7月19日までに空港委員会に対し、提案書を提出しなければならない。


専門家による諮問委員会

本日(2013年5月3日)、任命された専門委員会のメンバーは以下の方々である。:

• Helen Apsimon教授; Imperial College Londonの大気汚染学の教授
• Charlotte Clark博士; Barts and the London School of Medicineの環境精神衛生疫学の上級講師
• Piers Forster教授; University of Leedsの物理的気候変動学の教授
• Andrew Kempton博士; ロールスロイス社の騒音専門家主任
• Peter Mackie教授; University of Leedsの輸送学の研究教授
• Andrew McNaughton教授;High Speed Two Ltdの技術部門の重役、また以前はNetwork Railの主任技術者
• Henry Overman教授; London School of Economicsの経済地理学教授
• George Paulson氏; 独立コンサルタント;ユーロコントロールの安全・航空宇宙担当の前重役
• David Quarmby博士; RAC財団の会長であり、Strategic Rail Authority とBritish Tourism Authorityの前責任者
• Andreas Schäfer教授; University College Londonのエネルギー・輸送学の教授
• Keith Shine教授; Reading大学の物理気象学教授
• David Starkie氏; Case Associates社の古参社員
• Callum Thomas教授; Manchester Metropolitan大学の持続可能な航空学の教授

 専門家による諮問委員会への任命はすべて、委員それぞれの個人の能力に対してなされるものである。
 
 空港委員会の作業に関するインタビューの申込や他のメディアの問い合わせ先は電話:0207 944 3118である。

 空港委員会についてツイッターでフォローするには以下で。:
@ukairportscomm(https://twitter.com/ukairportscomm)

海外情報紹介 「環境に優しい航空産業:航空用バイオ燃料に世界中が殺到している」

米国の独立した政策シンクタンクであるオークランド研究所が、航空用バイオ燃料をとりまく状況について報告書を公表しました。排ガス削減の切り札としての役割を期待されているバイオ燃料が、その探求によって環境破壊につながりかねない一面も持っているという、意欲的な報告書です。ご参考までに報道発表記事の要約を掲載します。


原記事及び報告書のダウンロード:
http://www.oaklandinstitute.org/press-release-eco-skies-global-rush-aviation-biofuel

カメルーンのヤシ農場の真実について:
http://www.oaklandinstitute.org/herakles-exposed


プレスリリース:エコスカイ:航空用バイオ燃料に世界中が殺到している。

日付:2013年3月18日 太平洋標準時刻午前8時
連絡先: Anuradha Mittal
amittal@oaklandinstitute.org; +1 510 469-5228

新規報告書であるEco-Skiesは、航空排出物削減目標への警鐘を鳴らす。

フライドポテトの油で燃料を作ったり、バイオ燃料のために土地の争奪戦を行っても解決策にはならない。

 カリフォルニア州オークランド:オークランド研究所が公開した新規報告書であるEco-Skies: The Global Rush for Aviation Biofuelは2050年までに排出物を減らそうという航空産業の野心的な目標に対して警鐘を鳴らしている。このまま行くと、バイオ燃料の製造が飛躍的に増加することになり、もはや貧困国のみにとどまらず、すでに発展途上国の国民の生命と生活を脅かしている土地の収用が加速されることになるだろう。

 一見すると、再生可能な、表向き環境に優しいバイオ燃料に依存するところが大きい戦略理念は航空産業にとって前向きな一歩に聞こえる。事実に基づいたものでさえあれば、そして将来の成功を示す証拠でもあればよいのだが。この新しい報告書では環境に影響を及ぼす可能性と人間の生命に損害を及ぼす可能性両方ともに、この新規の目標を評価するにあたり十分に分析されてこなかったことを明らかにした。それどころか、航空産業の燃料供給のためにバイオ燃料を探求すれば、この新しい環境対策が新型の環境破壊そして人間生活の破壊へと導きかねないという深刻な疑問が提示されることになる。

 飛行機を飛ばすには大量の燃料が必要である。現在、バイオ燃料は民間機の運航に本気で使用するには希少で高価である。オークランド研究所のFellowであり、報告書の著者であるLukas Rossはエアラインが、経済的制約及び、化石燃料とCO2排出物に関する環境問題の狭間で板挟みになっていることを教えてくれる。エアラインは両方を解決するための答えとしてバイオ燃料を扱いたがっているが、Ross氏は言う。「航空産業のCO2削減目標達成のためには気の遠くなるような土地の広さが必要であることを考えると、航空用バイオ燃料には、人間も地球も支払うべきでない値札がついているということだ。」

 現在の航空の必要を満たすためには、−−将来の需要の増大は言うまでもなく−−オーストラリアの約3分の1に等しい面積で生産される2億7千万ヘクタールのジャトロファ属の畑が必要となるか、2015年に見込まれる面積の25倍が必要となるだろう。

 テキサス州ほどのかなりの面積の必要面積の4分の1でさえ、もはや食用植物栽培には利用できない。現在ある量と比較してバイオ燃料の本当の必要量を考えると、将来を見通すのは不可能で、商用航空の必要を満たすための量を調達する意欲が結果として、持続不可能な、食物の安全を脅かす土地の収奪に結びつかないという保証はない。

 おそらくこれらの恐怖を軽減するために、航空産業は環境に優しい航空燃料使用者グループ(SAFUG)を設立した上、生物学的多様性を保護して食物栽培とは競合せず、地球温暖化ガス低減の重要なライフサイクルを確保するようなやり方でのみバイオ燃料を探求するという、拘束力のない誓約に署名した。

 たとえその誓約が書面上は良さそうに見えても、すでに飛行済み(2012年5月現在で1,500回)のバイオ燃料によるフライトの社会的費用、環境コストに関して、すでに合理的な疑問があり、まして航空用バイオ燃料がそもそも完全商業化された場合の費用についてはなおさら辛辣な疑問が増えている。

 新規報告はまた、使用済み料理油を商用航空機の燃料の原料として転用することの欠点もまた取り上げている。マクドナルドがフライドポテトを揚げるのに使うのと同じ油で飛行機が飛べるという考えは持続可能性を何か目新しい、おあつらえ向きのものにし、生活様式の変化から言えば何も変化が必要でない。

 現実的には、2010年に米国は使用済み料理油を14億360万ポンド製造し、−−最後の一滴まで航空用バイオ燃料に転換しても1億8,500万ガロンの燃料が製造されるだけである。2012年に米国だけでほぼ210億ガロンのジェット燃料を消費するということを考えると、米国の全使用済み料理油を転用しても米国の飛行機を空中に留めるためには3日も持たないことを意味する。

 潜在的需要と可能な供給量の間がかくも大きく乖離していては、使用済み料理油を持続可能性への通り道であると、真剣に考えられるエアラインはないだろう。

 「エアライン産業は価格安定性と環境に優しいイメージを熱心に求めているので、バイオ燃料に関して、土地の所有権や食料安全保障、及び温室効果ガスの排出に破滅的な結果をもたらしかねないほどの空前の需要を作り出すという危機的状況にある。」とオークランド研究所のexecutive directorであるAnuradha Mittal女史は語った。「バイオ燃料の製造は今や、発展途上世界における土地取引の最大で唯一の目的である。低所得の国々では商業的農業を貧困から抜け出すための手段として受け入れることが奨励されているので、多くの問題が起きている。我々の研究は十分に練られていない思いつきによる経済開発計画がいかに食料不足の悪化や、強制退去、そして環境破壊に結びついてきたかを明らかにした。」

 十分に練られていない解決策によってさらにもう一度、発展途上世界が人的損失や環境コストを背負う前に、Eco-Skies報告書はこのように、エアライン産業の分析専門家にデータをよく検討するよう警告を与えるものである。

 オークランド研究所は現代の最も切迫した社会問題、経済問題、環境問題に新鮮なアイデアや大胆な行動を持ち込む、独立した政策シンクタンクである。2011年から、研究所はアフリカの土地投資取引の仕組みを明らかにし、透明性や公平性や説明責任を欠いた厄介なパターンを暴露した。調査と支援運動と国際的なマスコミ報道の間の動的関係が、結果として一連の驚くべき成功や、米国や海外における組織化につながってきた。www.oaklandinstitute.orgを参照のこと。

海外情報紹介 「航空による二酸化炭素排出量、世界の国際定期旅客便−2012」

ICAO(国際民間航空機関)のCAEP(航空環境保護委員会)のオーストラリア政府代表を務めたことのあるDave Southgate氏が「航空による二酸化炭素排出量、世界の国際定期旅客便−2012」という資料を公表しました。図表を多用し、わかりやすくまとめることを主眼にされたようです。今年9月に開催される予定のICAO総会において、航空に係わる世界規模の二酸化炭素排出量規制制度確立について加盟国の合意が目指されている現在、その討議のためのデータを作ることも目的であったようです。導入部分と著者紹介の要約をご参考までに掲載します。

資料のダウンロードサイト:http://southgateaviation.wordpress.com/

前書き

 2012年10月に、私はオーストラリアの航空機運航による二酸化炭素排出量を調べた文書を公表した。表題は「オーストラリアの航空機運航による二酸化炭素排出量−2011」である。国際定期旅客便運航の世界規模の二酸化炭素排出量に関する今回の報告は、この前回の報告の上に積み上げたものである。同じデータ分析方法を採用し、情報を表示するために似たような視覚化を行って、できるだけ元の文書の様式と印象に近づくよう努力した。

 データの制約のため、今回の報告の二酸化炭素排出量は世界の国際定期旅客便の運航に関するもののみである。このやり方で国際航空運航の二酸化炭素総排出量の約80%を取り出すことになると思われる。2013年9月のICAO(国際民間航空機関)総会において予定されている気候変動についての討議のために、国際航空の二酸化炭素排出量は現在、重要性の高い論点である。

 報告書は国際航空の排出量管理のための政策の選択肢を示唆することはないが、むしろ意図するところは、論点に取り組むための選択肢について検討を支援するためのデータ資源として利用されることである。二酸化炭素排出量情報は様々な図表で示されている。私はこの報告書が、国際航空について現在の排出量を説明できるようなやり方で討議が進むようなきっかけとなることを望んでいる。国際航空を気候変動対策の視点で管理する場合には、包括的で明白な測定、報告、検証システムが組み込まれる必要性があることは疑いようがない。

 文書中の情報は公的に入手可能な2012年の世界の国際定期旅客事業のデータセットを使って制作されたものである。データ分析と報告作成は、容易に入手できるアプリケーションソフトを使って行われた。

Dave Southgate
キャンベラ
2013 年4月
第1章

序論

 この報告は著者の、2012年10月に発表した前回の報告である「オーストラリアの航空機運航による二酸化炭素排出量−2011年」に基づいている。可能な限り、今回の本は前回の資料をひな形として使用している。航空機運航ネットワークの二酸化炭素排出量を図示するのに両資料とも同じ大圏二酸化炭素排出量方式を使っている。今回の本では2012年の国際定期旅客便の動向による世界規模の排出量を調べている。時には同じ図が使用され、両資料に等しく特定のメッセージが当てはめてある箇所では、原文の構成要素に最小限の修正を加えている。様々なやり方で表現するのはそのままだし、空港とエアラインの視点から排出量を調べるやり方もそのまま残している。

 前報告同様に、今回の報告も研究者や航空関連事業従事者、政策決定者や一般人のためのデータ資源となるよう制作されている。そのため、目指すところは国際航空の二酸化炭素排出量を記述することであり、その排出量管理のための特定の政策を選択肢として討議或いは推進することを目的とするものではない。

 前回の作業では航空ネットワークの二酸化炭素排出量計算に大圏の二酸化炭素排出量計算テクニックを適用することの検証と、そのテクニックの堅牢性の検証をも目指していた。その練習が生み出した結果は統合レベルで入手可能な検証箇所とよい一致を見せ、大圏テクニックは二酸化炭素排出量をわかりやすく示すとして使用可能であることを示した。これら「排出量の図表化」は、例えば、政策討議や環境報告の概観において、選択肢を広く検討するための基盤としての使用が可能である。

 本書の執筆時点で、国際航空に関連する二酸化炭素排出管理について進行中の論争がある。国際民間航空機関(ICAO)内での討論の結果を待つ間、欧州連合は欧州連合域内排出量取引制度(EU ETS)を、欧州内への国際飛行或いは欧州内からの国際飛行に適用するのを保留している。3年に1度のICAO総会は2013年9月に開催が予定され、国際航空のCO2排出管理に市場に基づく対策(MBMs)を適用するため、総会において加盟国の合意を得るための努力が図られると見込まれている。この討論に情報が必要となるならば、検討中の選択肢が及ぼす影響を参加者が理解するための、二酸化炭素排出量情報の入手が必要不可欠なのは言うまでもない。

著者について

 Dave Southgate氏は「環境官僚」としての31年間のキャリアを経て、2012年7月にオーストラリア政府の公共サービス部門を退職した。国家と連邦政府の環境部門の両方で8年間働いた後、彼は1989年の遅い時期にオーストラリア政府運輸省の航空部門の一員となり、退職するまでその部門にとどまった。運輸部門におけるキャリアを通じて、彼は航空機騒音の専門家になり、終わりの数年間に航空による気候変動問題にも関わるようになり、二酸化炭素排出量に特別な関心を抱くようになった。

 Southgate氏は汚染パターンを表すための「単純」な方法を開発することを通じて、透明性に長く関心を持ち続け、公衆を環境政策決定プロセスに巻き込むことを促進することにも長く関心を持ち続けている。シドニーの地域社会の代表者達との作業結果として、彼のチームは航空機騒音の記述と評価のための革新的発想を開発した。2008年にSouthgate氏はオーストラリア政府の公共サービスメダル(PSM)を、この分野の功績に対して受章した。

 2004年から2012年まで、Southgate氏は国連の国際民間航空機関(ICAO)の航空環境保護委員会(CAEP)のオーストラリア政府代表だった。彼はCAEPでは自身の二酸化炭素排出量への興味を追求し、ICAOの炭素計算機開発を監督するグループのメンバーであった。

 2012年10月に彼は「オーストラリアにおける航空機運航による二酸化炭素排出量−2011」を公表した。Southgate氏には科学/工学の経歴があり、リバプール、ロンドン(Imperial College)、タスマニアの大学の学位を持っている。

海外情報紹介 空港委員会は航空と気候変動に関する証拠を求めている

以前このホームページ上で紹介しました英国のAirports Commission(空港委員会)が、討議資料として「航空と気候変動」を公表しました。ご参考までにプレスリリースの要約を掲載します。

原記事:
https://www.gov.uk/government/news/airports-commission-seeks-evidence-on-aviation-and-climate-change

空港委員会について:
http://www.aerc.jp/index.php?ID=105&cID=10

資料のダウンロードページ: https://www.gov.uk/government/publications/discussion-paper-on-aviation-and-climate-change

公表日:2013年4月5日
 空港委員会の一連の討議資料の1つとして、航空と気候変動に関する資料が公表された。

 空港委員会は今日(2013年4月5日)、英国の空港容量の必要性について委員会の見解を提供するにあたり、基づくべき証拠を構築するために、一連の討議資料の第3番目として「航空と気候変動」を公表した。

 この資料は、英国の航空容量と接続性の必要性がどのような性質のもので、規模、時期についても空港委員会が評価を行うため、配慮が必要な航空と気候変動に関する科学や政策を探求するものである。航空の排出物の将来展望のための様々なアプローチ方法や空港容量の制約と排出炭素の関わりについて論じている。空港委員会が将来の空港容量について提言を行うにあたり配慮が必要となるだろう気候変動適応の論点もまた、資料は考慮している。

 空港委員会の委員長であるSir Howard Daviesの発言である。:

 「この論点を理解することが空港委員会の優先事項である。2003年の白書で政府が空港容量について最終的に展望してから、気候変動の議論は格段に進展している。気候変動法、航空へのEU ETSの適用、そして気候科学の発展、これらはすべて我々が作業を続けるにあたり考慮を払う必要がある事柄である。この資料は我々の現状での知識の状況を要約しようとする試みであり、我々の理解を発展させるための助けとなるような反応を呼び起こすためのものである。」

 この資料はさらに、英国にこれ以上空港容量が必要であるかについて、その規模や性質、そして時期を空港委員会が決定するための証拠に基づく取り組みについても明らかにしている。この資料で提示された問題について2013年5月17日までに、関係者は委員会に対して証拠の提出を求められる。

編集者への注記

 空港委員会は2012年11月2日に発足した。2013年の終わりまでには以下について報告をしなければならないという付託条項がある。

•世界のハブとしての英国の立場維持に必要な段階的方策の性質や規模そして実施時期についての証拠の評価
•現在の滑走路能力の使用法を改善するための、これからの5年間に行う速やかな対策に関する委員会の(1つ或いは複数の)提言−これは信憑性のある長期の選択肢と矛盾しない。

 委員会の付託条項はまた、2015年の夏までには以下について報告すべきであるとしている。

•英国の国際的接続性の必要性を満たす選択肢の、経済的、社会的そして環境的影響を含めた評価
•いかなる必要性も満たす最適なアプローチに関する委員会の(1つ或いは複数の)提言
•要求される時間内で実行可能な限り迅速に、その必要性が満たされることを確実にするための委員会の(1つ或いは複数の)提言

 空港委員会の作業に関するインタビューの申込や報道媒体の他の問い合わせについての電話連絡先:0207 944 3118。

関連文書

•Submitting evidence and proposals to the Airports Commission(空港委員会に対する証拠と提言の提出)
•Discussion paper on aviation demand forecasting(航空需要予測についての討議資料)
•Discussion paper on aviation connectivity and the economy(航空の接続性と経済についての討議資料)

海外情報紹介 ヒースロー空港に着陸する航空機のvortexが屋根を壊す。

3月22日付けのbbc.co.ukに、ヒースロー空港の着陸機の後方乱気流による被害対策について記事が掲載されましたので、ご参考までに翻訳を掲載します。

原記事:
http://www.bbc.co.uk/news/uk-england-berkshire-21904501

ヒースロー空港のvortex対策窓口:
http://www.heathrowairport.com/noise/our-schemes-to-help-you/vortex-protection


Vortex Protectin Schemeのパンフレット:
http://www.heathrowairport.com/static/Heathrow_Noise/Downloads/
PDF/LHR_Vortex_Protection_Scheme.pdf#search='heathrow+airport
+Vortex+Protection+Scheme'


ヒースロー空港はvortexが壊したHillさんの家を修理した。

 ヒースロー空港に着陸する航空機が渦を生じさせて、ある婦人の家の屋根をはぎ取って穴をあけた。

 BerkshireのOld WindsorにあるPatricia Hillsさんの家から瓦と煉瓦を吹き飛ばすほど突然の気流は強力だった。

 ヒースロー空港によれば、10,000回の飛行のうち1回だけが家屋に被害を与えるような渦を生じるそうだ。

 水曜日の夕方にインシデントが起きて、Mrs Hillの資産が被った被害の修理のために修理チームが送り出された。

 Old Windsorはヒースロー空港の飛行経路下にある。

「交戦地帯」

 Hillさんは「大きな爆発音」を聞いて、最初に屋根が壊れたことを知った。

 老齢の婦人は言った。「大きな音が聞こえたのは、台所で夕食の支度をしていた時だった。」

 「びっくりして玄関から出たら、屋根に大きな穴があいていた。」

 「少しして、近所の人がきて、私の家の裏側に回ったら別の穴があいていたと教えてくれた。」

 「ほんとにひどい有様で、戦時中のようだったから本当に慌ててしまって。」

 消防士がすぐに駆けつけて、一帯を封鎖し、屋根からがれきが落下するのに備えて家から避難させた。

 ヒースロー空港の広報担当であるLizzie Byssheは、空港の飛行経路下の家屋の損害に対応するVortex Protection Schemeのための1,500万ポンドの資金をヒースロー空港は用意していると述べた。

 技術者チームは補修作業を完了し、屋根の損壊部分を補強した。

 Hillsさんは付け加えた。「ヒースロー空港はとても素晴らしくて、すぐに屋根を直しに来てくれたわ。」

海外情報紹介 ヒースロー空港の滑走路再舗装作業で騒音被害が拡大する。

Your Local Guardian. co.ukにヒースロー空港の滑走路再舗装作業が騒音被害を増大させる可能性について記事が掲載されましたので、ご参考までに要約を掲載します。

原記事:http://www.yourlocalguardian.co.uk/news/10240634.
Runway_works_mean_more_noise/


ヒースロー空港ホームページの関連記事:
http://www.heathrowairport.com/noise/noise-in-your-area/runway-resurfacing 2013年2月21日木曜日am7:00

 ヒースロー空港の滑走路再舗装作業のせいで、飛行経路下の住民の航空機騒音被害が増大するだろう。

 南滑走路の再舗装作業のせいで、夜間飛行はすべて、北滑走路に着陸することになるだろう。− 夏の間中ほとんど、飛行経路はKewとBarnes上空を直接通過することになる。

 ヒースロー空港の広報担当者曰く、「約10年に一度の必須の滑走路再舗装作業によってご迷惑をかけるのは申し訳ないと思う。」とのことである。

 「飛行の総数が増えるわけではないが、北滑走路の飛行経路下の住民には早朝の騒音影響が不幸にも拡大することになるだろう。その分、南滑走路近辺の騒音は減るのだが。」

 ヒースロー空港はエアラインに対し、騒音のうるさい航空機にはより多く課金することで、夜間は最も静かな飛行機を飛ばすように奨励しており、影響を受ける住民には防音工事を提案している。

 ヒースロー空港拡張に関して5月に、Richmond upon Thames(ロンドン特別区の一つ)規模の投票を実施しようと準備をしている区議会のleaderであるLord True氏は、夜間飛行に悩まされる住民は皆、抗議すべきだと述べた。

 彼によれば、「安全を守るため、滑走路を再舗装する必要は理解しているが、ヒースロー空港はam4:30の目覚ましコールと耐え難い騒音で睡眠を妨害し、数週間或いは数ヶ月もの間、多くの人々に試練を味あわせてはならない。」とのことである。

 「作業の進行中は、いかなる飛行経路でも夜間飛行は増やさないという規則があるべきで、そのために再舗装作業中は何らかの業務の停止或いは日程変更が行われねばならないなら、我々は少なくとも、ヒースロー空港が万難を排して事に当たることを望む。」

 この作業は、3月3日から10月31日までの夜間飛行パターンに変更を生じさせ、必須のものであるとはいえ、ヒースロー空港拡張に強い反対が唱えられている時期に行われることになる。

 Richmond Park選挙区選出の下院議員であるZac Goldsmith氏は大臣達に対し、Richmondの住民のため、彼等の意見を現在の夜間飛行体制に反映して、Richmond Heathrow Campaignと緊密に連携するよう要求してきた。

海外情報紹介 実質的に煙突の役割をする、単純構造のブラストフェンスが空港の環境汚染を低減する可能性がある。

単純構造のブラストフェンスで空港周辺の大気質改善を行うための実験が英国のCranfield空港で実施されました。工学・物理科学研究委員会(Engineering and Physical Sciences Research Council, EPSRC)のホームページで概要が紹介されましたので、ご参考までに要約を掲載します。

原記事:http://www.epsrc.ac.uk/newsevents/news/2013/Pages/
virtualchimney.aspx


2013年1月31日付けプレスリリースより  最近の調査により、バッフルと呼ばれる単純構造の「ブラスト」フェンスが空港周辺住民のための大気質改善をもたらす可能性があるとわかった。

 滑走路の背後に設置したバッフルは「仮想煙突」として機能し、航空機エンジンからの排出物を1カ所に集めて上方へ流し、より効果的に消散させられるので、結果として近隣住民への環境影響を低減する。

 試作型バッフルはEngineering and Physical Sciences Research Council (EPSRC)の資金供給により、Manchester Metropolitan大学、Cranfield大学、 Southampton大学そしてCambridge大学の研究者チームによって実験が行われてきた。

 Cranfield大学による、様々な形状のバッフルを使用した予備的風洞実験の後、3列のバッフルを多数並べ、レーザースキャニング(Lidarといい、光学的レーダーである。)と化学的センサー技術を用いて、BedfordshireにあるCranfield空港で実験が行われた。低価格の農業用防風ネットを軽量フレームに張って組み立てた、人間の身長より低い試作型バッフルを使用することで、航空機の排気プルームを空港の境界柵内で地面から上昇させることができると、この実験が実証した。

 計画を指揮したMike Bennett博士によれば、:「飛行場の表面は通常、草が覆っていて、風がその上を自由に吹き渡っている。多数のバッフルを並べることで表面に空気力学的な意味でのでこぼこを作る。これが運動量を排気ジェットから吸い上げて、自然の浮力が作用し始めるのを可能にする。バッフルを適切な角度に配置することで、排気を上方へと押し上げてやることも可能になり、排気の地表からの上昇を促進する。」

 「我々が実験したバッフルは、この鉛直流を最大限に利用するためと、バッフルが機能停止しないよう確実にするために、40°から60°の傾斜をつけた。排気ガスがそれでもいずれは地上へとまき散らされるだろうが、濃度は低くなっているだろう。航空機が離陸する場所の背後にある外周フェンスで表面濃度を約50パーセント低減できればよいと思っている。」
 欧州内の多くの主要空港周辺で二酸化窒素(NO2)の長期地表面濃度は、EUが設けている法定限度をすでに超えている。

 実験の目的は、バッフルの空気力学的作用を基本的に検証することだった。試作品の設置は一時的だったので、常設のためにどのように設置するかという観点からは遙かにかけ離れたやり方で組み立てられた。各バッフルはジェットエンジンの80から90ノットの爆風に耐えられるように十分頑丈でなければならないが、航空機が衝突しそうな時は航空機を傷つけることなくつぶれるように十分壊れやすくなければならない。実験では、試作型バッフルの幅を約2メートルに制限することでこれは達成されたが、常設するなら、かなり幅を狭くすることで実用可能なものになるだろう。本格的使用にあたっては、滑走路背後に、ほぼ1,000平方メートルに渡ってバッフルを設置する必要があるだろう。

 実験では、エンジン騒音の流れをバッフルが適度に弱めることも分かり、空港の周辺部でジェット噴流を低減するにも有益であることが判明した。

 Bennett博士によれば、「2年か3年以内に空港でバッフルの設置を開始できない理由はどこにもない。」とのことである。「地域的大気質の点から見れば、バッフルは、NOxの低いジェットエンジン開発のための、時間と費用のかからない補完対策の代表である。」

 EPSRC(Engineering and Physical Sciences Research Council)が資金供給し、2008年設立で、航空分野における最先端の研究を請け負う、空港エネルギー技術ネットワーク(Airport Energy Technologies Network, AETN)の援助で計画は実施された。

編者のための注記

 2012年秋に完了し、EPSRCの資金供給をトータルで £413,000受領した、英国研究会議(Research Councils UK, RCUK)のエネルギー関連研究プログラムである「民間航空機の排気ジェットの実用的軽減技術の研究」の3年計画の一環としてバッフルの開発が行われた。 Cambridge大学は屋外実験での大気質監視のための専門技術を提供した。Southampton大学の音響振動研究所が音響学的調査を行った。

 Cranfield空港の屋外実験で使用した航空機は自然環境研究委員会(Natural Environmental Research Council, NERC)の空中大気測定のための設備で、4発のBAe146型機である。航空機は全部で12回離陸し、各回とも、5〜15秒間、離陸に先立ち滑走路端でエンジンをふかした。

 Lidarは光学的レーダーである。排気プルームの拡散を監視するために排気プルームをパルス状の紫外線レーザー波でスキャンした。

 空港エネルギー技術ネットワーク(AETN)に関連した初期のプロジェクトは、2009年11月のEPSRCのSandpit(砂場)行事の出力だった。Sandpitsは特定の論点を深く掘り下げて革新的解決策を見いだすために自由な発想が奨励されている集中公開討論会である。

 工学・物理科学研究委員会(Engineering and Physical Sciences Research Council, EPSRC)は、工学・物理科学の研究に資金供給するための英国の主要機関である。EPSRCは、英国が次世代の技術変革に対処するのを支援するため、研究と卒後研修に年間8億ポンド出資する。カバーする領域は情報技術から構造工学、そして数学から材質科学に及ぶ。この研究が英国の将来の経済発展の基盤を形成し、国民の将来の健康やライフスタイルや文化の向上の基盤を形成する。EPSRCには他の研究領域を担当する研究委員会との連携がある。英国研究会議経由で、これらの研究委員会は共通の懸念事項について共同で作業を行う。

 英国研究会議(RCUK)のエネルギープログラムの目的は、英国のエネルギー目標と環境目標及び政治目標を、国際的レベルの調査と訓練を通じて達成させようというものである。エネルギープログラムは低炭素の未来を開拓するための調査と技能に5億3千万ポンドを超える資金を投入している。これは過去5年間の実績額3億6千万ポンドの上に築かれている。

 工学・物理科学研究委員会(Engineering and Physical Sciences Research Council, EPSRC)の主導により、エネルギープログラムはEPSRCの作業と、生命工学・生物科学研究委員会(Biotechnology and Biological Sciences Research Council, BBSRC)、経済・社会研究委員会(Economic and Social Research Council, ESRC)、自然環境研究委員会(Natural Environment Research Council, NERC)、そして科学・技術設備委員会(Science and Technology Facilities Council, STFC)の作業を融合する。

 英国研究会議(RCUK)のエネルギープログラムは500を超える公的機関及び私的機関と密接な関係を持ちながら作業を行い、目下進行中の共同研究が1,100件ある。エネルギープログラムは英国政府が根拠に基づく決定や政策を行うのに役立っている。

 Manchester Metropolitan大学は英国で最も広いキャンパスを持つ、学部課程の大学で、総学生数が37,000人を超え、職業教育と職業能力を重視している。150年の歴史があり、1992年にuniversityの地位を得た。

 Southampton大学は英国における一流の教育・研究機関であり、工学、科学、社会科学、保健と人文科学の幅広い分野にわたる最先端の研究と奨学金で国際的に評価されている。

 23,000人を超える学生と約5,000名のスタッフがおり、年間取引高は優に4億3,500万ポンドを超え、Southampton大学は工学、コンピューター科学そして医学に関して英国の一流大学の一つという知名度がある。学問の優れたところと研究に対する革新的で起業家的なアプローチを組み合わせて、学生とスタッフを学問追求に従事させ、学問追求意欲をかき立てるような支援を行う。

 Southampton大学にはまた、音響振動研究所(Institute of Sound and Vibration Research)、 光電子工学研究センター(Optoelectronics Research Centre)、Web Science Trust and Doctoral training Centre, 健康と疾病に関する発生学的起源センター(Centre for the Developmental Origins of Health and Disease)、Southampton 統計科学研究所(Southampton Statistical Sciences Research Institute)などの世界の先端を行く研究センターがあり、Southampton大学はSouthampton 臨海キャンパスにある英国海洋学センター(National Oceanography Centre)の共同経営者でもある。

詳細についての問い合わせは以下まで:

Dr Mike Bennett, Manchester Metropolitan University, tel: 0161 247 6727.

画像はEPSRC Press Officeから入手可能である。
連絡先:telephone 01793 444404,
e-mail: pressoffice@epsrc.ac.uk

海外情報紹介 二酸化炭素排気と騒音汚染のバランスをとるために航空交通管理を行う

European Commission(欧州委員会)の環境部門が発行しているニュースペーパーに、出発時の速度制約とCO2排出量及び騒音の関係について行われたスウェーデンの調査について記事が掲載されましたので、要約を掲載します。

原記事:http://ec.europa.eu/environment/integration/research/
newsalert/pdf/314na1.pdf
2013年1月24日
314 号


 いくつかの空港で地域における騒音汚染を最小限にするために航空機の速度制約が導入されたが、そうすることで燃料効率が大変に悪化する可能性がある。出発時の速度制限を緩めることで、受容可能な騒音レベルを保ったまま、実質的にCO2の排出が低減出来る可能性が新規調査によって示された。

 航空産業は温室効果ガスの原因物質、特にCO2の主要な排出源である。気候変動に関する政府間パネルは、出発と到着の場面で燃料効率による排出削減が最大規模で可能であると見積もっている。多くの研究の焦点が着陸であろうと、出発もまた重要な場面である。欧州内の飛行なら、離陸してから巡航が開始可能になる最高到達点まで上昇するまでのこの短い場面で、全行程で必要な燃料の内、25-30%の燃料を必要とする可能性がある。

 この調査において、分析モデルを開発するために研究者はスウェーデンの Gothenburg Landvetter空港の実際の飛行データを使用した。このモデルは5つの出発例を使って空港周辺地域が経験するCO2排出量と騒音レベルを予測した。例の中には地上18.5kmの距離における速度制限205、210(実際の制限値)、220のノット表示対気速度(KIAS)による飛行が含まれている。さらに2つの分類として、高度10,000フィートに達するまで250 KIASで飛行するというものと、速度制約のない「自由速度」という分類があった。

 調査結果が示したのは、出発の場面での250 KIASの例では燃料効率が上がったことによりCO2の排出が105kg減少したということである。さらに、この効率上昇は、空港から11kmと18.5kmの距離の時に地上での騒音レベルのほんの少しの上昇(2dB)という結果に落ち着いた。26kmを超えた距離では1.5dBの騒音減少が見込まれた。

 完全に速度制限を取り除いた場合、出発時のCO2排出量が180kg減少したが、空港から18.5kmと26kmの距離の間で騒音レベルが4dB上昇した。たとえ速度制限を取り除いた場合に約70dBの騒音暴露地域が拡大しても、そして、たとえそのような騒音レベルが特に高く、健康に悪影響を及ぼすと見なされても、その程度の騒音レベルへの騒音暴露であればスウェーデンでの規制下では許容可能な範囲である。

 これらの結果が示唆するのは、航空機の出発時速度制限を緩めると、この例では騒音汚染レベルを問題になるほど高いレベルに上昇させることなくCO2排出量を減らすことができる可能性である。理由としては明記された空港から人口集中地域が10km以上離れているというだけであり、そこでなら騒音は減少すると予測された。しかし、研究者が警告するのは、空港にもっと近接した場所での騒音レベルの上昇は、特に速度制限を完全に取り除いた場合、さらに人口が密集している地域において空港騒音問題を引き起こす可能性があるということである。

出典: Mitchell, D. Ekstrand, H., Prats, X. et al. (2012). An environmental assessment of air traffic speed constraints in the departure phase of flight: A case study at Gothenburg Landvetter Airport, Sweden. Transportation Research Part D. 17: 610-618. DOI: 10.1016/j.trd.2012.07.006
連絡先: deborah.rushton@chalmers.se
主題: Noise, Sustainable mobility


原著論文:
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S136192091
200079X

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